【徹底検証】血清の幻視を丸裸にしてみた

好評稼働中のドローシミュレータ、毎日大勢の方が利用してくれているようで何よりです!

地味に試行回数に対して何回該当条件を満たしたかの回数を表示する機能を追加しました。

https://mtg.theuri.net/%e8%a4%87%e6%95%b0%e6%9e%9a%e5%af%be%e5%bf%9c%e5%9e%8b%e3%83%89%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%82%bf/

以上、販促終わり。

今回はこのおもちゃを使って遊んでいきたいと思います。
題材はモダン民のアイドルである《血清の幻視/Serum Visions》でライブラリを掘り進むのがどれほど強い動きか、についてです。

 


知っておくと楽しい法則

確率の計算で複数の結果を複合する際には2つの法則がある、たった2つだから是非覚えて帰って欲しい。

 

積の法則

結果1と結果2を同時に満たして欲しい時は、結果同士を掛け算する。
つまり「AND」の時は掛けりゃ良いって事です、分母>分子同士を掛け合わせるので当然数字(確率)は小さくなります。

例)7枚引いてオパモとダークスティールの城塞と0マナアーティファクトが全部含まれていて欲しい。

 

和の法則

結果1か結果2のどちらかを満たして欲しい時は、結果同士を足し算する。
つまり「OR」の時は足せば良いって事です、こちらは数字(確率)が大きくなります。

例)7枚引いて土地か極楽のマントルのどちらかが含まれていて欲しい。

 


血清の幻視を持ち上げる前に

モダンフォーマットで、私が作る青いデッキにはほぼ確実に4積みされる血清の幻視。

様々なドローソースを試してきたけど、体感一番強いと思うので結局これに戻って来てしまいます。

誤解無きよう先に書いておきますが、モダンフォーマットで同コストの競合する強力なドローソースと言えば《手練/Sleight of Hand》《選択/Opt》は外せません。

手練は唱えた時にすぐ手札に入れられる確率が血清の幻視より高いし、選択は引く前に見れる上にインスタントと言う強みがあるので、攻撃的なデッキであればあるほど、こちら2枚の方が期待値が高くなると思っています。

それでもなお、モダンでは1マナで最大3枚掘れる唯一の呪文。
安定性を求める私は血清の幻視が好みなのです。

 


血清の幻視を考察しよう

前置きはこれぐらいにして、前提条件を決めて考察して行きましょう!

初期手札の7枚を引き終えてマリガン無し、遅くとも次のターンのメインフェイズが始まるまでにデッキに入っている4枚のキーカードを1枚は引きたい!
※キーカード無いなら1回ぐらいマリガンしろよってのは無しで。

この時デッキの中身はこうなっているはずだ

4 キーカード
49 その他

 

血清の幻視が無い時

次のターンのドローステップに普通に1枚ドローして終わりなので、その確率は大体こうなる。

106,000回の試行結果
7,913回の該当
約7.47%の確率
※誤差考慮3.12%~11.82%の範囲

 

血清の幻視が有る時

初手で青が出るアンタップイン土地と血清の幻視が有るなら、いきなり撃つ事が出来る。

ここで重要なのは、血清の幻視で最初に引くカード、続く占術2で見えるカード、次のターンのドローステップで引くカードの4枚のどれかで引き当てれば良いので「OR=和の法則」を当てはめる事が出来る、つまり思いの外高い確率が期待出来そうだと考える事です。

それでは、実際に次のターンのドローステップを含めるとどれぐらい可能性が上がるのか見てみましょう。

まず血清の幻視の最初のドローを解決、デッキ内容は変化なしなので

106,000回の試行結果
7,893回の該当
約7.45%の確率
※誤差考慮3.11%~11.8%の範囲

ここで引けなかったとすると、デッキの中身は「その他」が1枚減ってこうなる。

4 キーカード
48 その他

次に占術2を解決、2枚のうちどちらかに1枚以上のキーカードが含まれる確率を出してみよう。

104,000回の試行結果
15,595回の該当
約15%の確率
※誤差考慮10.65%~19.36%の範囲

さらにここで引けなくて、2枚ともボトムに送って次のターンのドローステップに望みをつなぐ事になったとしましょう。

この時、ボトムに送ったカードはシャッフルしない限り次のドローステップではほぼ確実に引く事が出来ないのでデッキの中身は「その他」が2枚減って、実質こうなる。

4 キーカード
46 その他

それでは次のターンのドローステップを解決、祈りを込めてドローしてみよう。

100,000回の試行結果
7,968回の該当
約7.97%の確率
※誤差考慮3.63%~12.31%の範囲

 

結果を整理する

最初に書いた通り、これらはどこかで条件を満たせば「次のターンのメインフェイズまでにキーカード引く」と言う条件を満たす事が出来るので「和の法則」が成り立ちます。

と言う訳で、全部の結果を足してみましょう!

 

7.45%+15%+7.97%=30.42%
※95%の確率で±4.35%の誤差

 

え!?高くない?(動揺)

 

感覚とのズレに焦って検算中…

7,893/106,000+15,595/104,000+7,968/100,000
=7,893/106,000+3,119/20,800+249/3,125
=(10,260,900+20,663,375+10,979,904)/137,800,000
=0.30409419
≒30.4%

 

どうやら和の法則を適用するのは正しいとすると、30%前後の確率で引けるらしい。

 


俄かに信じられない

この計算結果をみて素直に受け取れる人は「確率に明るい人」だと思います、私はやはり何となく感覚とのズレが大きくてスッと入って来ません。

そこで!疑り深い知的好奇心旺盛な私は、これが証明できればパラドックスを体験する事が出来るチャンスだと思い、実際のカードで100本ノックやってみました(狂気)

 

狂気の100本ノック

デッキ内容の内訳は「キーカード」と「その他」の2種類のみで、ライブラリ内にキーカードが4枚、つまり手札は全てその他となります。

何となく雰囲気を出すために島と血清の幻視を含めた7枚を脇にどけて…

ライブラリにはキーカードとして《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact》を4枚入った状態にします、ハサミ強いよハサミ。

それでは初手血清の幻視を使った所からループします。

​[expand title="実践値(開く)" swaptitle="実践値(閉じる)"]

試行
回数
血清の幻視 次の
ターン
1 draw scry 2
1 × × ×
2 × × ×
3 × × ×
4 × × ×
5 ×
6 × × ×
7
8 × × ×
9 × × ×
10 × × ×
11 × × ×
12 × × ×
13
14 × × ×
15 × × ×
16 ×
17 × × ×
18 × × ×
19 × × ×
20 × × ×
21 × × ×
22 × × ×
23 × × ×
24 × ×
25 × × ×
26 × ×
27 × × ×
28 × × ×
29 × × ×
30 ×
31 × × ×
32 × × ×
33 × × ×
34 × × ×
35 × × ×
36 × × ×
37 × × ×
38 × × ×
39 ×
40
41 × × ×
42 × × ×
43 × × ×
44 × × ×
45 ×
46 × × ×
47
48 × × ×
49 × × ×
50 × × ×
51 ×
52 × × ×
53 × × ×
54 × × ×
55
56 × ×
57 × × ×
58 × × ×
59 × ×
60 × × ×
61 ×
62 × × ×
63 × × ×
64 × × ×
65 × × ×
66 × × ×
67 × × ×
68 × × ×
69 × × ×
70
71 × × ×
72 ×
73 × × ×
74
75
76 × ×
77 × × ×
78 × × ×
79 × × ×
80 × × ×
81 × × ×
82 × × ×
83 × × ×
84 × × ×
85 × × ×
86
87 × × ×
88 ×
89 × × ×
90 × × ×
91 × × ×
92
93
94 × × ×
95 × × ×
96 × × ×
97
98 × × ×
99 × ×
100 × × ×

[/expand]

 


検証結果

100回中27回キーカードを引いた=約27%の確率

 

え、マジやん。

 

試行回数100回だから当然偏ってると思うけど、これは信じざるを得ない結果が出たんじゃないかなーと思います。

何となく53枚から4枚引くだけだからもっと確率は低いと思ってた。

まさにパラドックス!

初手でこの確率と言う事は、こう言いかえる事が出来ます。

4枚ドローしたらライブラリに4枚眠っているカードは3割前後(以上)の確率で引ける。
※ライブラリ枚数が減れば減るほど確率が上がるため。

 

うーん、しゅごい…。

 


あとがき

確率厨の私ですが、実際の戦いでは頻繁に「れっ…!光れっ…右手っ!!」と確率を超えたドローを神頼みしまくっているのが現実です。

分析,雑談血清の幻視

Posted by theuri