[モダン構築] 小悪疫/Smallpoxを使いこなしたい vol.7(最終回)

奮発してヴェリアナ買い足したよ!
全国の小悪疫ファンの皆さま、ご無沙汰しております。
ちょっとお仕事が立て込みまくっていて前回の記事から結構空いてしまいましたが、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》を3枚まで増やすぐらいの本気調整はしておりました。
毎日のように対戦している同僚氏が大枚を叩いて作ってきた5色人間が物凄く強敵で、ある程度のカードパワーを叩きつけないと勝負にならないって状況になってしまったので思いきらざるを得なかったとも言いますが。
こちらのデッキの動きを完全に理解されているのもあるけど、体感でメインが4:6ぐらい、サイド後は3:7ぐらいで負けていると思う。
サイド後に投入される
- 置物対策の拘留代理人(ヴィダルケン)
- フィニッシャーを否定するガドック・ティーグ(キスキン)
辺りが痛烈に刺さっちゃうんですよね。
人間とは?
って思うけどさ、哲学的なアレかも知れぬ。
さてさて。
つい最近まで、デッキ構成を修復不能なぐらい壊してしまって途方に暮れていましたが、様々な気分転換を図った事で良い感じに頭が柔らかくなりました。
その甲斐あって再びデッキとして成立するようになりまして、そのデッキリストはコチラからご覧いただけます。
メイン (60)
土地
- 1x 死の溜まる地、死蔵
- 4x トロウケアの敷石
- 2x ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
- 1x ダクムーアの回収場
- 2x 悪臭の荒野
- 1x 平地
- 2x 乱脈な気孔
- 4x 沼
- 1x ガイアー岬の療養所
- 3x 神無き祭殿
- 3x 冠雪の沼
24枚
クリーチャー
- 4x 悪意の騎士
- 3x ストロームガルドの災い魔、ハーコン
- 3x ファイレクシアの十字軍
10枚
呪文
- 3x 致命的な一押し
- 3x 名も無き転置
- 4x コジレックの審問
- 1x 思考囲い
- 4x 小悪疫
- 1x 滅び
- 1x 真髄の針
- 2x ファイレクシアの闘技場
- 3x ヴェールのリリアナ
- 3x 真面目な訪問者、ソリン
- 1x 復讐に燃えた血王、ソリン
26枚
サイド (15)
15枚
成立したは良いけど「5色人間相手に不利」って状況がどうしても解決出来なくて、もどかしい状況ではあるんですけどね。
そんな状況も加味して、今回の記事で小悪疫と言うカードについて私なりの結論が出ましたので、このシリーズを〆る事に相成りました。
方向性を今一度
色々と突き詰めて行くと、このデッキは黒のダブルシンボルを使うから「黒タッチ白」と言う構造を突き詰めて行かないと頻繁に事故るって結論に至りました。
白マナはあくまで
- ソリン様を出すため。
- 置物を触るため。
- パスを追加の除去とするため。
- サイドボードの置物を出すため。
この4点のみと考える、欲張らない。
そして、マナベースを考える時に最も重要になる「それを何ターン目にプレイしたいか」を確認する事で理想のマナベースを算出しました。
それが白9:黒18です。
https://mtg.theuri.net/%e3%83%9e%e3%83%8a%e3%83%99%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%81%ae%e7%9b%ae%e5%ae%89%e8%a8%88%e7%ae%97%e6%a9%9f/
※算出はコチラのツールを使用しています。
上記のリスト公開ページのマナベースの項で《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》が黒ベースとして加算されていない(※テキストに黒を出す表記が無いため。)ので「白16:黒16:無色3」となっておりますが、実際は黒が18かつアーボーグ置けたら土地は全部黒が出ると言う調整になっています。
以下タイプ別の要求マナベースと、採用理由など。
クリーチャー
まずは相手を倒したり、盤面を支えたりするクリーチャー達から。
項目はそれぞれ
- 枚数:採用枚数。
- コスト:カードのマナコスト。
- カード名:うん。
- 最短:そのカードをプレイしたい最短ターン数。
- 要求:最短でプレイしたい場合の要求マナベース。
となっております。
枚数 | コスト | カード名 | 最短 | 要求 |
---|---|---|---|---|
4 | (1)(黒) | 悪意の騎士 | 2T | 黒12 |
3 | (1)(黒)(黒) | ハーコン | 3T | 黒16 |
3 | (1)(黒)(黒) | ファイクル | 3T | 黒16 |
《悪意の騎士/Knight of Malice》は真面目ソリン様が小プラスを撃つと「2マナ4/2先制攻撃・魂絆・白からの呪禁」とか言うコスパお化けのクリーチャーになり、軽いコストはリアニも容易とあってマストで4枚取っています。
《ストロームガルドの災い魔、ハーコン/Haakon, Stromgald Scourge》はとにかく「墓地をリソースとして使いたい」だけみたいな所がありますが、着地さえしてしまえばとても強いのは間違い無いので3枚。
《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader》コイツは新たに見出した守りの要、基本的にアタックはしない。
モダンでメジャーな除去呪文を大部分無効化し、白と赤に対してはほぼムテキング、取りあえずブロックしたら相手のクリーチャーが弱体化されるなど、見かけによらず防御性能が突出しているので採用してみました。
対象を取る直接除去だと、白と赤は全て無効、黒だとプッシュや破滅の刃が効かない時点でかなり強いよね。
よく見るスペルで、ファイクルを除去出来るのは《四肢切断/Dismember》と《見栄え損ない/Disfigure》辺りなんだけど、追放されなきゃハーコンやら血王ソリン様やらでリアニしちゃえば良いのです。
インスタント
全部除去スペルです、モダン環境はクリーチャーがとにかくヤバいので全部軽くて強い除去。
枚数 | コスト | カード名 | 最短 | 要求ベース |
---|---|---|---|---|
3 | (黒) | プッシュ | 1T | 黒14 |
3 | (1)(黒) | ネームレス | 2T | 黒12 |
ゆうて《致命的な一押し/Fatal Push》は序盤の刺し合いで最強クラスの除去スペルである事は間違い無い。
ただし、3マナ以降のクリーチャーが紛争必須になってもどかしい思いを続けている(※主にカマキリとかカマキリとか。)ので3枚にしてみました。
モダン環境ではタフネスに-3の修正がかかると、大体のクリーチャーは絶命するので、《名も無き転置/Nameless Inversion》はほぼ除去として機能します。
また、パワー2の先制攻撃持ちを多く採用しているので「タフネス5までは一方取れる」と言う噛みあいの良さと、ハーコンが着地した後は撃ち放題と言うスーパーコンボがあるので4枚採用したい所でしたが、プッシュも必要と言う事で3枚。
ソーサリー
メインテーマの小悪疫と、相手のプランを崩すためのハンデスは全てソーサリーです。
枚数 | コスト | カード名 | 最短 | 要求ベース |
---|---|---|---|---|
4 | (黒) | 審問 | 1T | 黒14 |
1 | (黒) | 思考囲い | 1T | 黒14 |
4 | (黒)(黒) | 小悪疫 | 2T | 黒18 |
1 | (2)(黒)(黒) | 滅び | 4T | 黒15 |
《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》と《思考囲い/Thoughtseize》は元々4:2でしたが、枠が足りずに4:1に抑える事にしました。
これらは勿論初手に撃ちたいスペルで、合計5枚採用ならライブラリ60枚に対して
演算結果
120,000回の試行結果
56,756回の該当
約47.3%の確率
※誤差考慮42.95%~51.65%の範囲
これぐらいは一応初手で引けるって事で妥協しました。
《小悪疫/Smallpox》は勿論4枚、コレを使いたいワケですしね。
ちなみにこの子が黒18と言う最大マナベースを要求してきます、ダブシン2マナ呪文は重いぜ!
《滅び/Damnation》はお守り枠ですが…やっぱり4マナは重たいんだなって実戦で思い知る事が出来るカードですね。
置物
アーティファクトとエンチャントはメインから2種類採用しています。
枚数 | コスト | カード名 | 最短 | 要求ベース |
---|---|---|---|---|
1 | (1) | 真髄の針 | 1T | Any14 |
2 | (1)(黒)(黒) | アリーナ | 3T | 黒16 |
モダン環境で《真髄の針/Pithing Needle》が意味を成さないカードのみで構成されたデッキがどれぐらいあるだろうか?ってぐらい万能なので、メインで1枚取っておいても損は無いと思います。
《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》は言うまでも無くドローソースとして非常に強力です、これが早めに置けた時の安定感は一度味わうと病み付きに。
もう1枚増量しても良いかも知れない枠。
プレインズウォーカー
なるべく場に居座ってアドを稼いで欲しい方々。
枚数 | コスト | カード名 | 最短 | 要求ベース |
---|---|---|---|---|
3 | (1)(黒)(黒) | ヴェリアナ | 3T | 黒16 |
3 | (2)(白)(黒) | 真面目ソリン | 4T | 白7:黒7 |
1 | (2)(白)(黒) | 血王ソリン | 4T | 白7:黒7 |
《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》が更地に着地すると、大抵のデッキ相手にマウントを取る事が出来る。
最近は人間デッキと戦いまくっていますが、勝利したマッチは殆どヴェリアナが活躍した試合だったように思います。
派手な事は期待せず「-2→+1→-2」で1:2(+α)交換するだけで十二分に強いので、余程余裕がある盤面じゃなければケチらずに有利交換を取って行きましょう。
なお、私が試した限りでは《リリアナの勝利/Liliana’s Triumph》はヴェリアナと全然噛みあいませんでした。
ヴェリアナ自身が+1の能力で相手の手札を削っていくから、いざオマケ付で撃ち放っても既に相手の手札が空っぽって状況ばかりで何とも。
《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》は個人的に一番好きなソリン様です、最短3ターン後に放てる奥儀はクリーチャーを主体とするデッキだと頭を抱えるレベルの強烈さ。
最後は灯争大戦の新カード《復讐に燃えた血王、ソリン/Sorin, Vengeful Bloodlord》、奥義が無い分常在型能力を持っていたりすんごい硬かったりと今までのソリン様とは一線を画すデザインとなっています。
常在型能力の魂絆付与と-Xのリアニメイトが強力だが(1)(白)(黒)に負けて欲しかった感は否めない。
たくさん考えて分かった事
以上が私が最終的にたどり着いたメインボードで、残念ながら満足な戦果が残せなかったリストとなりました。
5色人間の柔軟性に絡めとられている感覚が強くて「さすがTier1の完成度は違うな」って思った時点で、心が敗北を認めてしまっていたのかも知れません(※腹立つけどw)
ですが決して弱くは無いとも思っています。
我ながら負け惜しみにしか聞こえないけど、Teir2~3のデッキ相手ならそれなりに奮戦出来るスペックは秘めていると信じたい所です。
そして小悪疫と言うカードについて、私本人も毎日対戦してくれている同僚氏も気づいてしまったのです。
このデッキ小悪疫要る?
と言う事に。
うん…なんかね、そもそも小悪疫を引かないマッチも多々ある訳で。
もっと言ってしまえば「60枚のライブラリに4枚しか入っていない小悪疫」のために、それ有りきのカードを沢山入れている時点で間違っていたのかも知れません。
かの有名な世界的デッキビルダーのまつがん氏は言いました
同じカードが8枚有ればデッキコンセプトになり得る。
これは「1試合に2度も3度も引ける可能性があればこそ」と言う意味だと私は理解しています。
デルバーやレオヴォルトみたいに、フィニッシャーであるとかゲームを支配するとても印象的なカードをデッキ名に付ける事はがメジャーな命名方法ですが、私の構築力では小悪疫のカードパワーをそこまで昇華する事が出来なかったので、
小悪疫デッキ(?)
になってしまっていたんだなって。
デッキビルダーうり、まだまだ半人前である。
あとがき
いやー、長らくお付き合いありがとうございました!
小悪疫のカッコ良さに魅せられて頑張ってみましたが、全然使いこなせなかったですね。
まぁこれはこれで良い経験になりました、今回の連載でまたモダンの資産が充実したので結果オーライです!
んでまぁ本日の対戦後の会話。
うり「新ソリン様(※M20の新カード)、強そうじゃない?」
同僚「アレは結構高そうですね、てかソリン好きっすねw」
うり「いやほら、同僚氏かなり頑張って人間デッキ組んだでしょ?」
同僚「うん。」
うり「人間vs吸血鬼するしか無くない?」
同僚「ヤバい、シチュが激アツ過ぎるwww」
うり「やっぱ僕ら男の子やな。」
どうやら次に本気出すデッキが決まったようです、私がデッキを作るキッカケって大体こんな感じ。