[Modern] 命は投げ捨てるもの – ラクドス・サクリファイス
皆さんごきげんよう、今回は相手のクリーチャーを奪って、そいつに殴らせ、最後は生け贄に捧げてアドバンテージに変換する事を基本行動とする、ちょっとした犯罪シンジケートみたいなデッキを紹介します。
一見、外道極まりない行為に見えますが、多くの者に尊敬され愛された一子相伝の暗殺拳の次男も「命は投げ捨てるもの」とか言ってたのでヘーキヘーキ。
背景としては、最近のモダン環境で活躍する主力クリーチャーの大半が「軽くて強すぎるヤツら」で構成されているので、こんなカードが刺さるのでは?と言う期待を込めて。
<ラクドス・サクリファイス/Rakdos Sacrifice>
メイン (60)
土地
21枚
クリーチャー
16枚
直近のスタンで活躍していたソレとは何の関連性もございませんが、カード1枚使って相手クリーチャーのコントロールを奪うなら、きっちり型にハメてやりましょうと言う事で、コンセプトは生け贄となりました。
勿論クリーチャー使ってこない青白コンとか、デカいわ重いわのクリーチャーしか使ってこないトロンやリビエンは、天敵と言うか無理ゲーだと思います。
戦略について
このデッキは相手クリーチャーのコントロールを奪い、大量に搭載された生け贄ギミックを駆使して、結果的にアドバンテージを積み重ねて行き、最終的に《大いなるガルガドン/Greater Gargadon》を突進させる事で勝利を目指します。
このプランを完遂するため、大きな役目を果たすのが《初子さらい/Claim the Firstborn》と《世話/Wrangle》と言う、軽量コントロール奪取カード。
相手の展開するクリーチャーを奪って、一発殴ってから生け贄に捧げる事で、
- ブロッカーを排除出来るので、ガルガドンを気持ちよく走らせる布石となる。
- ライフを削っておくと、ガルガドンの攻撃を通さなければならない回数が減る。
と言う、まさに一石二鳥の戦術となる。
なまじ相手は自分のクリーチャーが殴って来る訳だから、不利交換が確定してしまう相打ちブロックやチャンプブロックはせずに、本体にダメージを通す場面が多くなるハズ。
しかしコントロールを奪うたびにこちらはカードを1枚消費してしまうので、生け贄ギミックを利用して奪ったクリーチャーをアドバンテージに変換して帳尻を合わせましょう。
- 待機ガドンの起動型能力で時間カウンターを減らす。
- 村の儀式で2ドローに変換。
- 骨の破片で相手のクリーチャーやプレインズウォーカーを除去。
ただ、生け贄ギミックが12枚に対してコントロール奪取は8枚、明らかに足りていないので《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》でお茶を濁しておきました。(※クリーチャーが薄いデッキ相手にも必要だろうし。)
今回フィニッシャーに採用したガルガドンですが、最近の流行と言うか赤の標準装備になりつつある《邪悪な熱気/Unholy Heat》の最大火力に耐えうるタフ7は非常に偉いなと思った次第。
もう一つの流行除去である《虹色の終焉/Prismatic Ending》も、コスト的に絶対に払う事が出来ないので、メタ的には除去耐性を持っているようなものです。
更にガルガドンはサクリ台としても非常に優秀で、待機状態(=追放領域)から能力を起動するので、クリーチャーの起動型能力を縛られても影響しないし、そもそも触る事が出来ないため、起動型能力を打ち消す手段が無いと一切の妨害を受けないのです。
現モダン環境で待機10は、いささか悠長すぎる感が否めないが
激情について
最近ぐいぐいと評価を上げている、モダホラ2の神話想起サイクルの赤いヤツ。
これ系の勝手に自殺するカードは、そのスタックで生け贄に捧げると無駄なく使えるとクロクサで学んだのでフル投入しました。
ピッチコストで出して、相手のクリーチャーを薙ぎ払って、生け贄スタックでガルガドンの時間カウンターを減らしたり、村の儀式で2ドローしたり。
更に黒が使えると言う事で《マラキールの再誕/Malakir Rebirth》も採用、もう一回薙ぎ払えるドン!からの盤面定着は圧巻の盤面制圧力となるでしょう。
本音を言うと、クソデッキビルダーの嗜みである「ギミックを詰め込み過ぎて土地スロットが圧迫されまくり問題」を解決しつつネタを仕込めるカードとして、裏面が土地モードのカードが天才過ぎました。
神話アンコモンについて
管理人の推しである<草タイタンの人>の影響で、生け贄ギミックが出る度に候補に挙がって来る運命再編の《謙虚な離反者/Humble Defector》。
ガルガドンの待機によって安心運用出来たり、村の儀式と合わせて使うと脅威の4ドローになったり、能力は「自分のターン」にしか起動出来ないため、相手にコントロールが移った後に初子さらいで回収してもう一回起動出来るドン!とか出来たり。
なんしか魅力しかなったため、今回も無事採用となりました。
試運転してみた
お相手はエルタク、リストもほぼ把握している既知のデッキです。
スマッシャーだけは射程外ですが、難題の予見者は世話で、その他は全て初子さらい(どちらでもOK)で寝返らせる事が出来るので、試運転には最適な相手かも知れません!
初戦は勿論初見殺し、初手ガルガドン待機からちぎっては投げちぎっては投げ。
なんて気持ちイイんだ!
どう見てもこちらのペースで、マウントを取っているつもりだったが。
うり「お、ネオ神河の新カードだ。」
相手の3ターン目に着地した石鍛冶が《長所食い/Eater of Virtue》をサーチした所から歯車が狂い始めました。
ここで考える訳ですよ、カルドラコンプリートとかバタスカとか青赤剣とか入ってるデッキで、こんな「1マナの育てる系装備」を引っ張って来る理由を。
- まぁ3マナ出るなら浮きマナで出しておけるし?
- 装備1でパワーが2上がるのは確かに強いよ?
とか考えてたのですが、実際は「細菌トークンは初子さらいで寝返る」と言う事に相手は気づいていた模様。
そんな事にも気づかず、見当違いな理屈をこねくり回して「既に手札にフィニッシャー装備を引いている」と深読み、ここで《思考囲い/Thoughtseize》を使って、踏み倒される前に抜いてしまおうと考えましたが。
まぁ持ってないわな。
この時手札には難題とスマッシャーが首を揃えてスタンバっていたので、骨の破片でしか触れないスマッシャーを抜いて終了、難題はなんとかなるやろと油断してターンを渡しました。
これもダメだった。
そもそもコントロール奪取系は基本的にソーサリータイミングのアクションなんだよね、アクチャみたいな例外は有るけど、起動型能力とかでもソーサリータイミングに制限されてたり。
難題が着地した時点で、抜かれるよね。
あまりのガバプレイに頭を抱えていると、浮いたマナで長所食いを難題に装備されてしまいました。
は?なんでマナ浮いてんの。
やはりノーリスクの単体2マナ土地はやってる事がエターナルなので、モダン環境では強すぎると思います。
とにかくこれでもう難題もパワー6になり世話の射程外へ、そのままこれに殴られ続けて敗北。
パクられるなら出さなければいい、その通りです(白目)
気を取り直して2戦目、このデッキはサイドから《ヴェクの聖別者/Sanctifier en-Vec》とか言う、ラクドス教団を単身で滅ぼせるオリカみたいなヤツが出て来るので、こちらは《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》をサイドインして対抗します。
お相手は再び3ターン目に石鍛冶から長所食い、先ほどは辛酸を舐めさせられましたが、今回は離反者くんが生存したままターンが帰って来きました。
これは僥倖。
離反者くんを起動し、そのスタックで村の儀式、まんまと4ドローの爆アドを手にしました。
しかし、またも寺院でマナ加速されてスマッシャーを叩きつけられ、事前にサリアを食っていた長所食いを1マナで装備、7/5速攻トランプル先制攻撃の化け物が走って来る事態に。
ターン返って来て残りライフ4点、これにはたまらず骨の破片をディスカードで唱え、スマッシャーの効果で更に1枚ディスカード。
さっき得たアドバンテージを全て失い、大ピンチとなりました。
と言うか盤面に残された長所食いが、1マナで装備出来る+2/+0速攻トランプル先制攻撃とか言う究極装備みたいになっていて、非常にキナ臭い。
その嫌な予感は、次のターンに現実の物となった。
同僚氏「石鍛冶出したい。」
うり「はい。」
同僚氏「カルドラサーチしました、手札に加えます。」
うり「はい。」
同僚氏「1マナで長所食いを石鍛冶に装備したい。」
うり「はい、あっ(察し)」
同僚氏「2マナで石鍛冶起動、カルドラ出します。」
うり「」
同僚氏「コンバットよろしいか?」
うり「参りました。」
いやこれ、長所食いは思いのほか強いねw
やはり「育てる系は放置したらダメ」だなと分からされた一戦となりました。
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以上、軽量クリーチャーをメタったラクドス・サクリファイスの紹介でした!
試運転はこれの他にも2戦やって全敗で、プレイングのガバさを差し引いても勝ちきれない戦法なのかも知れません。
そもそも無理ゲーなデッキもありますしねw
ちゃんとガルガドンを出しても、長所食い装備したスマッシャーと相打ちにされたり、ヴェクの聖別者とかルーンの与え手のプロテクション地獄で完封されたり。
なんなら「待機してるほうが強い」まである、かなりクソゲーみたいな状況になってました。
ウルサガと影槍のパッケージを搭載したら強いと思うんだけどね、ウルサガ高いからね、仕方ないね。
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