[Modern] ウィザーブルーム大学に体験入学 – グロフ・ヴァイン

さぁ、新しいおもちゃが届きましたよ!
大好評発売中の新セット「ストリクスヘイヴン:魔法学院」の新カードを大胆にも12枚採用し、新しいアプローチで戦うヴァイン系デッキの紹介です。
どうやらストリクスヘイヴン次元では5つの大学が勢力争いをしているようなので、今回は《ウィザーブルーム大学/Witherbloom College》に体験入学してみようと思います。
こちらの大学のモットーは「自らの手で取り組め/Get your hands dirty」との事で、生と死の対立から力を引き出す魔術とやらを学べるらしい。
ふむ。
つまりいっぱい死んだり生き返ったりすれば、魔術パワー的なものが引き出されるんでしょ?
しらんけど。
諸々の使い勝手とかもお伝えしたかったので、実際に試運転してきた草案リストを載せておきます。
メイン (60)
土地
21枚
クリーチャー
23枚
新カードをふんだんにぶち込んだ結果、想定していたよりシナジーが発生して面白い感じに仕上がったと思います。
それでは、レッツ・オープンキャンパス。
ストリクスヘイヴン産の新カード
まだ発売したてのセットなので、現時点での参考価格も書いておきます。
湿地帯のグロフ/Bayou Groff
2マナ5/4と言う破格のマナレシオを持つ緑のコモンカード、参考価格は10~20円とお求めやすくなっています。
これね、注目のカードでも紹介したけど普通に強いと思うんです。
唱える際の追加コストが選択式になっているのがポイントで、
- 生け贄1体。
- (3)の支払い。
条件1の追加コストがプラスに働く、若しくは(ほぼ)損失にならない、かつ簡単に用意出来る場合はただの2マナ5/4になる訳ですよ。
こんなんタルモやん。
条件2の追加コスト(3)で唱えると5マナ5/4バニラ、これも全然悪くないどころか「サクるクリーチャーが居なくて出せないよ><」みたいな事にならないし、アンコウやタルモのように墓地対策されて無力化なんて事も起こらないのがポイント高いです。
このサイズは4回殴ると人が死ぬし、定番火力の《稲妻/Lightning Bolt》や、墓地利用クリーチャーデッキ対策の《神々の憤怒/Anger of the Gods》などの3点火力1発では落とされないギリギリのライン、非常に理想的なサイズと言えます。
では「生け贄がプラスに働く」または「ほぼ損失にならない」そして「簡単に用意する」にはどうするか?
これは簡単な話で、
- やたらと死にたがりなヤツ。
- 生きてるのか死んでるのかわからんヤツ。
をデッキに入れておけば条件を満たす事が出来る。
条件1を満たすなら、カード紹介でもやり玉に挙げたサプライヤーこと《縫い師への供給者/Stitcher’s Supplier》が適任でしょう。
初手サプライヤーで2ターン目にグロフで食い散らかせば墓地にカードが7枚増えて、盤面には5/4が残る。
自ずと対戦相手は自分の展開を優先するのか、これを対処するのかの2択を迫られて、マウントへの足掛かりとなるでしょう。
条件2を満たすならやはり定番の《墓所這い/Gravecrawler》が適任だと思います、ゾンビさえコントロールしていれば黒1マナで何度でも墓地から戻って来るのは非常に強力な能力です。
そしてこの2体を採用かつ緑も使うとなると、自動的にセットで付いてくるのが《復讐蔦/Vengevine》ですね!
例えば少しゲームが展開していてヴァインが着地済みであったとしても、
- 着地済みのヴァインを食い散らかしてグロフを唱える。
- ゾンビ居るなら墓地から墓所這い、居ないなら手札から1マナクリーチャーを適当に唱える。
- 手順1のグロフでサクったものを含め、墓地に居る全ヴァインの能力が誘発して戦場に戻ってくる。
- 5/4立たせてフルパン!
たった3マナで「守りながら火力アップ!」とか、やられる方はたまったもんじゃない。
ヴァインの持つ《速攻/Haste》がシナジー要素になっているので、この動きは強いに違いない。
実戦ではどう?
試運転の初戦にて、1ターン目墓所這い→2ターン目グロフをお披露目する事が出来ました。
はい、出ました……ん?何このカード?
5/4はデカいな?
え、マジで5/4??
(2度見するぐらい困惑しておりました。)
お相手はいつものエルトロだったのですが、5/4と言うサイズは難題もスマッシャーも止められる事を意味しており、相打ちを取られても蘇りまくる墓所這いからホイホイと次のグロフが2マナで出せるので、思っていた以上に強く使う事が出来ました。
死に至る醸造/Deadly Brew
2マナのソーサリーで対象を取らない全員生け贄強制カード、自分も生け贄に捧げた場合は墓地からパーマネントカードを1枚回収出来るオマケつき。
こちらは黒緑のアンコモンカードで、参考価格は30~50円と、コモンカードのグロフくんと比較すると2倍前後の値段()が付いているようです。
こちらもグロフくんと同じ考え方で「強く使える」カードデザインになっています。
つまり「生け贄がプラスに働く」または「ほぼ損失にならない」そして「簡単に用意できる」ようにすれば良いので、同じデッキに入れておけば間違いない働きが期待できます。
では、この呪文に想定される「3つの使い方」を見て行きましょう。
- 双方サクッて自分はパーマネント回収。
- こちらにクリーチャーが居ない時には単なる除去として。
- 相手のクリーチャーが居なくても自分だけサクッてパーマネント回収。
本命は勿論1の使い方ですが、2の使い方ならプレイヤーの呪禁含め、あらゆる除去耐性を無視出来る除去、すなわち《リリアナの勝利/Liliana’s Triumph》のように使える。
なんならプレインズウォーカーも処理出来るため、ソーサリーな事を差し引いても上位互換と言えるかも知れませんね。
3の使い方は少し弱めに見えますが、墓地に必要なパーマネントが落ちているなら、実質「2マナ+生け贄でウィッシュ」みたいな結果を得られます。
現在のメタゲームで言えば、デスタクで流行っている《レオニンの裁き人/Leonin Arbiter》や《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》みたいなサーチ妨害を無視して任意のカードを持ってこれるのは明確なメリットです。
更にデスタクの守りの要である《ルーンの与え手/Giver of Runes》のプロテクション付与を無視してヘイトベアを除去しつつ、土地を回収してマナ確保って動きはマナ否定戦略への回答になるってのは見逃せないポイントですね。
実戦ではどう?
試運転の全対戦で、都合5回も唱える事が出来ました。
内訳は双方サクリが2回と、相手だけサクリが2回、自分だけサクリが1回と都合に合わせて唱えられる事が証明されました。
なお自分だけサクリは、オシャレ枠の《エレボスの指図/Dictate of Erebos》をドローしたので、アルターを回収したかったから。
アルター設置後、指図をフラッシュで設置した所でお相手が理解して投了、GG。
うん、ぶっちゃけ便利。
相手がノンクリデッキだったとしても、セルフミルやサクリ台で墓地に落ちた有効牌(※パーマネントに限る)を回収出来るので、完全に腐ることはまず無いでしょう。
ウィザーブルームの命令/Witherbloom Command
最後の新顔も2マナのソーサリーで、4つの効果から2つ選べる「システム的に強い」命令系カードです。
黒緑のレアカードで、参考価格は300円前後と、コモンカードのグロフくんと比較すると15倍前後の値段()が付いて…。
いや、さっきからウィザーブルーム大学の学費が安すぎて心配なんだが?
国から補助金とか出てるんかな。
この命令が持つ以下の4つの効果を見ながら、このデッキでの働きを見て行きましょう。
- プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカード3枚を切削する。その後、あなたはあなたの墓地から土地カード1枚をあなたの手札に戻す
- マナ総量が2以下でクリーチャーでも土地でもないパーマネント1つを対象とする。それを破壊する。
- クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-3/-1の修整を受ける。
- ・対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。
まずは何と言っても1の効果がメインで、多くの場面で2つのうち1つはこれを選ぶ事になるでしょう。
自分を対象に取って3枚墓地を肥やしながらの土地回収、キャノピーランドや爆発域の再利用なんかに使っても強力ですね。
この他にも土地絡みのカードかなり多めに入れていて、
- 4x 死に至る醸造
- 4x ウィザーブルームの命令
- 3x 忌まわしい回収
こんだけありゃあ土地なんか幾らでも増やせるやろ!って事で、構築段階で土地を減らすアプローチを取ってみました。
さて、2の効果は「クリーチャーでも土地でもない2マナ以下のパーマネントを破壊」です。
これマジで強いなって思うんですよ、今のモダン環境の2ターン目を想像してみると
- 霊気の薬瓶
- 精力の護符
- 楽園の拡散
- 虚空の杯
- 探検の地図
- 叫び角笛
- シガルダの助け
- 巨像の鎚
- レンと六番
序盤のマウント合戦を制すべく、凶悪カードが溢れかえっている魔境モダン。
石を投げればどれかに当たるレベルなので、的には困らないんじゃないかね。
特にモダン唯一の2マナプレインズウォーカーであるレン6を処理出来る事は覚えておきましょう、ジャンドが復権するたびに腕まくりして出て来る子だし。
え、ティッボも2マナプレインズウォーカー?
やだなぁ、2マナのティボルトは表面のクリーチャーだから対象に取れませんよ。
続いて、3の効果は「クリーチャー1体に-3/-1修正」なので、タフ1のクリーチャーを除去出来ます。。
環境的には、おば賛美とかバッパラとか東屋のエルフとか?
3ターン目になっちゃうけど、デスタク相手に薬瓶割りながらサリア除去の1:2交換が決まれば気持ちよさそうです。
(だんだんデスタクのメタ記事みたいになって来た)
最後に、4の効果は「対象のプレイヤーから2点ドレイン」です。
うーん、地味だけど《集団的蛮行/Collective Brutality》の2点ドレインは地味に強いから、バーン相手とかならそれなりに使えるかもね。
実戦ではどう?
なんと、ウィザコマは試運転で一度も唱える事が出来ませんでした。
と言うより、唱えさせて貰えなかった。
初見では物凄い吟味してたけど、何が起こるか理解した後は難題出すたびに引っこ抜いてましたw
醸造でアド取られて、グロフに殴られまくった事で「ストリクスヘイヴンへ・アレルギー」が発症したのかも知れない。
まぁハンデスはしょうがないね。
難題と1:1以上の交換が出来るから、こちらとしては醸造を残してくれた方が有難いし。
従来のヴァインデッキとの違い
基本はBGヴァイン系に準じていますが、プレイ感はかなり別物だと思いました。
狙い通り「土地がかなり安定」してくれるため、2アクション取ったり、ヴァインを素で唱えたりが容易。
結果的に《ロッテスのトロール/Lotleth Troll》があんまり活躍出来なかったです、恐血鬼も抜いたせいで「墓地から自力で戻って来るクリーチャー」の頭数が足りなかったのも原因かな。
非常に好きなカードなので残念ですが、改良点の一つって感じはしますね。
でも《再生/Regenerate》持ちのゾンビなので抜きたく無いなって思ったり、難しい。
なお、メイン火力はグロフ、墓所這い、ヴァインです。
プッシュや血の長の渇きみたいな明確な弱点はあるものの、グロフが盤面を支えてくれるのが非常に強力でした。
そして隙あらばヴァインを墓地から引っ張り出してドーン、みたいな。
サイドボード戦はしていないけど、エルトロのメイン相手に互角の戦いが出来ていたのは素直に嬉しかったです!
—
以上、ストリクスヘイヴンの新カード3枚を導入したモダンのヴァインデッキ紹介でした。
今回紹介した3枚は、普通にモダン級のカードパワーが有るんじゃなかろうか。
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