[モダン戦略] ヘリオッドカンパニー対策 vol.1 – 基礎知識編

つい先月(※2021/2/16)、各フォーマットで大量の禁止カードが出てしまいました。
モダンからも5枚のカードが禁止となり、いくつかのTier1デッキが弱体化を余儀なくされ、メタゲームも大きく動く事となりました。
例えば《死者の原野/Field of the Dead》が禁止された事で、草タイタン絡みのデッキがタイタンシフト型やアミュレットタイタン型などの「一昔前の構築」に戻さざるを得なくなっていたりね。
対戦中の同僚氏に《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》と《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》が残念だったと話すと「ヘリカンは無傷やったわw」と微笑んでいました。
ヨカッタネ
Tier2に甘んじてはいたけど、使用率がそこまで高くないと言うだけで大概なデッキであるヘリカンは「今後絶対上がってくるだろう」と、ライフを8億点ほどゲインされながら考えていました。
それから1ヶ月が経過した現在、我らがイゼ速さんのモダン試合のまとめを見て、冗談半分で言っていた事が現実となっている事を知ることに。
https://www.izzetmtgnews.com/archives/105638
想像以上の戦果を上げてる!
元々強かったデッキが、大規模禁止の影響を全く受けなかったおかげで相対的に強くなった、そんな所でしょう。
強いデッキが強くなったら強い
そりゃそうだ。
さて、重要なのはここからです!
偶然にも今後Tier1デッキの筆頭候補になるであろうヘリカンに対して、様々なデッキでの試合経験をそれなりに持っている、これが私の現在の状況。
これはもう対ヘリカンの戦略記事を書く一択である。
明確なメタカードが無いと非常に対処が難しいデッキの一つだと思うので、実際に相手をする時の手助けになるかと思います。
結構長くなると思うので、基礎知識から順に分けて投稿していきます。
是非最後までお付き合いください!
ヘリオッドカンパニーとは
ヘリカンとは、テーロス還魂記の《太陽冠のヘリオッド/Heliod, Sun-Crowned》をキーカードにしたセレズニアカラー(=白緑)のデッキで、主に「無限ダメージ」か「無限ライフ」のコンボを決める事で勝利を目指します。
コンボの仕組みは以下の通り。
無限ダメージコンボ
危険度:★★★★☆(4)
ヘリスタコンボとかバリオットコンボとか言われてるヤツです、基本的に干渉出来ないと即死します。
- ヘリオッドが場に出ている。
- カウンターが2つ以上乗ったバリスタが場に出ている。
- (1)(白)が浮いている。
この3つが満たされるとコンボ開始。
(1)(白)でヘリオッドの起動型能力を使いバリスタに絆魂を付け、対戦相手の顔面にバリスタ砲を発射すると1点ダメージ、絆魂が付いているので1点ゲイン、ヘリオッドの誘発型能力でバリスタに+1/+1カウンターを1つ置く。
相手が死ぬまでこの手順を繰り返す
ヒドイ
お手軽な2枚コンボで決まれば勝ちだけど、実際はヘリオッドの起動型能力のコストに2マナかかったり、普通にバリスタに+1/+1カウンターを2つ置こうとするとマナが結構かかるので、干渉する手札や盤面があるなら意外と妨害出来るって印象。(※干渉出来ない時点で敗北が確定するけど。)
なのでヘリスタコンボ(=無限ダメージ)には、基本的にバリスタをサポートするカードが複数採用されています。
サポートカードの一例
- ペンデルヘイヴン:カウンター1つのバリスタを+1/+2修正してあげれば無限コンボが成立する。
- 議事会の導師:手足の生えた《硬化した鱗/Hardened Scales》で、バリスタX=1でも+1/+1カウンターが2つ乗って出てくる。
なお紙でやってると、ライフを持て余すデッキの性質上、死亡時のライフゲインがやたら忘れられる。 - エラダムリーの呼び声:インスタントの2マナサーチ、セレズニアカラーを採用する一番のメリットと言っても過言ではない。
バリスタは勿論、上記の肉鱗やヘリオッド、クリーチャーなら制限無しなので超強い。 - イーオスのレインジャー長:1マナ以下のクリーチャーをサーチ、オマケで付いてくる3/3のバディと、自身を生け贄に捧げるとクリーチャー呪文以外を《沈黙/Silence》させる凄いヤツ。
デッキ名に「カンパニー」を冠しているものの、バリスタはカンパニーから出すと着地と同時に死ぬのはご愛敬。
大体レインジャー長のCIP能力、若しくはエラダムリーの呼び声からサーチって動きになります。
無限ライフ
危険度:★★★★★(5)
こちらは即死ではないものの、ライフをゼロにする以外の勝ち手段が無いデッキの場合は実質負け。
一応相手はサーチを多用するので「ライブラリが削れやすい」と言えなくもないため、後続を全てシャットアウト出来るなら、ライブラリアウト勝ちがワンチャンあるかも知れない。(※普通は投了すると思うけど。)
手順はヘリスタコンボより簡単でこんな感じ。
- ヘリオッドが場に出ている。
- カウンターが2つ以上乗った《スパイクの飼育係/Spike Feeder》が場に出ている。
この2つだけでコンボ成立、マナも要らない。
スパイクの+1/+1カウンターを1つ取り除いて2点ゲイン、ヘリオッドの誘発型能力でスパイクに+1/+1カウンターを1つ置く。
これを好きなだけ繰り返す
ヒドイ
スパイクは最初から+1/+1カウンターが2個乗って出てくるし、起動コストにマナを必要としないので、盤面に揃った瞬間無限ライフ。
ヘリスタコンボと違って、こちらはカンパニーでどちらも場に出せるためこんな事もあった。
- 初手は森から《東屋のエルフ/Arbor Elf》出して終わり。
- 次のターン白緑ショックランドをアンタップインして(緑)を出し、初手の森に《楽園の拡散/Utopia Sprawl》をエンチャント。
- 東屋でガチャガチャして4マナ、おもむろに《集合した中隊/Collected Company》をキャスト。
- あ、揃いましたw8億点ぐらいゲインしとこw(※ヘリオッドとスパイクが同時に場に出てきた)
相手先攻2ターン目のメイン1の出来事である。
相手先攻2ターン目のメイン1の出来事である。
ヒドイ
20戦以上やって1回しか起こらなかったけど、キルターン関係なくカンパニー1発で無限コンボが成立しちゃうのは、流石に危険なヤツだと思います。
似たようなコンボの《無限頑強》は3枚コンボだから許されていると思ってますし。
何より怖いのは、最近のウィザーズさんを見てると
太陽冠のヘリオッドが強すぎるので、集合した中隊を禁止しまぁす!
とか、意味の分からない事を言いだしそうな所。
マジで冗談抜きに。
巻き添え禁止、ダメ、絶対!
個人的に禁止するならスパイクの飼育係で良いと思うんだよね、タイムシフト枠だし。
ヘリオッドは強いけど、禁止する程でもないってのが率直な感想だったりします。
—
以上、ヘリオッドカンパニーの基礎知識でした。
少なくともどんなデッキかが伝わっていれば幸いです。
次回は「コンボに干渉して止める方法」を解説しますので、是非ごらんください。
関連記事
ディスカッション
ピンバック & トラックバック一覧
[…] [モダン戦略] ヘリオッドカンパニー対策 vol.1 – 基礎知識編 […]
[…] [モダン戦略] ヘリオッドカンパニー対策 vol.1 – 基礎知識編 […]
[…] [モダン戦略] ヘリオッドカンパニー対策 vol.1 – 基礎知識編 […]