[Modern] モダホラ2で8枚体制が実現! – 液鋼ゴリラ・コントロール

2021年7月12日

「デッキのコンセプトが成立するためには、同じ役割のカードが8枚必要」とは、日本が誇るデッキビルダーのまつがん氏の持論である。

何度目か分からないリスペクトですが、大事なことなので何度だって書きますとも。

 

さて、モダホラ2が発売された事で、とあるカードが8枚体制となりました。

そのカードは《液鋼の首飾り/Liquimetal Torque》で、カード名の時点で分かりますが《液鋼の塗膜/Liquimetal Coating》のリメイクです。

  • 土地を対象に取れなくなった。
  • (◇)を生み出すマナ能力が付いた。

と言った相違点がありますが、土地以外のパーマネントに対しては全く同じ事が出来ると。

リメイク元となった液鋼の塗膜を使った「塗膜コントロール」と言うデッキは既に存在していて、時折結果を出していたし、何より公式ページが記事として取り上げていたレベルの由緒正しいアーキタイプです。

[2012.9.11] もう土地はいらないよね – MTG日本公式ページ

この液鋼8枚体制化により、早速《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai》《群の祭壇/Altar of the Brood》を使った即死コンボデッキがアップデートされたり、何やら怪しげなデッキが考案されていたりと、ジョニープレイヤー達が活気づいた事は言うまでもありません。

 

当然そんな楽しそうな様子を黙って眺めている事が出来ない私も、この8枚体制ビルドに参戦です。

単純に塗膜コントロールのアップデートだけでは物足りないので、更にモダホラ2からカードを加えて、新境地を開拓してやろうじゃありませんか!

<液鋼ゴリラ・コントロール/Liquimetal Gollira Control>

8枚体制になった事により「塗膜」「首飾り」に名前が分かれちゃったので、両カードに共通する「液鋼」から名前を取り、ゴリラを添える事で完全体となった雄姿をとくとご覧いただこう。

 


戦略について

2種8枚の液鋼シリーズと、大量のアーティファクト破壊手段を用いて相手のパーマネントを徹底殲滅、ぺんぺん草も生えない焦土と化した戦場をフィニッシャーが駆け抜ける事で勝利を目指します。

主となる動きは、液鋼シリーズで相手のパーマネントをアーティファクト化し、それを破壊し続ける事。

名前からも分かる通り、このデッキは「除去コン」となります。

コントロールデッキは常に「リソース切れ=サンドバッグ」と言う諸刃の剣を背負っているため、必ずアドバンテージを伴うアクションを挟んで行かなければなりません。

か細いクロックで勝利するため、可能な限り多くのアドバンテージを獲得していきましょう!

 


1枚で2枚分以上の働きをするカード

いわゆるアドバンテージを取れるカード、なるべく多く取りたい所です。

 

ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman

アライアンスの有名カードが、モダホラ2でまさかのリーガル化。

デッキ名を冠するこのゴリラは、タップも無しに、(X)(X)(1)でマナ総量がXのアーティファクトを1つ破壊出来ると言う、なんだかウソみたいな起動型能力を持っています。

0マナアーティファクトが溢れるエターナル環境ならまだしも、モダン環境でギミックも無しに使おうものなら、コスト2のアーティファクトを1枚割るのに(2)(2)(1)の5マナを要求されてしまいます。

流石にこれではただのゴリラなので、液鋼の塗膜により相手の土地をアーティファクトに変えるギミックと併用しよう。

土地にはマナコストが設定されていない、つまり(0)(0)(1)の1マナで土地が割れる事になります。

そのアドバンテージは脅威の実質0:無限交換となり、対戦相手はこのゴリラの真の恐ろしさを垣間見る事になるはずだ。

メタ的なお話

絶賛大暴れ中の《ウルザの物語/Urza’s Saga》が第2章以降で出して来るトークンを1マナで次々と葬りさることが出来ます。

[2021/7/8追記] ゴリラはクリーチャーでないアーティファクトしか割れないので、このトークンは殲滅出来ません。(※勘違いでした!)

起動にタップを必要としないので、ゴリラを唱えて即起動すれば(1)(赤)のソーサリーみたいな感覚で使う事も可能ですね。

なお、冒頭で書いた通り新カードの首飾りは土地を対象に取れないため注意されたし。

 

エンバレスの盾割り/Embereth Shieldbreaker

このデッキのフィニッシャー、2マナ2/1のフレンチバニラ。

近代MTGの中でも最強の次元と名高いエルドレインのメカニズムである《出来事/Adventure》を持っており、1マナでアーティファクトを破壊出来るソーサリーを内蔵している。

とにかく出来事で撃つ事でハンデスは勿論、サージカル系の呪文ですら手が出せない謎の追放領域にストックしておく事が可能。

相手の戦場をハゲ野原にし、安全を確認してから戦場に送り込むことでお命を頂戴するのです。

ただ、フィニッシャーと言っても打点が低いので「駆け抜ける」と言うより「シャトルラン」になりそうな予感。

 

古えの遺恨/Ancient Grudge

シンプルイズベスト、フラッシュバック込みで1:2交換を仕掛けられるナイスカード。

通常はサイドボードの常連であるコイツを、メインからドーンと4枚採用する事で、なんと8枚ものアーティファクトを破壊する事が可能だ。

システム上ハンデスにも強く、まさにこのデッキの主力兵器と言える。

 

大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator

4マナは少し重いが、液鋼シリーズが欲しい能力がこれでもかと詰め込まれているバグみたいなプレインズウォーカー。

  • +1:アーティファクト化した土地を割りまくり。
  • -2:サイドボードから状況に合わせたカードをシルバーバレット。
  • 常在型能力:相手だけアーティファクトの起動型能力を封印。

相手のパーマネントを一時的にでもアーティファクト化してしまう液鋼シリーズと、常在型能力の噛み合いが特にインチキ臭い。

例えば相手のアップキープに、破壊しきれなかった土地やマナクリをアーティファクト化してやればリシャポごっこが出来るとか、かなり応用が利く。

 


アーティファクトの起動型能力を封じられたら死ぬ

コントロール能力の8割以上を液鋼カードに依存しているため、アーティファクトの起動型能力を封じられると、見た目が豪華なサンドバッグ待ったなしです。

モダン環境でこう言う事をしてくるプレイアブルなカードは、

  1. 石のような静寂
  2. 溜め込み屋のアウフ
  3. 大いなる創造者、カーン

ほぼこの3枚なので、ピンポイントで意識を向けておくべきです。

 

石のような静寂

エンチャントなのでメインでは触れませんが、逆にこれをメインから入れているデッキは見たことが無いので、ここはおとなしくサイドボードに「緑の置物破壊」を入れておく事にしましょう。

びっくりするぐらい平凡なサイド案だけど、エンチャントってホント触りにくいよね。

 

溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe

これもサイドボードの常連ですが、たまにメインに入ってる事が有るため油断できない。

メタゲームにもよるけど、王道ジャンドとかが「メインから漁る軟泥」みたいなノリでさ。

サイド戦は仕方ないとしても、メイン戦でポン出しされて「投了します」じゃつまらないため、こちらはメインから削剥/Abradeを4枚取る事にしました。

タフ3までのクリーチャーなら何でも焼けて、液鋼が使えるなら破壊除去として使えて、アウフに液鋼を封じられてもアウフ自体を焼ける。

相手のパーマネントをアーティファクト化出来るこのデッキなら、メインから入れても「絶対に腐らない」と言う理想的過ぎるカードだと思う。

 

大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator

味方に居れば超強いこのプレインズウォーカーは、敵になってもこの上なく強いのでかなり困ります。

勿論メインからガッツリ入っているタイプのカードだし、正直メインでコイツをどうにかする方法は思いつきませんでした。(※デッキコンセプトを歪ませかねない。)

このデッキはグルールカラー(=赤緑)のくせに、クリーチャーがめちゃくちゃ貧弱で、火力呪文も殆ど積んでいないため、サイドに《ゴブリンのクレーター掘り/Goblin Cratermaker》を取る事で何とかしたいと思う。

何気にアウフを焼ける点もCoolです。

灯争カーン以外のプレインズウォーカーなら、普通に液鋼でアーティファクト化して割れば良い話なんだけど。

 


呪禁とか破壊不能とか出てきたら死ぬ

このデッキはとにかく「対象に取って」から「破壊する」と言う行動を繰り返すので、呪禁と破壊不能は致命的です。

これに対してはメインから《影槍/Shadowspear》を採用して、まとめて解決する事にしました。

本命は呪禁&破壊不能剥がしですが、細すぎるクロックの足しにも使えるユーティリティとしての働きに期待。

ただし伝説のパーマネント故、あまり枚数は入れたくない。

しかし枚数を減らすと欲しい時に引けないし、引けたのにハンデスされたり破壊されたとあってはかなり厳しい。

そんな悩みを解決してくれるカードが《ゴブリンの技師/Goblin Engineer》です、コイツが居ればサーチが可能になり、破壊されても墓地から戦場に戻せたり、追放除去にスタックでフィズらせたりと獅子奮迅の活躍が期待できる。

勿論、液鋼シリーズのサーチや戦場への復帰も同時に兼ねられるので、マスターピースのような存在かも知れない。

 

以上、液鋼8枚体制を堪能するためのデッキの紹介でした。

元ネタの塗膜コントロールより破壊ペースが速いと思うので、実戦が楽しみです!

しつこいぐらい液鋼シリーズを並べて、破壊の限りを尽くしてやろうと思います。

なお、プロテクションと被覆については「相手のデッキに入ってない」「入ってても引けない」とお祈りしてください。

 


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Posted by theuri