[Modern] 大玉転が死 – ジャンドスン
皆さんごきげんよう、先日納戸の掃除をしていると、昔の荷物が入った収納ケースから第6版のスターターの箱が見つかり、その中から第5版の《ボール・ライトニング/Ball Lightning》が出てきました(ややこしい)
白枠とか超エモいやん。
てな訳で、MTGを始めて間もない頃は「転がされる側」だったこのカードを、20数年の時を超えて「転がす側」になって遊ぼうと思います。
メイン (60)
土地
20枚
クリーチャー
24枚
普通に赤単で組んだら「バーンでよくね?」みたいになったので、テンペストブロック(ストロングホールド)の時に流行っていた、ボールを転がした後に顔面目掛けて《投げ飛ばし/Fling》で12点的なやつを狙うデッキを作ってみました。
戦略について
このデッキは、元祖「歩く火力」として名を馳せた《ボール・ライトニング/Ball Lightning》と、その血を色濃く受け継いだ《稲妻の骨精霊/Lightning Skelemental》を転がして、第2メインで《ドスン/Thud》する事で勝利を目指します。
現在のルールでは、いわゆる当て逃げが出来ないから、投げ飛ばし(=インスタントタイミング)でなくても良いだろう読みで、1マナ軽いドスンにその役を担わせました。(※恐らく8枚体制にしても投げれるクリーチャーが足りないと思うし。)
こいつが殴ってきたらチャンプしても貫通するため「ライフで受けます」と言われやすいから、結果的に第2メインで生き残ってる可能性が高いんじゃね?と言う打算もあったり。
また、モダンは土地が痛い環境なので「アタックがクリーンヒット」もしくは「ドスンが顔面に直撃」のどちらかを合計3回満たせば敵が死ぬ計算となります。
ただ、ボールは色拘束が非常に強く、インスタントタイミングの火力で簡単に対処出来て、先制攻撃持ちには手も足も出ないと言う弱点があります。
以前ホロウワンで骨精霊を使ったことがあるのだけど、《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》が突っ立ってるだけで文字通り「何も出来なくされた」のが非常に印象に残っています。
ノンクリーチャー呪文も重くされるし、あれはもう玉殺しの女王と呼ぶレベルでキツいカードです。
リアニメイト戦略について
前述の通り、ボールも骨精霊もトリプルシンボルです。
経験上、単色デッキでもない限り3ターン目のトリシンは全然安定しません。
そんな時はあらゆる色拘束から逃れつつも、クリーチャーを戦場に出す事が出来る「リアニメイト戦略」で解決を図るのが良いと思う。
一つは定番の《発掘/Unearth》による、シンプルなリアニメイト。
1マナで3マナ以下を釣って来れるのでボールも骨精霊も対象に取れ、それぞれが速攻を持っているので相性抜群。
字面を見ても「実質1マナ6点火力」となるため、これは文句なしに強い。
もう一つは記憶に新しいM20のエレメンタル《雷族の呼び覚まし/Thunderkin Awakener》による攻撃誘発リアニ。
誘発時に墓地に居て、コイツのタフネスより小さいタフネスを持つエレメンタルを1枚、タップ状態かつ攻撃している状態で場に出す事が出来るが、次の終了ステップに生け贄に捧げるデメリットがあると言う能力。
雷族はデフォで1/2なのでタフ1のボール系を確実に釣れるし、ボールは元々生け贄に捧げなきゃいけないから実質デメリット無しで運用可能と言う凄いシナジーがある。
と、Wikiに書いていたので安易に採用してみた。
リアニしたエレメンタルは追放じゃなくて生け贄だから、こいつが死ななければ何度でも釣れるんでしょ?超強いやん。
発掘で釣るならこっちが本命ですね、速攻も持ってるのは超偉いと思う。
雷族の呼び覚ましについて
このカードは今回初めて使うのだけど、何やら凄そうなのでもう少し掘り下げてみよう。
まず目に付いたのは、こいつもまたサリア嬢に弱いと言う点。
アタックしなければ能力が誘発しない以上、相手のブロッカーにゆく手を阻まれてしまうのは必然で、その仮想相手が2ターン目に出て来るサリアとするなら、呪文でバットリを仕掛けるのは中々難しい状況となっているだろう。
俺が守護らねばならぬ。
何かロード的な、マナを使わずにタフネスを上げる方法はないだろうか?と探していたら、運命的に噛み合うカードが存在しました。
それはゴブ賛美こと《下賤の教主/Ignoble Hierarch》、単独攻撃による《賛美/Exalted》でタフネスを上げると雷族は2/3となり、サリアどころか2/2までのクリーチャーを一方的に倒す事が可能となる。
これを叶えるためには、赤黒のデッキに緑をタッチ、しかも初手で緑出したいとか言うレベルなので、マナベースに大きな負担がかかる事は明確ですが、ゴブ賛美の赤と黒を含むマナ加速は、色事故を防ぎつつ2ターン目にボールや骨精霊を唱えて転がすと言う「ブン回りパターン」が追加される事にもなるので、なんとかして組み込みたい所です。
草タイタンについて
ちょっと調べてみた所、ゴブ賛美をコントロールしている状態で雷族を単独で攻撃指定すると、賛美とリアニが同時に誘発する。
先に賛美を解決してからリアニを解決すると、その時の雷族のタフネスは3となっているので「タフ2以下のエレメンタル」も釣れるようになる。
これは何か有りそうだな?
早速Wisdom Guildさんで、タフ2のエレメンタルを検索した所、これまた運命的に噛み合うカードを発見する事になった。
前回の記事でもお名前を出してしまいましたが、管理人が推している<草タイタンの人>の代名詞である《草タイタン/Phytotitan》が、なんとタフ2のエレメンタルだったのです!
スタッツは7/2、死亡すると次のアップキープにタップ状態で戦場に戻って来るため、雷族の効果で勝手に攻撃しながら場に出てきて、次のエンドフェイズに勝手に死んで、次のアップキープに勝手に生き返ると言う「ちょっとアレな人」のような挙動となる。
良いですね、春先だし季節感ある。
氏の動画を見れば分かるが、草タイタンは一度でも場に出れさえすれば、後は何度死んでも自動的に戦場に戻り続けるので投げ飛ばしとの相性は最高レベル、間違いなく強いだろう。
一度でも場に出れさえすれば、強いだろう(大事二度)
そうなってくると、これはもう氏をリスペクトして《生命の遺産/Life’s Legacy》も4積みするしかありません。
ゴブ賛美を入れるために緑をタッチするんだし、そもそも物凄くボールと相性の良いカードじゃないか。
パズルのピースがぴったりと当てはまったような気分で、非常に気分が良いです。
いったん整理してシミュレートしてみる
ここまで登場したカードをまとめると、
- 20x クリーチャー
- 12x ソーサリー
32枚となっているようだ。
いつもならこの段階で50枚ぐらいになっているので、かなり良い感じと言えます。
変な候補が増える前に、さっさと土地スロットを埋めるが吉。
自前のエディタで上記のカードをポチポチと登録していき、カラーバランスを確認。
マナベースを作る時、管理人は「初手で使う色マナが出るようにする」事から始めるので、今回はゴブ賛美の(緑)を意識して行く。
当然ですがデッキ内で最も多い色は赤なので、初手は赤緑ファストランドか赤緑ショックランドが出せるのが理想的。
草タイタンは素出ししない前提で考えると、マナカーブの頂点は3、ゴブ賛美を4枚使うので、土地の枚数は20枚(≒実質24枚換算)で良いと思うので、残り空きスロットは8枚となる。
うん?これ草タイタンを墓地に落とす手段を入れ忘れてるねw
ディスカードコストか、素直にルーティングか、かなり悩んだ末に《傲慢な新生子/Insolent Neonate》をチョイスしました。
いつでも起動出来るし、天敵のサリアで重くならないとか、先置きしておけるからマナ節約できるとか、なんなら威迫で殴れるとか。
良いと思います。
あと4枚、ここは丸いカード入れておきたいと言う事で、ネオ神河の《タミヨウの保管/Tamiyo’s Safekeeping》を採用しました。
白いデッキには高確率で《鍛冶屋の技/Blacksmith’s Skill》を入れてるからね、ライフゲインついてるしこっちのが強いまである。
これで60枚、早速シミュレータで一人回し。
ルーティング手段が少なすぎる上に、ゴブ賛美が出ている状態で雷族を走らせないと何も出来ない「草タイタン邪魔過ぎて草生えた」ので、2枚減らして《谷の商人/Merchant of the Vale》を2枚入れて完成としました。
このリストを紙で組み上げ、いざ実戦の場へ。
対アミュレットタイタン戦
記念すべき1戦目、狙うは初見殺し。
土地が無くてダブルマリガンと幸先は悪いが、中々の内容でキープ出来ました。
初手新生子、2ターン目に早速雷族を投げつけてみました。
管理人と同じくスタンはご無沙汰な同僚氏、カードチェックのお時間です。
次の新生子をサクるアクションで察したようで、早速顔面にデカいのを叩き込む事に成功。
からの3ターン目、ゴブ賛美をトップ。
そのまま出して、追加で新生子2号、すぐにサクッて草タイタンをルーティング。
ドローはドスンでした
草タイタンと殴って第2メインで…。
まさかの3キルが炸裂しました、凄い確率を引いてしまったなこれw
別のゲーム、サイド後から出て来たトラッカーが除去出来ず、どんどん膨らんでいく。
どんどん膨らんでいく(白目)
生命の遺産で大量ドローするも時すでに遅し、トラッカーとは久々に対峙したけどランプ系に入ってるとヤバさが段違いでした。
別のゲームでは2ターン目に新生子から骨精霊ルーティング、発掘で2ターン目2ディスカード付きパンチから。
雷族で毎ターン2ディスカードパンチ連打で押し切る。
久々に転がしたけど、骨精霊が強すぎて「ボール弱くね?」と思い始める。
そしてサイド後のマリガンチェック、1週間遊んだ事だしそろそろボール転がしも卒業かなと思っていたら。
土地4枚、骨精霊1枚、ボール2枚。
なんか可愛いね、もっと遊んで欲しいってメッセージかな?
空白2ターンは無理だから勿論マリガンしたけど。
1マリガンで始めたけど、基本沼が足を引っ張って手札のボールが唱えられない状況になりました。
これだからトリシンは…と思っていたら、引くわ引くわで。
なんか可愛いね、もっと遊んで欲しいってメッセージかな?
そのままヴァラクートが噴火して死んだけど。
なんやかんやで、アミュタイタン戦は通算6本やって2勝4敗となりました。
対エルドラージ&タックス戦
結果から言うと無理ゲーでした、全てのゲームで土地詰まりしたとは言え6本やって全敗&取れ高無しはつらい(白目)
なんでしょう、マナカーブなぞられるだけで詰むと言うか、全く勝てる気がしなかったw
サリアは勿論病的にキツかったし、難題もスマッシャーも勿論キツ過ぎ。
そして何よりダメだったのが《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》で、呪文が1つしか唱えられなくなるので、ボール出して投げたりドローしたりが絶対に出来なくなる。
そこにサリアが立ってたら、後は分かるね?
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以上、ボール・ライトニング懐かしくて使ってみたお話でした。
通算成績は12戦2勝10敗でした(全然ダメじゃないか!)
素直に赤単にしとけば、また違ったかもしれないけど、変にコンボっぽく改悪したのが良くなかったのかも知れないねw
それなりに玉転がしは楽しめました。
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