[モダン構築] ゴブリン・ムーン – 団結のドミナリア

皆さんごきげんよう、団結のドミナリアの新カードを使ってみようの第2弾はゴブリン関連です。
一応3枚候補があったのですが、4マナの<巣穴の長、ルリク・モンス/Rulik Mons, Warren Chief>(アンコモン:約10円)だけは、明らかにモダンの速度に付いてこれていなかったので使用を断念しました。
召還酔いのラグがね…4マナで出て来て「何もしない」は流石に戦犯でした。
それならアド取って、速攻で殴りかかれる<ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader>の方が遥かに強力です。
で、色々試作品をプレイしてみて「コレは中々戦えるぞ!」って手ごたえを感じたリストがこちら。
メイン (60)
モダンのゴブリンと言えばキキジキ無限コンボが鉄板ですが、コンセプト的にほぼ単色にしたかったので、あえて正統派の部族ビートに仕上げました。
戦略について
このデッキは新カードの《ランドヴェルトの大群率い/Rundvelt Hordemaster》(レア:約250円)と、昭和カードの《ゴブリンの王/Goblin King》を4枚ずつ採用した8ロード体制で、大量に搭載したゴブリンで相手をビートダウンして勝利を目指します。
中身をざっくりと見て行きましょう。
ロード担当
部族デッキは「横に並べてロード出して殴る」と言う戦法が基本になるので、なるたけ良質なロードをチョイスしたい所です。
- (1)(赤) ランドヴェルトの大群率い:今回の目玉、ゴブリンロードは今まで3マナしか居なかった(多分)ため、シングルシンボル2マナで登場したと言うだけで強そうに見える。
- (1)(赤)(赤) ゴブリンの王:ゴブリンロード激戦区の3マナ域、後述の戦法を取るためあえてこちらを選択。
大群率いは、今後「ゴブリンロードが必要なら必ず名前が挙がる」レベル(そんな状況になるかはさておき)だと思うので迷わず4枚。
ゴブリンキングは割と最後まで《ゴブリンの酋長/Goblin Chieftain》と迷っていたのですが、ゴブリンキングの持つ《山渡り》を付与する能力を活かして《血染めの月/Blood Moon》をメインから4枚採用し、下環境に溢れる強力な特殊土地を無力化しつつ、アンブロビートを仕掛けて行こうと言う結論に。
妨害があるとは言え、マーフォークは何故あんなにキルターンが短いのか?それはひとえに《島渡り》による「会話しない戦闘」が、否応なしにライフレースを短縮してくるからだし、ゴブリンも同じことすれば除去とかあんまり無くてもイケるんちゃうかな?と言う打算。
最も魚達は《島渡り》を持たせるロードが2マナ8枚体制だったり、相手に島をコントロールさせるカードも2マナ8枚体制だったりで、相当に優遇されているんだけどね。
ちなみにこのブラッドムーンとのコンボはWikiで紹介されているものの、
ゴブリンデッキが環境を席捲したことは多々あるが、トーナメントで上位になったデッキにゴブリンの王が使用されたことはあまりない。
こんな事も書かれていたので、実際にゴブリンキングを使ってみたくなったと言うのもある。
勿論月を4枚も入れると、手札に重ねて引いて腐り散らかすのが目に見えているため、今回も《激情/Fury》先生にお世話になります。
手札で余った月は勿論、相手が山を素出しするようなデッキなら迷うことなく食わせられるのがグッド。
アドバンテージ担当
アグロデッキはその性質上、カード単体で見ると「か細いクリーチャーの紙束」と言っても過言ではありません。
即ち、矢継ぎ早に展開して、相手にプレッシャーを与え続ける事が重要になってきます。
しかし矢継ぎ早に展開すると、それだけリソースを消費していく(=息切れ)ので、このデッキではアドバンテージを稼ぐカードを多めに採用しています。
- (1)(赤) 芽吹くゴブリン:新カード、キッカーコストとして(緑)を払うと、ライブラリから「基本土地タイプを持つ土地」を1枚サーチして手札に入れる事が可能。
- (赤)(赤) 人目を引く詮索者:常にライブラリトップを公開して戦い、それがゴブリンなら唱えられ、なんなら起動型能力も使える定番カード。
- (1)(赤) ランドヴェルトの大群率い:ゴブリンが死亡した時にライブラリトップを追放、それがゴブリンなら次のターン終了時まで唱える事が出来る、先ほど書いたようにロード能力まで持っているので、1枚で2枚分の働きをする凄いヤツ。
- (2)(赤) ゴブリンの女看守:定番のゴブリン専用サーチカード、1/1と言う貧弱ボディもロードが居れば立派な戦力です。
詮索者も大群率いも、ゴブリンらしいと言うか赤らしいと言うか、アドバンテージを得るのに運ゲーが絡んで来るため、なるべく大量のゴブリンをデッキに詰め込んで確率を上げる必要があります。
しかしどちらも「出た時だけ」みたいな回数制限が無いので、運が良ければ2枚3枚とアドバンテージを得られるのは強力ですね!
そして新カードの芽吹くゴブリンの能力でサーチ出来る土地は、基本土地そのものではなく基本土地タイプを持っていればOKなので条件が緩く、
ライブラリから土地が減る=トップでゴブリンが捲れる可能性が上がる
となるので、何かと相性が良いように思う。
ただ、土地自体をかなり切りつめているので2体採用に留めました。(キッカーコストが払えない可能性があるw)
その他のゴブリンについて
後はゲームの流れや色マナ的な問題で取捨選択し、最後まで残った4種類のカードを紹介します。
スカークの探鉱者
ゆうて土地17枚のリストは土地詰まりを起こしやすいため、なんらかのマナクリが欲しい所。
モダホラ2以降で強力なマナ・ゴブリンとして《下賤の教主/Ignoble Hierarch》が追加されましたが、初手で緑マナが確保できる保証もないし、最悪ブラッドムーンのせいで出せないとかもあり得るので、後述のサクリギミックと相性の良いスカークの探鉱者4枚としました。
ゴブリンの群衆追い
ゴブリンを横に並べるならコイツ、パイルドライバーこと群衆追いは、大勢のゴブリンで殴る事で打点が物凄い事になるので《山渡り》と併せて一気にライフを奪い取ってやりましょう。(プロテクション青も優秀!)
この時、同時に殴るゴブリンもロードの効果で大きくなっていれば圧が凄い事になるハズ。
パシャリク・モンス
キキジキコンボの頃から、コイツが決め手で勝つことが何度もあったのでピン挿しで採用しました。
ゴブリンはまぁよく死ぬので自由に割り振れる1点がこの上なく便利だし、マナフラ受けにもなるので非常にエライ。
モグの戦争司令官
最後に上記のカード達すべてとシナジーを形成する戦争司令官、2マナ・エコーで出た時と死んだ時に1/1のゴブリントークンを生成する。
単純なチャンプブロックから始まり、スカ炭と薬瓶を合わせれば3マナ加速、死ねばパシャリクでダメージ飛ばせる、頭数が増えるのでパイルドライバーの打点アップと、余すところなく食べられる凄いヤツ。
以上のような構成になっております。
対戦レポート
引き続き対戦日照りが続いておりますが、そこそこデータが溜まったのでレポートを残します。
対12ロードマーフォーク戦
管理人のメタゲームではお馴染みのマーフォーク、同じトライバル(部族)デッキとして負けたくない相手ですね!
意外にもこのマッチでは、かなりデッキ相性が目立つ結果となりました。
特にパイルドライバーの持つ《プロテクション(青)》が、相手からするとどうしようもなく、そのまま沈んでいくパターンが3回発生。
一番火力が出るクリーチャーに触れない事になるため、相手は唯一これを対処出来る《対抗呪文/Counterspell》を当てるために、カウンターを無視して場に出せる《霊気の薬瓶/Aether Vial》をマスカンして…みたいな、窮屈な展開を強要しているようでした。(他のカウンターが非クリーチャー呪文にしか対象に取れないタイプだった)
新カードの大群率いはやはりランダム要素だけあって、土地ばかり捲れたり、キーカードの月を追放したりとじゃじゃ馬っぷりが目に付きましたが、パイルドライバーの取り巻きの打点アップが凄く大きくて、
- 相手マスブロ→相打ちで盤面崩壊
- こちらは大群率いの死亡誘発で死んだ分だけトップを追放→手札を使わず後続を補充
みたいな流れで、相当ねちっこく盤面を維持出来るのが強かったです!
とにかく相手からすると新ロードの《ヴォーデイリアの呪詛抑え/Vodalian Hexcatcher》やピッチスペルの《否定の力/Force of Negation》が「非クリーチャー呪文限定のカウンター」であるため、殆どクリーチャー呪文しか唱えないデッキが単純に苦手って感じかな。
逆にそれらのカウンターは大抵手札に残っているため、薬瓶と月はまず通らないって認識で戦うと余計な迷いが生じずに楽でした。
なんやかんやで12ロードマーフォーク戦はBO3を3戦やって全勝、良い感じ。
対白単ヨーリオン戦
白単ヘイトベアの流れを組むヨーリオンデッキ、始めて戦うアーキタイプだけど、80枚デッキはシャッフルしにくそうでした。
マーフォークに続き、基本土地満載のデッキで月がクリティカルヒットしないけど、廃墟とか幽霊街が山に変わるので山渡り自体は有効。
そこまでヨーリオンが強い動きするなとも思わなかったし、石鍛冶から飛んでくる《カルドラの完成体/Kaldra Compleat》はメインで走り出されると詰むものの、サイド後は新カードの《羅利骨灰/Tear Asunder》で楽勝で対処出来るので、そこまで苦手な印象は受けませんでした。
それにしても羅利骨灰は強すぎるでしょ、ノーリスクでこんな呪文使えて良いのだろうかw
対エルドラージトロン戦
ラストはエルトロ、これはかなり激戦になりました。
速攻でたたむ事が出来れば良いけど、ミッドレンジ帯に入るとまず無理って感じ。
それにしてもBO3で3回もやったのに、1回も月が引けなかったのが残念です…トロンに月ってナチュラルに刺さるから有利だと思ってたんだけどw
初手薬瓶から上手く回れば4ターンで相手が沈むので、どちらもぶん回れば多少こちらが有利かなと思う。
パシャとスカ炭が絡めば、一気にダメージ計算が複雑になるので突然の死をプレゼントしてあげたり。
勿論相手も新カードでアップデートしていて、何よりヤバかったのは《カーンの酒杯/Karn’s Sylex》でした、アレはヤバい。
注目のカード紹介の時に触れましたが「自分のパーマネントは重量級でマナが沢山出るエルトロとかが使うと強そう」ってのをそのままやられましたね…。
こっち軽量だからバカスカ流されるし、他の無色リセットと違って無色パーマネントも問答無用で流してくるので相当キツかったです。
あとは定番のバリスタですかね、トロン成立後はロードから順番にバリスタにプチプチ潰され続けて詰んでしまうと言う。
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以上、団結のドミナリアの新クリーチャー(ゴブリン)2種を使ってみたデッキの紹介とレポートでした!
正直、キキジキコンボのパッケージ抜いて勝てるのか?と思いましたが、大群率いが相当強かったので「結構戦える」デッキと言う印象です。
大会で結果を残していたのはキキジキコンボに大群率いを追加してアップデートしたデッキでしたが、純ビートもそれはそれでやれるぞって感じかな。
それでは、また次のデッキで。
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