[モダンホライゾン2] 注目のカード Vol.4 – 神話想起サイクル

モダホラ2の新カードをあれこれ考察していく第4弾は、神話レア《想起/Evoke》サイクル呪文について。
想起とは基本的に何らかの「場に出た時能力を持ったクリーチャー」が持つ、代替えコスト能力を指します。
一部例外は有るけど、基本的にはなんらかの既存呪文がCIP能力として内蔵されていて、想起コストで支払うと割安で戦場に出せる代わりに、CIP効果と同時に「生け贄に捧げる能力」がスタックに乗ってしまいます。
通常コストを支払えば生け贄に捧げる能力は誘発しないので、CIP能力を解決した後にクリーチャーが残るため、1枚分アドバンテージが取れるってのが特徴ですね。
本来のCIP能力と生け贄に捧げる能力が別々にスタックに乗るので、これらを逆手に取った面白デッキも色々開発されて来ました。(※ブリンクとか日時計とか。)
取り合えず面白系のカードって印象が強かったのですが、今回まさかの神話レアでのサイクル、なんと想起コストが「手札からカードを1枚追放するだけのピッチ支払い」と言う前代未聞の仕様となっております。
さらに想起持ちは全てクリーチャー、それはモダン環境で猛威を振るう事になった《否定の力/Force of Negation》に引っかからないと言う大きな強みも有るため、今後かなり見る事になるのは想像に難くありませんね。
今回も今回のサイクルに対するメタカードと、発売を間近に控えているので、初動価格も併せて見て行きましょう!
孤独
まずはいつも通り白から、5マナ3/2で瞬速・絆魂を持つクリーチャー、CIP能力は対象のクリーチャーを追放し、そのコントローラーにパワー分のライフゲインとなっております。
これはエターナル民や、古いプレイヤーならご存じの《剣を鍬に/Swords to Plowshares》(通称ソープロ)ですね。
これは、モダン最強の除去との呼び声も高い《流刑への道/Path to Exile》のリメイク元で、そんなスペルが内蔵されていて弱い訳がないってお話で。
パスは強力では有りますが、相手に基本土地を1枚プレゼントしてしまうと言う、序盤ではかなり大きなデメリットが付いていました。
ソープロに関しては土地の代わりに、飛ばしたクリーチャーのパワーに等しいライフをプレゼントしてしまう訳ですが、
死ななければ安い
が顕著な下環境で言えば「だから何?」と言ったデメリット、何なら流行りのデスシャドウとかを一気に殲滅出来るため、メリットまである。
勿論キルターンを可能な限り短く設定しているアグロデッキとかだと、そのライフゲインが致命的だったりするので「白ければ入る訳ではない」のはお約束で。
晴れる屋の初動価格は4,500円で、シンプルに高額カードとなっている模様。
まぁ、そうなるよね。
緻密
続いて青、4マナ3/3で瞬速・飛行を持つクリーチャー、CIP能力はクリーチャー呪文かプレインズウォーカー呪文を対象とし、その呪文のコントローラーはそれをライブラリのトップかボトムに戻す、となっています。
ちょっとややこしいですが、効果としてはスタックに乗っているクリチャー呪文かプレインズウォーカーの呪文をライブラリにバウンスするイメージ。
注目すべきポイントは「打ち消し」では無いため、各種「打ち消されない」を無視して効果を発揮する事が出来る点。
ライブラリのトップかボトムを選ぶのは対象にされた呪文のコントローラーなので、不用意に唱えた戦況を覆さないようなクリーチャー呪文をトップに置いて、無駄ターンを過ごさせるみたいな使い方は出来ません。
ゆうて1ターンの差が明暗を分ける下環境で、これがピッチコストで撃てるのは言うまでも無く強力です。
やべーカードをトップに戻された時用に、相手にサーチを強制したり、切削させたりなんかの手段を工夫したりね。
あと、コントロール系のデッキであれば素出し出来る範疇で3/3飛行、コイツ自身がフィニッシャーになれるのが画期的ですね。
ふんふん、マジで強いなコイツ。
気になる初動は7,500円?
マジかいや(絶望)
悲嘆
お次は黒、4マナ3/2で威迫を持つクリーチャー、CIP能力は対戦相手一人を対象とし、手札から土地以外のカードを1枚捨てさせる事が出来るようです。
これのリメイク元はピットサイクルでお馴染みの《暴露/Unmask》ってヤツらしいですが、自分を対象に取れないよう調整されています。
前回の記事でモダンでピットサイクルみたいなデッキが出来たりしない?とか書いちゃったんですが、これ自分を対象に取れないから簡単にはいかなそうですねw(行けると思ってた)
それはそうとして、このカードは後述するブリンクコンボで、初手から「やる気デストラクション」を仕掛ける事が出来るので、正直ひどすぎんか?と思っている1枚です。
素出しもギリギリ範疇で、やってる事は4マナで3/2威迫を出しながらライフの減らない《思考囲い/Thoughtseize》撃ってる訳だからね、弱い訳がなかろうて。
で、気になる初動価格は8,500円とのこと(ヒェッ)
激情
さて、何かとネタ枠にされがちな赤はどうでしょうか。
スペックは5マナ3/3で二段攻撃、CIP能力は望む数のクリーチャーかプレインズウォーカーを対象に取り、4点のダメージを割り振る事が出来ると。
えっ、強くない?
単純にピッチスペルで複数交換出来る可能性がある
ってのは言い換えると「フルタップから盤面ひっくり返せるかもしんない」って事なので、それが弱いは無いと思います。
惜しむらくは瞬速が付いてないことぐらいか。(※ついてたらもっとヤバくなるけどw)
あとはほら、モダンには《卑怯/Cowardice》があるじゃろ?
んでこの新カードは望む数の対象を取って良いんじゃろ?
後は分かるじゃろ?(クソデッキ脳)
いやー、さぞかし初動価格も凄い事になっているんだろうなー。
え、2,200円?
地味に高くてリアクションに困るじゃないか。
忍耐
ラストは緑、3マナ3/4で瞬速と到達を持つクリーチャーで、CIP能力は対象のプレイヤーの墓地を無作為にライブラリボトムに戻す。
これもまたシンプルに強いと思いました、緑らしいと言うか3マナでこのクリーチャーがフラッシュしてくるだけでも強いやんって言う。
そしてCIP能力の方はかなり万能な防御性能となっていて、ざっと考えただけでも
- オラクルコンボに干渉して止める。
- 相手のライブラリアウトに干渉して振り出しに戻す。
- ドレッジに干渉して振り出しに戻す。
- リアニメイトに干渉して振り出しに戻す。
ライブラリや墓地を利用した攻撃全般に刺さるため、モダホラ2以降の環境では非常に心強い1枚になると思っています。
初動価格は4,500円、どうやら安心を買うには大枚をはたく必要がありそうです。
対想起サイクルのメタカード
冒頭でクリーチャー呪文だから否定の力に引っかからないと書きましたが、逆に言うと対クリーチャー対策には引っかかる事になります。
またこの神話想起サイクルに関しては単純に効果が強力なため、モダホラ1のカードを使ったシンプルなブリンクコンボが、組み合わせによってはかなりヒドい事になります。
それについても少し触れておきましょう。
儚い存在/Ephemerate
対メタではなく、シナジーが濃いカード。
1マナで自分のクリーチャー1体をブリンク(※すぐさま戻って来るタイプ)し、《反復/Rebound》により次の自分のアップキープに再びブリンクする事が出来る。
コンボと言うほど大げさな物じゃないけど、CIP能力が強力であればあるほど、その恩恵が大きくなります。
特にエゲつないのが黒の悲嘆との組み合わせ、先攻初手で以下のような動きが可能です。
- 白マナが出る土地を出す。
- 手札から黒いカードを1枚追放して悲嘆を想起で唱える。
- 悲嘆が場に出るとハンデスと生け贄がスタックに乗る。
- ハンデスを解決してから、スタックで儚い存在を悲嘆を対象に唱える。
- ブリンクにより悲嘆が別のオブジェクトとなって戦場に戻り、今度はハンデスだけスタックに乗る。
- ハンデスを解決して最初の生け贄を解決するが、悲嘆すでに別オブジェクトになっているためフィズる。
- 場には3/2威迫のお肉が残る。
これはヒドい
更に悲嘆が生きたままターンが返ってくると、反復によりもう一度悲嘆をブリンク、ハンデスお代わりして、また3/2威迫のお肉が残ります。
こちらが使ったカードは「悲嘆」「黒いカード」「儚い存在」の3枚で3/2威迫のお肉をゲット、相手は「こちらが選んだ土地ではないカード」を3枚失うだけの結果になるので、実質3:4交換となります。
後攻の相手からすると、自分のターンを1回しかプレイしていないのに、こんな事されたら…ねぇ?w
他の色との相性はこんな感じで見てます、タイミングにかなり左右される感じかな。
- 白:相手が2~3体クリーチャーをコントロールしていれば全部吹っ飛ばせるが対象を取るのは強制のため、相手が何らかの方法でクリーチャーを減らして来た場合、コイツ以外の自分のクリーチャーを除去しなくてはならなくなる。
- 青:スタックにクリーチャー呪文やプレインズウォーカー呪文が複数乗るのは余りにも稀なので、この組み合わせだけは無い。
- 赤:元々瞬速が付いていないので、上手く着地済みをブリンクしてインスタント4点除去として使ったりも出来るので、かなり相性が良いと思う。
- 緑:ライブラリ修復は、連発して強いものでは無いと言う理由から微妙な組み合わせ。
無理に想起スタックを狙わなくても、着地済みが立っているだけで非常に強力な牽制になります。
インスタントタイミングでブリンクしてやれば、いくらでも仕事してくれるからね。
倦怠の宝珠/Torpor Orb
さて、ここからは対メタカードの紹介。
まずは対部族デッキ御用達の特効アーティファクト、勢い余って5枚買ってしまったぐらい、使用頻度が高いカードです。
想起呪文は原則CIP持ちのクリーチャーなので、ピッチで唱えられようが正規コストを支払われようが全て無効化します。
神話想起サイクルが非常に高額なので、ちょっと様子見てる勢は取り合えず購入しておく事をお勧めします。
静寂をもたらすもの/Hushbringer
手足の生えた倦怠の宝珠、同じ2マナ呪文なのに、何故か空を飛び絆魂までついている。(さすがエルドレイン)
出た時に仕事をするクリーチャーは強いと言われますが、裏を返せば出た時に仕事を出来なくすれば、それはもう「強くないクリーチャー」なのです。
こちらは起動型能力を中心としたクリーチャーに寄せるなどの工夫は要りますが、刺さるデッキには全力で刺さるので、こちらもかなりお勧めです。
対レア待機サイクルと被ってるメタカード
前回紹介したメタカードと被ってるので、かいつまんで紹介。
- 虚空の鏡:ピッチコストで唱えると「色マナを支払わない」から打ち消されるため、正規コストの支払いを強要出来ます。普通に唱えられたら通りますが、チャリスで止めれない事を考えるとこちらの方が丸いですね。
- アゾリウスの造反者、ラヴィニア:ピッチコストで唱えると「マナを支払わない」から打ち消されるため、正規コストの支払いを強要出来ます。鏡と同じ理屈で嫌がらせが出来ます。
- 乱動する渦:ピッチコストで唱えると「マナを支払わない」からプレイヤーに5点飛ぶ。かなり痛い。
- 時を解す者、テフェリー:インスタントタイミングを縛るため青には特効、他4色には嫌がらせとなる。しかし上記の儚い存在の反復やその他諸々には刺さるので、結局強い。
総じてピッチスペルはピッチコストで撃てるから強いのであって、そこを咎められるならカードパワーは1段落ちるよねと言うお話。
色的にもコスト的にも緑だけはあんま刺さらない感じはしますが、あれは元々防御的なカードなので、上手くできているなって感じがしますね。
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以上、モダホラ2の神話想起サイクルについての考察でした!
神話レアで全部需要アリってなると、そりゃ高くもなるよね…。
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