[Pioneer] モダンのパワーカードの代用は存在するか
さて皆さま、新フォーマットのパイオニアはどんな感じでしょうか?
先行してMOで色々試され、メタゲームも「ですよねー」と思うものから「マジで?」と思うものまで様々でございます。
私は出張やらでまだ組めて無いのですが、王神か副陽辺りがやりたいなぁと漠然と思ってますが。
考察する事は土地から始まってカウンターの質とか火力の質とか沢山あるのですが、諸事情により完全に出遅れちゃってるので、モダン環境でパワーカードと呼ばれている物の代用品なんかを考察してみようと思います。
基本的に下位互換となるカードしか存在しない訳ですが、果たしてどんな感じなのでしょうか。
オパールのモックス/Mox Opal
初期モダン環境の顔とも言える親和系デッキを支え続けた伝説のアーティファクト、アイアンワークス事件の時に禁止カード指定予備軍として監視されていると公式が発言したせいで、全世界のオパモファンが禁止改定の度にハラハラしている。
現在進行形でウルザソプター系のデッキでも使われており相変わらずアブナイ橋を渡っているが、オパモが有ればこそのイロモノデッキも多数存在するので、運営的には大目に見たい的な事を書いてました。
とは言え、もっと大量のデッキを機能不全にした《信仰無き物あさり/Faithless Looting》禁止の前例もあるので、全く安心は出来ない程のパワーカードであります。
さて、こんな偉大なカードの代用品が早々あるハズも無い訳ですが、オパモの特徴を見ながら考察してみましょう。
- 1ターン目に土地込みで2マナ以上出せる可能性がある
- 条件を満たしていればデメリット無しで繰り返し使える
- 好きな色のマナが出せる
(改めて見ると凄いなコレ…)
この「2マナ以上出す」と言うのは、金属術を達成出来ているならオパモからマナ出して2枚目以降のオパモを置くと言う動きを繰り返せば、理論上5マナまで出せるためこう言う表現にしています。
- ダークスティールの城塞×1
- オパモ以外の0マナファクト×1
- オパモ×4
- 5マナの呪文×1
有り得ないけど、一応初期手札がこの7枚なら初手で5マナ呪文が唱えられる。
無いけどね。
1ターン目にオパモからマナを出すには《金属術/Metalcraft》を達成する必要がありますが、アーティファクトに寄せたデッキであればオパモ自身を含めて軽々と達成出来る訳です。
モダン環境でオパモを使わないその他の方法で1ターン目に2マナ出せる可能性があるのは下記の3つ(たぶん)で、それぞれ条件などは
エルドラージの寺院/Eldrazi Temple
条件1:△(※無色のエルドラージ絡みにしか使えない。)
条件2:〇
条件3:×
パイオニア:×
猿人の指導霊/Simian Spirit Guide
条件1:〇
条件2:×
条件3:×(※赤しか出ない。)
パイオニア:×
宝石の洞窟/Gemstone Caverns
条件1:△(※後攻の時だけ。)
条件2:〇
条件3:〇
パイオニア:×
見事に全てイリーガルなのでオパモの代わりは無いと言って良いでしょう。
しかし同じくMOXを名乗る《モックス・アンバー/Mox Amber》(ドミナリア)を使えば理論上初手で4マナ、現実的な所でも1マナアクションを2回って所まではさほど難しくありません。
要はアンバーの条件を満たす1マナかつ色付きの伝説のクリーチャーを使えば良いだけの話で、これがパイオニアリーガルでも3種類も居たりします。
- アクロスの英雄、キテオン/Kytheon, Hero of Akros(オリジン)
- 造命の賢者、オビア・パースリー/Oviya Pashiri, Sage Lifecrafter(カラデシュ)
- 鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker(龍紀伝)
3種12枚体制ならまずまず初手で引けるだろうけど、問題は伝説のクリーチャーである事。
同じのいっぱい引いたらどうしよ?的なお話で、これらが実用的かどうかは今後の研究次第となります。
白緑赤、ナヤカラーか…。
後は少し地味ですが《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》(神々の軍勢)が有るので、定番の《羽ばたき飛行機械/Ornithopter》(霊気紛争)で初手に2アクションは可能ですね。
精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor
いわゆる最狂の代名詞、余りの強さゆえにモダン制定時に初めから禁止指定されていた。
通称はその名も高き神ジェイス、精神の神を取っての事らしいですが、本当に神の如き能力を持っているため「ジェイスか、ベレレンか。」と言う言葉があったとかなかったとか。
私は随分長いブランクがあったためずっと無縁だったのですが、モダンで解禁後に初めて使われてみて、どの忠誠度能力もいやらしすぎて「えぇ…」ってなるぐらい強かったです。
流石にこれの代用になるようなカードはMTG自体に存在しない事は考察しなくても分かる。
いや、あってたまるか。
コレの代用は無いとして、ジェイス絡みでは2マナのクリーチャー状態で着地するオリジンの《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》が現在絶賛高騰中で値段が凄いことになって来ています。
変身条件は多少面倒だけど、やはり2マナと言う軽さは魅力的で、エターナル環境の対戦動画ではそれなりに見かけることがあります。
変身前のルーティング能力と灯争大戦の秘儀術師を組み合わせたURアルカニスト、そんな感じのデッキで。
ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil
モダンのトップレアの一角であり超有名なカード、皆大好きヴェリアナさん。
これ実はハンデス部分だけ見れば《異端の癒し手、リリアナ/Liliana, Heretical Healer》(オリジン)と言う代替えカードが存在します。
ただ、私もヴェリアナは良く使うので分かるのですが「-2から入る」事が殆どなため、一度変身させないといけなかったり、どの道盤面を触れない異端リリアナじゃ代わりにはなり得なくて、結局除去が必要になってしまいます。
しかしコイツはコイツで
- 変身時に2/2のゾンビトークンが付いてくる
- 全員ディスカードで忠誠度を+2出来る
- +2の後無傷でターンが返ってくればコスト5までのクリーチャーを釣れる
- 変身前はクリーチャーなのでサーチやリアニメイトや墓地回収が可能
と言うメリットも有るので、中々侮れないと思っています。
継続してハンドを攻めたいシーンならむしろヴェリアナより強いと言えるし、奥義もかなりエグイ。
何やら《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》(異界月)ことラスアナはパイオニア環境でもリーガルなので、ヴェリアナと同様にタッグを組む事も出てくるんじゃないかと思います。
ただ、パイオニア環境で流行りそうなタッサやハゾレトのような神様勢(※破壊不能持ち)に刺さる布告除去はヴェリアナしか持っていないのが非常に痛い所。
ここはシナジーに期待して《リリアナの勝利/Liliana’s Triumph》(灯争大戦)をサイドに忍ばせるなどの工夫が必要になって来そうです。
タルモゴイフ/Tarmogoyf
モダン環境のバケモノ、タルモはパイオニア発表と同時にネットで代替えカードの話は出ていましたね。
候補としてはやはり《残忍な剥ぎ取り/Grim Flayer》(異界月)になるかと思います。
と言うかタルモの代用と言うなら1択ですね、スタンでディミーアを使っている人なら、攻撃通れば《諜報/Surveil》3と同等の能力が誘発するってのがどれだけ強いかが分かるはずです。
タルモと違って最大サイズが4/4止まりですが、フェッチランドが禁止されている環境なので自ら墓地を肥やせたりトランプル持ってたりと見た目に反して器用な剥ぎ取りさんの方が使いやすそうまであります。
闇の腹心/Dark Confidant
最近のモダン環境におけるいわゆるジャンドからは減少しつつありますが、生きてる限り延々とアドを稼ぎ続けるパワーカード、通称ボブ。
いわゆる「見たら焼け」と言われる類のヤツですね。
そろそろ危ないって時に出すとボブ死(※コスト分のダメージで自害しちゃう事)の可能性がありますが、どうせ死ぬなら回答探しに行って死にたいって言う前のめりな気持ちになります。
これはそこそこ似た役割を持つカードがあるので、好きな人は参考にしてみてください。
苦痛の予見者/Pain Seer
神々の軍勢のボブ、私は使った事がないですが《神啓/Inspired》と言うメカニズムで、タップ状態がアンタップ状態になるとボブ能力が誘発するようです。
攻撃してる間は誘発し続けますが、直ぐに殴れなくなりそうなので、前述のバネ葉太鼓でマナクリとして運用するのが良さそうに思いました。
多分誘発は強制なので、相手にガチャガチャされてボブ死を押しつけられる可能性はあり得なくも無いですねw
遺跡の略奪者/Ruin Raider
イクサランのボブ、スタンリーガルの頃に機体デッキでちょくちょく見かけたけど、少し重いのでパイオニアではどうなのかな。
《強襲/Raid》を達成したターンのエンドステップにボブるのですが、攻撃するのは誰でも良いのでコプターに乗り込んでルーティング&ボブドローでガンガンライブラリを掘り進めるのは楽しそう!
光袖会の収集者/Glint-Sleeve Siphoner
霊気紛争のボブ、これはねぇ…スタンリーガルの時に嫌と言うほど見ました。
能力の使用には《エネルギー・カウンター/Energy counter》とライフが必要ですが、どんなカードがめくれようとも1点で済むし、コイツがもともと持ってる威迫と相まってエネルギーを稼ぎながらドンドンとドローをする事が出来ます。
しかもエネルギーが有るならこいつは攻撃する必要すらないし、能力の使用も任意なので「ボブ死のリスクが無い」ってのが強いんだホントに。
パイオニア環境なら黒のドローソースとしてかなりオススメ出来る逸材だと思います。
なお私はモダン環境ではボブより《ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena》を好んで使ってるのですが、最後に収録されたのが第9版と古くてパイオニア環境ではイリーガル。
残念。
霊気の薬瓶/Aether Vial
エターナル級のアーティファクト、インスタントタイミングでマナを使わずにクリーチャーをシュート出来るのは反則的な強さです。
それが(1)で置けてしまうのは色々狂っていて、現在の基準なら(3)ぐらいで丁度ぐらいの強さな気がする。
通称は薬瓶とかバイアルとか。
勿論こんなカードの代わりは無いです(あってたまるか)
インスタントタイミング踏み倒すって部分だけを強調するなら《集合した中隊/Collected Company》がリーガルなんだけど、運要素が絡むからね。
手札から狙って出せるバイアルはやっぱりどうかしてると思います。
魂の洞窟/Cavern of Souls
エターナル級の5色土地、通称たまくつ。
最初に指定した部族にしか色マナが使えないが、この色マナを使って出したクリーチャーは「打ち消されない」状態になってスタックに乗るため、カウンター擁する青いデッキに非常に強くなります。
一応完全下位互換バージョンとして《手付かずの領土/Unclaimed Territory》(イクサラン)がありますのが、人間デッキとかは「合わせて8枚体制」で安定させていたみたいな所があるので、やっぱ詰まりやすくはなりそう。
たまくつのウリである「打ち消されない」部分を持たないのは完全に弱体化していますが、チャリスやエラヨウみたいのが環境に存在しないので絶望的な状況にはなりにくいのかなと。
それより《マナの合流点/Mana Confluence》が超貴重な5色土地として、バカみたいに値上がってしまった事の方が痛手です。
1,000円ぐらいの時に「そのうち買おっと」とかハナホジしてて買いそびれた、ちょっと前の自分を殴りたいです。
仕組まれた爆薬/Engineered Explosives
貴重な無色のリセット、カウンターを乗せるには《烈日/Sunburst》と言う凄い癖が強い支払い方になるけど、即効性があり非常に使いやすい。
トークンを一掃するだけなら(2)で一網打尽に出来る、通称は爆薬。
これのリメイク版である《漸増爆弾/Ratchet Bomb》はM14に収録されているので、多くはこちらを選択する事になるでしょう。
こちらの弱点としては「蓄積カウンターを貯める時に隙が出来る」と言うのが特徴ではあるものの、爆薬と違い「蓄積カウンターをいくつでも乗せられる」とか「軌道にマナがかからない」と言う長所もあります。
悠長だけどさ、力線とかもワンチャン割に行けるのは良いよね。
灯争大戦で沢山《増殖/Proliferate》絡みのカードも出たし、意外と大型のパーマネントも射程圏に入れられたりするかも知れないので悪くないのかも。
トークンだけを吹っ飛ばす時とかは本家と同じく(2)で行けるしね、普通に強い。
虚空の杯/Chalice of the Void
乗っかっている蓄積カウンターと同じコストの呪文を全て打ち消し続ける意味の分からないアーティファクト、勿論エターナル級。
バーンや感染などの1マナ呪文が山盛り入っているデッキだと、2ターン目にX=1で置かれて「延々とドローゴーさせられる」みたいなお通夜プレイを強要される事もしばしば、通称はチャリス。
モダン環境でこう言う「呪文を打ち消し続ける」みたいな効果を持つのはおそらくコレと、同じくイリーガルで使えないけど《上位の空民、エラヨウ/Erayo, Soratami Ascendant》の反転後と、少しクセのある《相殺/Counterbalance》なんかもそうかな。
パイオニアでリーガルなカードなら《秘密の解明者、ジェイス/Jace, Unraveler of Secrets》(イニストラードを覆う影)の奥儀で得られる紋章ぐらいしか無いと思うので、実質的に代用カードは無いと言えます。
流刑への道/Path to Exile
エターナル環境で最強の単体クリーチャー除去呪文と言えば《剣を鍬に/Swords to Plowshares》ですが、それのリメイクバージョン。
そしてこの呪文もまた、モダン環境における最強の単体クリーチャー除去呪文と言っても過言では無いレベルの強さを誇る、通称パス。
何と言いますか、白お得意の「壊せない?死んだら能力が誘発する?じゃあ追放すれば良くね??」って呪文が1マナのインスタントなのは語るまでも無く強いのが分かります。
ここまで強いのは勿論無いので、基本的に《一時的に追放するカード》の中から、パスの代用として使えそうなモノをいくつか紹介しておきましょう。
岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks
テーロスで登場した一時追放除去、先輩のソープロやパスと同じく(白)で唱えられるが、山専用のオーラ呪文(=ソーサリータイミングかつ山が無いと唱えられない)であると言う、かなり変わった呪文。
とは言え「デメリット無しの1マナ追放除去」と考えると、ボロスカラーのデッキなら十分採用圏内かなと思います。
封じ込め/Seal Away
ドミナリアの《瞬速/Flash》持ちエンチャント、コストは(1)(白)と軽く当時のスタン環境では構築でもかなり使われていました。
弱点は「タップ状態のクリーチャー」しか対象に取れない所で、防衛持ちのクリーチャーや立ってるだけで仕事をするシステムクリーチャーを苦手とします。
ゆうて普通のクリーチャーなら殴ってくるし、マナクリーチャーや起動型能力にタップを含むクリーチャーなら自然とタップするのでそこまで神経質にならなくてもOKです。
個人的にはイチオシ。
停滞の罠/Stasis Snare
戦乱のゼンディカーの瞬速持ちエンチャント、コストは(1)(白)(白)と重いが捕まえる「クリーチャーの状態に左右されない」のが売り。
ただ、ダブルシンボルがキツイ。
排斥/Cast Out
アモンケットの瞬速持ちエンチャント、コストは(3)(白)と更に重くなるが、色拘束が薄いので思いの外唱えやすい。
流石に4マナ域まで来ると「土地以外のパーマネント」を対象に取れるようになると言う万能さが追加され、更に(白)でサイクリング出来るため、メインからの採用も全然有り得るのが凄くエライ。
コチラも当時のスタン構築で沢山使われていましたね!
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ざっとこんな感じですが、もっと範囲を広めるなら《拘留の宝球/Detention Sphere》(ラヴニカへの回帰)を始めとするエンチャントが沢山ありますので、お好みに合わせてどうぞ。
稲妻/Lightning Bolt
最後にα時代から存在する最強の火力呪文を見て〆ましょう、これが撃ちたいが為にモダン始めましたって人も居るぐらい愛されているカードです。
とにかく名前、マナコスト、効果の全てにおいてシンプルで、地球上に存在する全てのカードゲームの火力呪文の始祖と言えるこのカードは、当然ながら亜種が山のように作られているため、下位互換を探すのに苦労はしないハズです。
ソーサリーになってたり、対象が限られていたり、少し重くなっていたり、ダメージが少なくなっていたり。
そして、色々な下位互換を使ってみてあなたはこう言うのです。
やっぱり稲妻が最高やな!!
ってね。
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以上、久々にガッツリ書きました。
私も早くパイオニアで遊びたいのでデッキ考えてきます!
あとがき
昨日ようやく九州地区の出張から帰って、2週間続いた出張予定を全て消化しました。
九州地区の前は関東地区に出張で滞在していたのですが、帰りの飛行機に乗る時、見事に悪天候に見舞われ成田空港でターミナル難民を初体験してきました。
よくニュースで見る難民を撮影しているTV局のクルー隊はカメラマンのみで、疲れ切っている人たちに向かって「NDK?NDK??」ってインタビューしてて、本気で嫌がられていたのが印象的でした。
なにやらこう言う事態に備えているらしく、空港から寝袋とビスケットと水が支給されました。
コイツを床の上に引いて寝る訳ですね。
うん、まぁ無いよりマシだったけど床は堅くて冷たかった。
出張先で記事を書こうと思ってたのですが、基幹システムの入れ替えなんて当然夜間作業で、朝から現場に説明とかレクチャーとかするから完全に筆が止まっていた次第です。
そのうちまた出張の第2弾が予定されているので、しばらく更新がまばらになると思いますが、エディタやシミュレータは当然24時間年中無休なので遊びに来てくださいね!
それではまた次の記事でお会いしましょう。
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