[Modern構築] よし、吸血鬼だ vol.7 – 対エルドラージトロン戦

同僚「魔力炉置いて地図、エンドです。」
うり「えっ?えっ??」
最近スリーブの色を統一して「デッキ内容を悟られない工夫」をしだした同僚氏、初手に判明した突然の新デッキとの対決が始まるようです。
とは言え初手で
100%ウルザトロン系です!
と自己紹介をしてくれたような物なので、冷静に対処して行きましょう。
問題はトロンにも色々あるって事だけど、分かった所でこの吸血鬼デッキは不器用なので真っすぐ行くしかありません。
戦略と言えるかは分からないけど、一つだけ確かな事は《限りないもの、モロフォン/Morophon, the Boundless》を何よりも優先して出す事。
トロンで良く使われるカードを考えると
- 精霊ウギン:最低1色でも色が無いとマイナス能力が当たらない。
- 灯争ウギン:同じく最低1色無いとマイナス能力が当たらない。
- すべチリ:同じく最低1色(略)
- ワムコ:取り合えず相打ちをとって3/3を2体に分裂させておけば地上部隊で処理できる。
- 解放カーン:-3で即飛ばされるけど、そうした場合はソリン様が生き残るので何でも良いから吸血鬼が1体居ればサクりヘリックスでカーンを処理出来る。
- 四肢切断:-5修正では死なない。
強い。
無論ソリン様を経由しないと間に合わないから運が絡んじゃうけど、ソリン様とモロフォンの組み合わせは本当に強いです。
モロフォンはルール上でも吸血鬼だし、私の目にはもう吸血鬼にしか見えていないレベルに達しています。
1戦目 – さぐりさぐり
さて、お相手先攻で《ウルザの魔力炉/Urza’s Power Plant》と《探検の地図/Expedition Map》が置かれました。
こちらはモロフォンが手札にあってソリン様が居ないオープニングハンド、色々試行錯誤した結果これは結構理想的だったりする。
理由はソリン様は多くのハンデスでホイホイ抜かれちゃう(※帆凧はもちろん、漕ぎ手やコジレックの審問すら引っかかる。)から、2枚以上抱えるかいっそ持ってない方が良い。
トロン系は…そこまで詳しくないけど、2ターン目までは全力で土地を探しに行って3ターン目に7マナを目指すデッキのイメージが強くて、妨害はあまりして来ないんじゃないかと予想(知らんけど)
予想はするけど、冒頭でも書いた通りこちらは真っすぐ行くしか無いので1マナクリーチャーを展開しましょう。
こちらの初手はM20からの新戦力《凶月の吸血鬼/Vampire of the Dire Moon》です!
霊気紛争で高性能と評判だった《才気ある霊基体/Gifted Aetherborn》の軽量版、霊基体も吸血鬼なので候補に挙がっていたのですが
- どちらも除去耐性が無い
- 軽量除去が飛び交うモダン環境
- ダブシンは信用ならない
モロフォンとの相性(=完全タダ出し)出来るのもあって凶月を採用するに至りました。
1マナ1/1接死・魂絆はかなりコスパが高く、トロンで飛び出してくるであろうデカブツと相打ちを取れるだけでも採用する価値が有るし、先制攻撃を付与出来ればたちまち最強クラスのブロッカーに大変身です。
接死持ちは先制攻撃のタイミングで敵のクリーチャーが破壊される(※破壊不能を持っていなければ。)ので、例え1/1でも巨大なクリーチャーを一方的に討ち取る事が出来るコンバットフェイズでは最強の組み合わせとなります。
中々良い初手だったんじゃないかな?
—
お相手2ターン目、マイン?タワー?ドキドキしながら出方を伺います。
同僚「テンプル置いて、X=1でチャリス。」
うり「ファーッwww」
3ターン目まで妨害は無いと踏んでいましたが、最短で仕掛けてきましたね。
メインから《虚空の杯/Chalice of the Void》が入っていて《エルドラージの寺院/Eldrazi Temple》も入っていると言う事は、恐らく《魂の洞窟/Cavern of Souls》も入っているあのデッキに違いない。
エルドラージトロンvs吸血鬼
奇しくも部族デッキ対決となりました。
メインボードでこのチャリスを割るにはどちらもピン挿しの《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》と《解呪/Disenchant》の2枚のみ。
中々厳しい状況になってしまいました。
—
ここからはダイジェスト。
チャリスX=1は確かに突き刺さりますが、それによって貴重な1ターンを失った相手に対し、マナカーブ通り《軍団の副官/Legion Lieutenant》、《流城の隊長/Stromkirk Captain》と展開して盤面を固めて行きます。
お相手は地図を起動してウルザランドを探しに行くと思いきや2枚目のテンプルをサーチし《現実を砕くもの/Reality Smasher》や《難題の予見者/Thought-Knot Seer》を展開。
しかし先制攻撃を持ってしまった凶月が立ちふさがり、地上を完全に止めています(※やはり良いチョイスでしたね!)
相手が攻めあぐねている間にコチラは新戦力で投入したカードを引きました。
対人間デッキの時からチャリスX=1を頻繁に使われていた経験を活かして、ピンポイントで仕事が出来ると睨んでいた灯争ソリン様こと《復讐に燃えた血王、ソリン/Sorin, Vengeful Bloodlord》です!
ヒューッ、マジかっちょいい!ソリン様万歳!!
基本的にダメージレースを仕掛ける事が多いこのデッキでは、真面目ソリン様の+1能力より「他の忠誠度能力を使っても隙が出来ない」常在型能力による魂絆付与が大変マッチしており、チャリスで手札の1マナ呪文を腐らされてマナフラする状況を-X能力で打破する事が出来ます。
つまり打ち消されるの前提で唱えて、わざと墓地に落とせばリアニ出来るって寸法。
展開出来ないでマナを腐らせるぐらいなら、効率が悪くてもクロックを展開していく方が遥かに強いからね。
凶月でチャンプして接死による相打ちを取って、それをたったー1でリアニ出来るって動きが想像以上に強い。
そうこうしているウチにM20ソリン様が着地、すかさずモロフォンを叩きつけます。
お相手たまらず《全ては塵/All Is Dust》を撃ってきましたがそれじゃ足りない、モロフォンには効かないんだぜ!(ドヤ顔)
その後すぐに引いた爆薬でチャリスを吹っ飛ばして、リアニが追い付かずに手札に溜まっていた全てのウィニー吸血鬼のコスト踏み倒して展開した所でお相手投了、勝負アリ。
うーん、凶月が凄く強かった。
サイドボード
我々は基本的にBO3ルールで戦うので2戦目からサイドボードが使えます。
取りあえず1戦目で神々しく光り輝きながら腐り散らかしていたプッシュを全部抜きたくて仕方なかったので、早速サイドプランを考えて行きましょう。
取りあえず邪魔なチャリスをどかせるために《力ずく/By Force》は絶対サイドインしないとね。
赤の定番のアーティファクト対策では《破壊放題/Shattering Spree》の方が有名ですが、力ずくは20円で売っていたので赤マナがそんなに安定して出るデッキでは無いのでコチラを採用しています。
(X)(赤)はホント撃ちやすいのでオススメですよ!
と力説したいぐらい気に入ってるのに、入れ忘れていた事が判明、何やってんだよ…。
うーむ、取りあえず《石のような静寂/Stony Silence》は地図やら精神石やら、何よりバリスタを無力化出来るので是非欲しい所。
後は1戦目にチラッと見えた灯争カーンがマイコシンス引っ張ってきた時の保険にもなるね!
マメ知識
マイコシンスの影響で相手の盤面も全てアーティファクトになるので、石のような静寂が出ているとお互いに全ての起動型能力が使えなくなります。
お互いマナが出せず、相手の灯争カーンも忠誠度能力が起動出来なくなるためパーマネントを割って行く事も出来ません。
MTG史上最強クラスの盤面ロック状態になるので、クロックが残っていた方がほぼ勝つ事になります。
ん?今気づいたけどモロフォンが場に出てたらマナが出なくても常在型能力でガンガンに踏み倒して吸血鬼召喚出来るじゃん。
やべぇ、これ凄い発見なのでは?w
モロフォンはマイコシンスコンボにまで耐性が有る、超有能吸血鬼って事で更に株が上がっちゃいましたね。
2戦目 – 圧殺
さて2戦目も後攻スタート、今回の初手は漆黒軍の騎士でした。
お相手は1ターン目ウルザランド置いて地図、2ターン目ウルザランド置いてチャリスX=1、3ターン目に地図起動して《ウルザの塔/Urza’s Tower》をサーチして来てトロンを完成させ、塔から3マナ出して《作り変えるもの/Matter Reshaper》を召喚。
コチラは返しのターンでM20ソリン様がモロフォンをシュートする事に成功し、双方ブン回り。
しかし次のターンに撃ち放ったモロフォンパンチをチャンプブロックした作り替えるものが、死亡誘発でめくったカードが2枚目のウルザの塔と言う事故が発生。
突如相手が10マナ出せる状況になってしまいました。
うり「あ、やべぇヤツだコレ。」
—
膨らみ過ぎて止めれないモロフォンを封じるため、潤沢なマナから灯争カーンでサイドの《罠の橋/Ensnaring Bridge》を引っ張って来てそのまま設置、膠着状態に持ち込まれます。
コチラも負けじと爆薬を烈日3で設置、橋を叩き割ってモロフォンを再始動させ、相手にチャンプブロックを強いて行くゴリ押し戦法を再開。
程なくしてディッチャでチャリスを叩き割り…刻は満ちたのだ。
うり「モロフォン狂乱!!」
圧殺。
初めてのエルドラトロン戦は、貫禄の2タテ勝利を収める事が出来ました。
やったぜ!
あとがき
エルドラトロンのイメージを守るために補足。
まず同僚氏が組んできたデッキは、予算の関係で
- 解放カーン
- 精霊ウギン
- ウラモグ
が入っていなかったそうですw
そのためモロフォンが止められず、攻めて行くはずのデッキが終始防戦に回った結果がジリ貧のゲーム展開を招いていたんだと思います。
本来はもっと暴力的で理不尽なデッキだからね!
関連記事