[ニューカペナの街角] 注目のカード – 多色

皆さんごきげんよう、2022/4/29に「ニューカペナの街角」が一般販売開始と言う事でエディタの方にもデータを解禁しておりますので、是非ご利用頂けたらと思います!
さて、いつも通り牛歩で進めている注目のカードを紹介していくシリーズ、今回は多色いカードです。
友好色3つの組み合わせがテーマになっているセットなので当然ですが、ニューカペナの街角には多色カードが大量に収録されております。
そしてこれまた当然ですが、同マナコスト帯で見ると色拘束が強い呪文の方が効果が強力になるため見所が多かったです。
終わりなき迂回
バントカラーのトリシン3マナのインスタント、呪文や土地でないパーマネントや墓地のカードを対象にとり、そのオーナーはそれをライブラリのトップかボトムに置く事を選択します。
強烈な色拘束に目をつぶれば、万能さが大幅に上がった《記憶の欠落/Memory Lapse》や《霊気の疾風/Aether Gust》と言った感じのスペル。
最初は「3マナ使ってやりたいことかな?」とか思ってたのですが、バントカラーだし青白コンでワンチャンとか考えてたら、今は廃れてしまった青白ミラクルの積み込みに使えないか?と、発想が飛躍してしまった模様。
カードとは関係ない話だけど、モダンの奇跡コントロールって気が付いたら全く居なくなってたんだけど、何があったんですかね?w(情弱)
奇跡を否定する3テフェが超流行ったから廃れたとか?
神秘の聖域が禁止されたのは確かに痛かったんだろうけど、このアーキタイプ自体はエルドレインが発売される1年前からは存在してたようだし。
理由を知っている方がいたら教えてください。
ジェトミアの情婦、ジニー・フェイ
ナヤカラーのトリシン3マナ3/3の伝説のエルフ・ドルイド、何らかのトークン生成時に誘発し、その効果を置き換える能力を持ちます。
緑1マナだけは固定で、残り2マナは緑か赤、緑か白の混成マナコストが設定されているので、3色カードなのに緑単でも使えるのは面白いですねw
肝心の能力ですが、自分が何らかのトークンを生成する時、代わりに
- 2/2速攻の猫トークン。
- 3/1警戒の犬トークン。
のどちらかに効果を置き換えても良い、と言う能力を持ちます。
この置き換えには数の制限は無く、緑の注目カードで紹介した《密造酒屋の隠し財産》みたいな、簡単にトークンを量産できる体制を作ってしまえば、あっという間に盤面を犬と猫で埋め尽くす事が可能。
天国か?
何か凄く可能性を感じるんだけど、どう使ったら強いのかな。
最近見なくなったアスモ&地獄料理書とかも相性良さそうだし、何か面白デッキが作れそうな気がしたので、期待を込めてピックアップ。
蒐集家、ザンダー卿
グリクシスカラーのトリシン7マナ6/6、3つの誘発型能力を持つ伝説の吸血鬼・デーモン・貴族。
プレビューで発表された時、その凄まじい能力の数々にネット上でどよめきが起きた大型の吸血鬼。
その能力は以下の3つ。
- 場に出た時、対戦相手1人を対象とし、そのプレイヤーは手札枚数の半分(端数切捨て)をディスカードする。
- 攻撃する度、防御プレイヤーはライブラリ枚数の半分(端数切捨て)を切削する。
- 死亡した時、対戦相手1人を対象とし、そのプレイヤーの土地以外のパーマネント数の半分(端数切捨て)を生け贄に捧げる。
やべーぞ、なんかトンでもなさそうな事が書いてある!って盛り上がっていましたが、結局のところ
デカい吸血鬼が出てきたら、取り合えずM20ソリン様で投げつけるのだ。古事記にもそう書かれている。
これが答えなんですよね(知ってた)
敬虔なるソリン様のしもべ諸君なら、こう言うデッキの1つや2つ持っているだろうし。
折角なので、ザンダー卿の3つの誘発型能力を強いと思う順に並べてみた。
- 死んだ時(パーマネント削り)
- 場に出た時(手札削り)
- 攻撃した時(ライブラリ削り)
ゲーム速度の速いモダンでは、3のライブラリ削りが「実質何もしていない」のと同じだから、大して強くありません。
これはLOデッキ以外がライブラリを削っても、殆ど勝敗には影響しないためです。
なので、アドバンテージに直結している「1と2を如何に沢山誘発させるか?」が、ザンダー卿を運用する上で大事な考え方になる。
では、1と2を何度も誘発させるにはどうすれば良い?
それを簡潔に書くと「毎ターン生き返って毎ターン死ね」となる。
とんだサイコ野郎じゃないか。
実現できそうな範囲で考えるなら、嫁ヴィアで毎ターン釣って、サクリ台で毎ターン生け贄ってのが妥当な所なのかなぁ。
嫁ヴィアは「攻撃状態」でリアニしちゃうからライブラリ破壊は誘発しないけども、そこはあんま強くない能力で良かったと言うべきか。
ちなみに嫁ヴィアの時と同じく、一般販売開始から値段下がって行くタイプ(狙い通り)だったので勿論4枚買う予定ですが、全ての能力が「対戦相手」に限定されるのが惜しいなって。
対象にとるプレイヤーが対戦相手に限定されてなければ、自分のライブラリを半分吹っ飛ばしてもっと悪い事が出来ただろうに。
貴顕廊一家の魔除け
グリクシスカラーのトリシン3マナのインスタント、グリチャよろしく3つの効果から1つを選ぶので対応力が高いのが特徴です。
一つ目の効果は、ライブラリトップを5枚見て、好きなカードを1枚手札に、後は墓地に置くと言う《忌まわしい回収/Grisly Salvage》の上位互換のような効果。
3マナは重いけど、カードタイプの指定が無いのは良いですね!墓地肥やしもおいしゅうございます。
2つ目は対象を取らない3点ドレイン、マナ効率は悪いけど意外性はあるのでトドメに使えるかも知れない。(※ドレッジの「引いてしまった這い寄る恐怖」みたいなイメージ。)
3つ目はクリーチャーかプレインズウォーカーに5点のダメージ、5点も飛ぶなら除去範囲は広いので及第点です。
特に1つ目の能力は「都合よく墓地に落とすカードを4枚も決められる」ので、青執政の《探査/Delve》や、怒りの媒介者の《昂揚/Delirium》とはすこぶる相性が良いため、URラガバンに黒をタッチして、往年のグリデルみたいな構成のデッキが出て来るかもね!
コントロールやコンボが増えて来て「ハンデスが欲しいなぁ」と言うメタゲームになってくれば、十分採用圏内のカードじゃないかなと思います。
貴顕廊一家の悪魔信者
グリクシスカラーのトリシン3マナ1/4接死・速攻の吸血鬼・戦士、攻撃する度に条件付きでトークンを生成する能力を持ちます。
生成されるトークンは、死んだ時にAny Targetに1点飛ばす1/1のデビルで、タップかつ攻撃状態で生えて来る模様。
トークンの生成条件がちょっと変わっていて「あなたがデビル・トークンをコントロールしていない場合」となっている。
これは全く関係ない方法で生成した、種類すら違うデビルのトークンでも条件を満たせなくなるので、紙でやる場合は注意が必要ですね。
接死によりブロックしたくない本体、でも放置すると死ねば1点飛ばせるデビル・トークンが湧いてくる。
ここに《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment》みたいな、ダメージ系のサクリ台を添えられたら完璧ですね!
吸血鬼の新戦力として個人的に期待している1枚です。
敵対するもの、オブ・ニクシリス
ラクドスカラーのダブシン3マナ、新メカニズムの犠牲Xと奥義含む3つの忠誠度能力を持つ期待のプレインズウォーカー。
灯争大戦でアンコモンに成り下がっていたあのオブやんが、神話レアのギャングになって帰ってきました!
忠誠度能力を見る前に、まずは新メカニズムのお話から。
犠牲(n)とは呪文を唱える際に、数値n以上のパワーを持つクリーチャーを1体生け贄に捧げる事で、その呪文のコピーを作り出す能力です。
オブやんの場合は犠牲Xとなっているので、パワー0から追加コストに充てる事が出来ますね。
そしてオブやんがこれによってコピーされると、初期忠誠値がXの伝説じゃないただのオブやんが生成されるって感じ。
つまりパワーが7以上のクリーチャーを犠牲にすれば、生まれてすぐ奥義をぶっ放す伝説じゃないただのオブやんが生成されるの面白いねw
能力の方も見て行きましょう。
小プラス(+1)
各対戦相手は手札を1枚捨てない限り2点のライフルーズ、更に自分がデビルかデーモンをコントロールしていると2点ライフゲインのオマケが付く。
多人数対応のテキストになっているので、EDH民もニッコリです。
小マイナス(-2)
死んだ時にAny Targetに1点飛ばす1/1のデビル・トークンを1体生成する、先ほど出て来た悪魔信者と同じトークンですね。
-2する割には弱めに感じますが、犠牲で唱えて一気に2体出せたりするから控えめなのかな。
奥義(-7)
対象のプレイヤーはカードを7枚引いて、ライフを7点失う。
奥義まで溜めて「やっとグリセルの真似事かよ」と思うことなかれ、これはプレイヤーを対象に取れるので軽減出来ないライフ7点攻撃として使う事も可能なのです。
ゲームに勝利出来るなら相手が何枚ドローしようと関係ないし、勿論自分に使って爆アドを得ても良いし、どうみても強力な奥義と言えますね!
ゆうて相手もマグロじゃないので、初期忠誠値3から+1でコツコツ奥義まで辿り着くのは実質無理です。
つまり如何に「尊い犠牲を払って唱える」かがカギになってくる、非常の面白そうなカードだと思います。
常夜会一家の魔除け
エスパーカラーのトリシン3マナのインスタント、3つの効果から1つを選べます。
1つ目は自分の墓地にあるコスト3以下の多色のパーマネントを、タップ状態で戦場に戻す効果。
インスタントタイミングかつ、軽量でリアニ対象に制限があるので《御霊の復讐/Goryo’s Vengeance》に似ていますね!
ただこちらは制限があると言っても、条件さえ満たせば「パーマネントを戻す」と言う対象の広さが売りです。
例えば《暴力的な突発/Violent Outburst》を唱えて「続唱がスタックに乗ったタイミング」で、先に墓地から戻って来る3テフェとか想像したら変な声出るよね。
2つ目はインスタントかソーサリーに対する確定カウンター、トリシンで3マナも払ってるんだし「万能カウンターで良かったんちゃうん?」と思うけど。
3つ目はコスト3以下のクリーチャーかプレインズウォーカーを破壊、これも使えますね。
総じて便利だけど1マナ分コストが重い、いかにも魔除けサイクルって感じです。
ただ、エスパーコントロールみたいなデッキだと「リアニしたいカードが3テフェぐらいしか居ない」と言う問題があるため、カチっとハマる居場所が見つからなければ使われないんだろうなって感じですね。
苦悶の占い師、クェザ
エスパーカラーのトリシン4マナ3/4、誘発型能力を持つ伝説のセファリッド・アドバイザー。
誘発型能力は自分が1枚ドローする度に、対象の対戦相手から1点ドレイン。
つまり《永劫のこだま/Echo of Eons》とか《一日のやり直し/Day’s Undoing》の組み合わせに、《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》をそっと添えてあげる。
ここいらを上手く組み上げる事が出来れば、
- こちら、手札が7枚になる。
- お相手、手札を全てを失う。
- こちら、7点ライフゲイン。
- お相手、7点ライフロス。
これが全部同時に発生して、ゲームがバグる。
クェザ自体がちっとばかし重いですが、この辺のカードを使うようなデッキならマナぐらい出せるでしょう。
色的に3テフェも入って来るだろうし、すげえ対戦したくないデッキになるのは何となく理解した。
策謀の予見者、ラフィーン
エスパーカラーのトリシン3マナ1/4飛行・護法(1)の伝説のスフィンクス・デーモン。
軽蔑的な一撃のアートとFTがツボった例のスフィンクス、どうやらこの次元におけるエスパーカラーのボス的存在らしい。
誘発型能力は攻撃するたびに攻撃クリーチャー1体を対象に取り、攻撃している数のクリーチャー分の謀議を行うとの事。
新メカニズムの謀議とは、カードをn枚引いてn枚捨てるルーティングで、捨てたカードのうち土地でないカード1枚に付き1個の+1/+1カウンターを置くと言う能力です。
要は「大勢で殴りに行くと強いよ!」みたいな話なので、昔モダンで流行ってた白黒トークンをエスパーカラーにアップデートして、何とか二線級ぐらいに持ってこれないかなとか。
これ一枚程度じゃ無理なのかな。
リンリンを謀議で捨てて+1/+1カウンターのせて、リンリンフラバとか超エモくないですか?
最近のモダンは、そんな細いアドの稼ぎ方じゃ勝てないのは理解してるけどさ!
土建組一家の魔除け
ジャンドカラーのトリシン3マナのインスタント、勿論3つから1つをお選びください。
1つ目は対象の対戦相手は、コントロールしているクリーチャーやプレインズウォーカーの中で、最も大きいコストのものを生け贄に捧げる布告系除去。
クリーチャーとプレインズウォーカーのコストを同時に参照するので、思い通りの結果にならない事も有りそうですが、布告除去出ないと倒せないクリーチャーと言うのは往々にして存在するので、名前の通り「お守り」として持っておくと心強いです。
2つ目はライブラリトップを3枚追放して、次の自分の終了ステップまでプレイしても良いやつ。
これは相手のエンドステップにめくってマナを節約するのが基本になりますね、これで次のターンだけは実質アンリコなので強力な効果です。
3つ目は対象のプレイヤーの墓地を飛ばします、メインから入ってるとラッキーパンチがあるので、選択肢として選べるのは凄く良い。
こうやって見ると2つ目の能力が安定して強いので、後の二つは「状況によって痛烈に刺さる」って感じの凄く丸いカードな気がする。
モダン環境に「強いミッドレンジ」としてのジャンドが帰ってきたら、3マナ圏の選択肢に入ってもおかしくないと思います。
策謀の故買人
アゾリウスカラーのダブシン2マナ2/3の人間・市民、妨害にもコンボにも使える面白カード。
場に出るに際し土地でないパーマネントを選び、こいつがいる間はその選ばれたパーマネントは起動型能力が起動出来なくなる常在型能力を持ちます。
対象を取らず選びながら場に出るタイプなので、それが土地でないなら、起動型能力で除去するタイプのパーマネントを黙らせながら安全に着地が可能。
簡単に言うと、手足の生えた《真髄の針/Pithing Needle》って事です。
厳密には場に無いカードも指定できる針より抑制力は低いのですが、なんとコイツは止めてるカードの起動型能力を使う事が出来ます!
マナが必要な場合は指定色を無視出来る能力まで貰えてるので、かなりジョニー向けのカードと言えます。
例えば《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》を指定して、速攻を持つ自分のトークンを生成して、そのトークンでキキジキを指定して、速攻を持つ自分のトークンを生成して永久ループ。
そして全員タップしてるから何も出来ずに生け贄、みたいな謎の友情コンボが生まれたりするかも知れない。
伝説のクリーチャーじゃない上に2マナで気軽に出せるので、色んな事が起こりうる、めちゃくちゃ面白いカードだと思います。
染みついた耽溺
ディミーアカラーのダブシン2マナのインスタント、2枚引いて条件を満たしていなければ1枚ディスカード。
捨てなくても良くなる条件は「自分の墓地に5種類以上のマナ総量のカードがあるかどうか」となっていますが、墓地を肥やしたい序盤は捨てたいし、十分に墓地が肥えた後は手札を増やしたい、と言う要望を全て一枚でこなしてしまう凄いヤツです。
各フォーマットで暴れている《表現の反復/Expressive Iteration》を見れば分かるように、2マナの呪文でアドが取れる(可能性がある)のは強いのです。
勿論3枚見れるぶん反復のが強いのだろうけど、こっちはインスタントだからね、隙が少ないのは素晴らしい利点です。
賢明な車掌、トルーズ
エスパーカラーのトリシン3マナ3/1で、出た時、カードを捨てた時、死亡した時の3種類の誘発型能力を持つ伝説の人間・ならず者。
トルーズも混成マナを含むトリシンなので、青単や青白、青黒とかでも使えるタイプですね!
誘発型能力は以下の通り。
- 出た時に謀議する。
- 自分がカードを捨てた時、そのカードを墓地から追放する。
- 死亡した時、その追放したカードを手札に加える。
凄いじゃん、これ絶対強いでしょ!
出た時の謀議で1枚追放出来るから、コイツを「追放ではない除去」でどけるとアドを取られるのが最高にいやらしいし、土地じゃないカードを捨てれば3マナ4/2となって普通に強いと言うのも高ポイント。
しかも捨てるたびに追放する能力が誘発するみたいなので、コイツに「しゃあなしの除去」が飛んできたスタックで《サメ台風/Shark Typhoon》をサイクリングしたら宇宙が広がりそう。
具体的なデッキは見えていないけど、こう言う別の角度からアドバンテージをもたらすカードを使いこなすとカッコいいですよねw
良いなぁこれ。
虚空裂き
ラストはエスパーカラーのトリシン3マナのインスタント、対象の土地では無いパーマネントを破壊する。
テキスト1行目に書かれた魔法の言葉、
この呪文は打ち消されない。
もうこれだけである程度強いのに、効果もシンプルに「土地でない対象のパーマネントを破壊する」とあります。
これは使うまでもなく強さが分かりますね、制限が外れた《突然の衰微/Abrupt Decay》なんだもん。
一つ気になるのは、衰微みたいにカウンターを無効化する「対コントロール用カード」ってのならシックリくるんだけど、色的に「コントロール用カード」になってるのが何ともw
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以上、ニューカペナの街角「注目の多色いカード」の紹介でした!
発売されてから4日程経ちましたが、今回から「デジタル版の1週間フライング」を止めたみたいなので、まだシングル相場が落ち着いていない印象。
タイミングを見極めてお安く購入したいですね!
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