[Pioneer] ディミーア・ドレッジ/Dimir Dredge

少し前の話になりますが、日本を代表するデッキビルダーの一人、研究仙人まつがん氏がスタンダード環境で凄いデッキを開発していました。
その名も青単ドレッジ、またの名をドレッジレスドレッジ。
《発掘/Dredge》を持つカードを使わないのにドレッジの動きをして、《弧光のフェニックス/Arclight Phoenix》を使うのに赤マナは出せないデッキ。
字面だけを見ると最早なぞなぞの域に達している辺りが、仙人の域に達した人間の成せる業なのだろう。
本当によくこんな事思いつくなぁと感心してしまうリストなので、知らないよ!と言う方は是非「青単ドレッジ」とかで調べてみてください!
そんなこんなで、私の構築ネタには無かった新しい扉を開いてくれたこのデッキを、是非とも触ってみたいと言う思いが溢れ出し、気が付くとフェニックスを4枚購入していたのでした。
そして氏への精いっぱいのリスペクトを込めて、Study hallなりの解釈で構築したパイオニア版のリストがここに完成しました。
メイン (60)
勝負の行方はカードの落ち方次第、安定性なんかかなぐり捨てて運ゲーしようぜ!
二つの顔を持つデッキ
フェニックスを使っている対戦動画を見ていると、必ずサイド後は墓地追放か追放除去をガン積みされてめんどくさい事になっています。
このデッキでは「フェニックスにはサイドから墓地追放か追放除去をガン積みしときゃ良い」と言う固定観念を狙い撃ちにしたサイドプランを採用し、
最早それは甘えである
って事を分からせてやろうと思います。
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メインプラン
メインボードは青単ドレッジに倣って《水没した秘密/Drowned Secrets》を置いて、ドロースペルを連打して自らのライブラリをゴリゴリ削り、素早くフェニックスを墓地に落とします。
運悪く手札に来てしまったフェニックスは《再活/Jump-Start》や《航路の作成/Chart a Course》でポイーです。
少しでも相手のライフを圧迫するほど有利になるので、フェニックスが1枚でも墓地に落ちたら食べ頃のサイン。
ススッとインスタントorソーサリーを3連発して「コンバット入りたい」と宣言しましょう、連発する過程で追加のフェニックスが落ちれば言う事無しです。
追加の勝ち筋はパイオニア版イゼフェニでも定番の《氷の中の存在/Thing in the Ice》を採用、墓地をせっせと肥やしていれば勝手に解凍されるため使い勝手は上々です。
また、ライブラリから直接墓地に落ちればタダ撃ち出来る《這い寄る恐怖/Creeping Chill》は、キルターンを早める非常に強力なカードです。
結構手札に来ちゃうのはご愛敬、手札から唱えれば氷のカウンターも減らせる(※タダ撃ちの時は唱えないので減らせない)ので撃てるなら素撃ちしちゃいましょう!
このリストは黒ベースもバッチリ確保しているので「黒マナが出ねー!」なんて事はまず無いのです。
上手く繋がればどこからでも大逆転出来る爆発力が、このデッキの魅力です。
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サイドプラン
メイン戦を終えたあと、対戦相手はライブラリの破壊エンジンである「水没した秘密」を対策するか、フィニッシャーである「弧光のフェニックス」を対策するかを考えるハズです。
通常のフェニックス系デッキなら「フェニックスを全部追放しちゃえば勝ち筋が殆ど無くなる」訳なので、
- 墓地対策ガン積み
- 追放除去ガン積み
このどちらかを選択する事が多いのでは無いかと考えます。
そこでコチラはフェニックスを全て《スフィンクスの後見/Sphinx’s Tutelage》とチェンジ、ライブラリ破壊の矛先を自分から180度変えて相手のライブラリ・アウトを狙う戦略に切り替えます。
これならいくら墓地を追放されても文字通り「痛くも痒くもない」って状況になるし、クリーチャーの除去も手札で腐り続けてくれましょう。
セルフライブラリ破壊をしない上に、相手が墓地追放してくるとなると
- 這い寄る恐怖
- 宝船の巡航
この2種類のカードは著しく自分の動きを阻害します。
サイド後はドローすればするほど勝利に近づく仕組みになっているので、《物語への没入/Into the Story》と《選択/Opt》に入れ替えましょう。
相手の墓地がマッハで肥えるので物語への没入は「基本的に4マナのインスタント4ドロー呪文」強いですね!
そして《ディミーアの魔除け/Dimir Charm》はドローではなく「見て手札に加える」呪文なので(※2019/12/25訂正)しないので、スフィンクスの後見と相性が悪いため《湖での水難/Drown in the Loch》にチェンジしてみましょう。
相手の墓地が肥えていると、こんな強い呪文はそうそう無いぐらいのカードです!
ちなみに、実際フェニックスを散々意識させまくったボロスフェザー相手にサイドボードを使ってみたら、全力で《敬虔な命令/Devout Decree》を4枚と、氷対策とみられる《丸焼き/Fry》を何枚かサイドインして来ました。
作戦通りです(ドヤァ)
この試合自体は「後ライブラリが3枚」ってとこで削り切られて負けちゃったんだけど、スフィンクスの後見引けなかったのにここまで追い詰めたのは手応えアリって感じです。
バウンス呪文を《神々の思し召し/Gods Willing》で弾かれたのが勝負の分かれ目だったように思うので、カウンターの構え方とかをちゃんと考えないといけないね。
宝船の巡航
パイオニアならではと言えば《探査/Delve》持ちのぶっ壊れドローカードである《時を越えた探索/Dig Through Time》と《宝船の巡航/Treasure Cruise》がどちらも4枚ずつ使える事です。
7枚もライブラリを掘れるディグはいわゆる「量より質」を重視するカードですが、ダブシンな上にディミチャと同じく「ドローしない」し、シャッフル手段が乏しすぎるパイオニア環境では「ボトムに送る≒追放する」みたいな所が有るのでこのデッキとは相性悪いなと。
逆に宝船は最小1マナで唱えられる上に、単純に「3枚もドロー出来る」のは強力無比。
現在パイオニア環境では墓地を肥やす手段が少ないから許されているらしいのですが、このデッキにそんな常識は通用しません。
《マーフォークの秘守り/Merfolk Secretkeeper》が絡めば平気で2連発とか出来ちゃうから、なんか使ってて怖くなるぐらい強いですね。
コレそのうち禁止されるんじゃないかな(小並感)
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以上、青単ドレッジのリスペクトデッキの紹介でした!
ショックランドとフェニックスさえ頑張れば他は非常に安価に組めるし、爽快感ハンパ無いから自信を持ってオススメ出来るデッキです!(※借り手はパックから出て来たから入れてるだけで、別に無くても全く問題ないです。)
あとがき
やってる事は青単ドレッジなんだけど、2ターン目にディミチャを安定して撃つには「青と黒のマナベースが12も必要」になっちゃったので、ディミーア・ドレッジと命名しました。
アンタップイン出来るマルチカラー土地の兼ね合いで《霊気拠点/Aether Hub》も4枚入れた事により、最悪フェニックスの素出しが出来るようになったのは地味に役に立つシーンが有るかも知れないね。
とにかく死にかけから突然まくったり出来て、非常にスリリングなデッキです!
その逆転する強さの秘訣は這い寄る恐怖の存在で、どう見ても打点が足りないのに「上手くめくれて届いた」って事が何度も起こっています。
もひとつ印象的だった事が。
タルキール時代は引退中だったので、宝船の通称「金玉の元ネタ」を知らなくて、更にモダンでは禁止されていたため今回初めて調べたんですよ。
まぁ予想通り中国語版のテキストが原因でしたがw
金玉漂流在外,阴谋勾画其间。
いつもの同僚氏にディミーア・ドレッジの試運転に付き合ってもらっていたんだけど、あまりに禍々しい挙動にお互いのテンションが上がりすぎて
- 探査で宝船(水没した秘密誘発)
- マーフォークの秘守りの出来事(水没した秘密誘発)
- 探査で宝船おかわり(水没した秘密誘発)
と言うブン回りに「うおぉ!金玉がつながった!!」と叫んだり、同僚氏がお守りにと仕込んでいた《屍肉あさりの地/Scavenger Grounds》を起動(※探査コストを払えなくする)して「金玉を腐らせて行く!」とか叫んでたりさ。
今考えると色々ヒドかったなって。
今って特にそう言うのウルサイらしいから、
こんな感じで並べて「完成した!!」とか発言すれば、セクシャル・ハラスメントに該当したりするのだろうか。
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