運ゲーを楽しむホロウ・ワン vol.8 – バザールでござーる

2019/8/30より《甦る死滅都市、ホガーク/Hogaak, Arisen Necropolis》と《信仰無き物あさり/Faithless Looting》が禁止され、入れ替わりで《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》が解禁されました。
公式発表では「墓地-戦場」を「手札-戦場」に戻したい的な事を言ってましたが、それはすなわちモダン環境が激変すると言う事に他ならない。
モダン制定から間もなくして登場し、本当に沢山のデッキで使われてきた物あさり。
対してモダン制定時から禁止されており、エターナル環境でその強さを存分に見せ続けていた石鍛冶。
奇しくも両極の2枚が入れ替わった事で、多くの既存デッキが影響を受ける運びとなった。
「物あさりの代替えどうしよう!」とか「石鍛冶って入れ得?」とか、日夜探求を続けるMTGプレイヤー達を見ていると、モダン環境のデッキビルド界は過去最高に盛り上がっているんじゃないかなって思いました。
物あさり禁止の煽りを受けた一人である私もまたデッキビルダーの端くれ、この状況に興奮しない訳がありませんでした。
グリクシスカラーにしてみた
さてさて、早速ですが新型ホロウ・ワンを組んでテスト対戦までやってきました。
禁止発表の時点で既にリスト組み始めてたから、正直早く回してみたかったんですよね!
物あさりを失う事で生じる問題などは考察済みだったので、「魔改造するしかない!」とか大げさに考えていましたが、アレやコレやといじくり回した結果カードが一巡したらしく、土地以外の構成はベースにした赤黒ホロウ・ワンと殆ど変わっていませんでした。
元々強かったからね、ある程度は引きずられてしまったのかも知れない。
しかして新しいリストで回してみると、ほぼ同じハズの各カードの使う感覚が変わっており、プレイ感も「フェアデッキみたい」な感じになっていました。
それでいて人間デッキと互角にバチバチ戦りあえるレベルだったので、中々悪くない雛形が出来たのかも!
速度は落ちたがバランスは良くなった、そんな印象。
デッキリストはこちら
<ホロウ・ワン Ver.3/Hollow One>
メイン (60)
土地
19枚
クリーチャー
24枚
まずは追加した新戦力について見ていきましょう。
イゼットの魔除け/Izzet Charm
考察で候補に挙がっていたイゼチャ、2マナのインスタント。
物あさりの代用品として安易に入れかえてみたのですが、実戦では呪文貫きと限定ショックのモードでしか撃ちませんでした。
やはり2マナと言うのがネックで、2ターン目にルーティングモードで使っても《通りの悪霊/Street Wraith》が無いと結局ホロウ・ワン出せないじゃんって事になってしまうので、残念ながら物あさりとは別物と考えた方が良いです(※キープ基準にしない方が良い。)
ただし凄く便利な呪文なのは間違い無くて、トロンが先攻3ターン目に開放カーン出して来た時とか、これからのモダン環境で脅威になるであろう石鍛冶を着地と同時に除去するとか、浅く広く見れるナイスカードなんじゃないかな?
その上でチャンスが有ればルーティングモードで使ってホロウ・ワンを踏み倒したり、骨精霊やフェニックスを墓地に落とすのに使うのがベストだと思います。
バランスが良くなったと感じたのは、案外この呪文のおかげなのかも知れません。
ちなみに全てのモードが「きっかり1マナ相当」の事しかしないので割高である事は念頭に置いておきましょう。
バザールの大魔術師/Magus of the Bazaar
こちらも考察で候補に挙げていた2マナのクリーチャー。
この子が思いの外ヤバいです、とにかくこのデッキとのシナジーが凄くてすごい(語彙力)
0/1とか言う辛うじて生きてるみたいなモヤシボディなのですぐに死んじゃうけど、こんな感じの事が出来る。
- 生きてターンが帰って来れば「インスタントタイミング」で「0マナ」で「2枚引いて3枚捨てる」を毎ターン行える。
- 手札から捨てるカードを選べるので物あさりの如く都合の良い捨て方&残し方が出来る。
- 1度の起動でホロウ・ワンが0マナになる。
- みるみる墓地が肥えて行くので探査が捗る。
- 炎刃の達人をインスタントタイミングでパンプアップ出来るのでバットリに使ったりも出来る。
- 炎刃の達人で気軽に獰猛を達成出来る。
- 炎刃の達人とバザールがそれぞれ複数居ると打点が宇宙になる。
他にもまだ有りそうだけど、テストで戦った人間デッキは除去が薄かったので色々試せて好都合でした。
注意点は手札が2枚以上無いと捨てた後のアクションが取れないので、待てる時はグッと我慢するべきかもね。
何らかのドローエンジン、手っ取り早くマッドネスを採用すればもっとこの子を活かせる気がします!
戦略について
ホロウ・ワン系のデッキが強いのは何故か?
その理由を突き詰めて行くと、1ターン目にホロウ・ワンが出てくるから強いと言う結論に至る。
これはモダン環境で使われる代表的な1マナで撃てる除去呪文を考えるとよく分かる
- プッシュ→紛争を達成しても落とせない
- 稲妻→1点足りない
- パス→落とせるが2ターン目の相手が3マナ域に到達して地獄を見る羽目になる
- 四肢切断→一発殴られたのと同じ4ペイしなければならないが一番マシな解決方法かも知れない
1ターン目に5マナ4/4が出てくるってのは、こう言う事なのです。
ヒドイね!
処理出来ないと4点クロック+αがドンドン展開されたり、最悪1ターン目に複数体のホロウ・ワンが並んだりしてそのまま轢き殺すパターンもちょくちょく見かける光景でした。
なので《燃え立つ調査/Burning Inquiry》はコレに繋がる最後の希望として、積極的に初手撃ち運ゲーをするのがジャスティスだと思います。
さて、初手にホロウ・ワンを出せなかった場合は一旦落ち着いて頭を切り替えます。
このデッキのメイン火力は骨精霊、コイツを素出し&発掘で投げつけまくるのが最も強い攻撃方法となります。
これでライフとハンドを攻めつつ、バザールを搭載した事で格段に火力が上がった炎刃の達人で畳み掛け、バザールを起動したついでにホロウ・ワンも踏み倒しちゃって、マッハで肥える墓地を使ってアンコウだって簡単に出せちゃう!
初速を犠牲にした代わりに、3ターン目以降はバザールが提供する従来以上に自由なルーティングで元祖の爆発力を超えようと言う試みは、どうやら上手く行きそうな感じです。
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Tier1クラスともそこそこ戦えると思うから、暫くは調整を続けようと思う。
イゼチャがアレだったので通りの悪霊が強く使えない事が判明した事だし、その枠にドローエンジンとか積んでみようかなぁとか。
燃え立つ調査をブッパして、すぐにサージカルでデッキ内容を全部見るとかも面白そうだとか。
赤黒タイプのホロウ・ワンを使っていた皆さんがどう言うベクトルで修正してくるのか、大注目してます!
はぁ…MTG楽しすぎる。
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