[モダン構築] 薮打ち抹消者 – 再録されると聞きまして

兄弟戦争の新カードで構築に耐えられそうなモノを物色していると、とある1枚のアンコモンカードが目に入った。
その名も《薮打ち/Bushwhack》、このカードは1マナと言う軽さで「基本土地サーチ」と「格闘」のモード選べる優れもの、土地とクリーチャーに関連した緑らしいカードだ。
このカードのテキストを額面通り捕らえると、土地サーチでマナ基盤を安定させ、そこから叩きつける強力なクリーチャー、からの格闘で道を切り開くみたいなストーリーが視えてくるではないか。
こうなってしまえばデッキの方向性は決まって来る、MTGのモダン界において「格闘したら最も強いクリーチャーは?」と言う問いに答えれば良いのだ。
そして、管理人はその問いの答えを知っている。
インパクトが凄すぎて有名なハズなのに、使われている所を見たことが無い《ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator》こそが格闘最強クリーチャーに違いない。
出しにくくてしょうがない黒のクアドラプル・シンボルは、薮打ちから沼を持ってきて安定化。
首尾よく出せれば薮打ちで格闘、相手は死ぬ。
つまり薮打ちを最も強く使える相方は、ロマンの申し子である抹消者だと言う事になる。
Q.E.D.
<薮打ち抹消者/Bushwhack Obliterator>
メイン (60)
土地
- 4x 花盛りの湿地
- 1x 森
- 4x 草むした墓
- 2x 汚染された三角州
- 4x 沼
- 1x ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
- 4x 新緑の地下墓地
- 2x 湿った墓
- 1x ゼイゴスのトライオーム
23枚
クリーチャー
- 4x 極楽鳥
- 4x 下賤の教主
- 4x 永遠の証人
- 4x 強請る大入道
- 4x ファイレクシアの抹消者
20枚
次の新セットで「抹消者が再録される」と聞いて、遥か昔に買い揃えたのに殆ど使わない塩漬け状態のままシングル価格が暴落したら悲しいから、少しでも高いうちに供養してやりたかったのが本音。
本稿は、そんな抹消者の介護奮闘記である。
戦略について
このデッキはマナ加速と万能除去で最序盤を捌き、なんとかして抹消者を出して、その圧倒的カタログスペックで相手を蹂躙する事で勝利を目指すミッドレンジデッキです。
このデッキは3ターン目に抹消者(ただし無防備)を出す事が出来るが、以下のようなルートも用意している。
理想の動きとしては、初手は黒マナが出せる《極楽鳥/Birds of Paradise》と《下賤の教主/Ignoble Hierarch》で3マナ域にジャンプ。
2ターン目は初手のフェッチランドを回収できる《永遠の証人/Eternal Witness》か、単純にサイズがデカくて格闘もこなせる《強請る大入道/Shakedown Heavy》を出す。
3ターン目には《新生化/Neoform》で、2ターン目に出したクリーチャーを抹消者にメガ進化させ、浮いた2マナで《断固たる否定/Decisive Denial》を構える、もしくはさっさと《薮打ち/Bushwhack》で《格闘/Fight》して理解らせる。
断固たる否定はインスタントなので「非クリーチャー呪文のカウンター」として構えつつも、追放除去の中でも高い採用率を誇り、そもそもカウンター出来ないクリーチャー呪文である《孤独/Solitude》に対して、非常に強力なクロスカウンターを決められる所が売りだ。
- お相手、手札を一枚追放して孤独。
- 着地して追放除去能力と想起の死亡能力がスタックに乗る。
- そのスタックでこちらは断固たる否定を唱え、抹消者と孤独を格闘させる。
- お相手の孤独は5点、こちらの抹消者は3点のダメージを受け孤独が死亡。
- 抹消者の能力が誘発し、お相手は3つパーマネントを生け贄に。
- 孤独の追放除去が解決され、こちらの抹消者が追放されて5点ゲイン。
こちらは抹消者・断固たる否定の2枚を使い、お相手は想起コスト・孤独・パーマネント3つ失うと言う、心がへし折れる2:5交換が発生する。
ブリンクされた場合は知らん。
介護について
過去にちょっと使おうとした時の経験から、介護すべきパターンを想定したサイドボードを考えてみよう。
タミヨウの保管
抹消者、なんですぐ死んでしまうん?
当然と言えば当然だが、抹消者なんてのは分かりやすすぎるマスト除去。
ド派手で除去耐性が無い、言ってみれば「巨大な的」なんだから、破壊&追放除去がここぞとばかりにビュンビュン飛んでくるため、思っている以上に死ぬ。
と言う訳で、ピン除去にも全体破壊除去にも対応しているタミヨウの保管を忍ばせておくと良さそうだ。
溜め込み屋のアウフ
このデッキは抹消者に全てを賭けているので、新カードの《石の脳/The Stone Brain》とか起動されたら、それだけでもうシラけてしまう事ウケアイ。
しかも、4マナあれば設置から起動まで出来てしまうので、普通の置物破壊カードでは防ぐ事が出来ません。
そんな時はこのカード!
置けはするけど起動は出来ない、石の脳に限らず、実はそれで十分だったりする事が結構ある。
羅利骨灰
最近久々に戦ったヘリオッドや、石鍛冶系に入っているカルドラの完成体など、破壊不能を持ったアーティファクト&エンチャントが勝負を決めて来ることがまま有るので、帰化の完全上位互換であるこの置物追放カードはかなり強力と言える。
このデッキは多色マナクリを展開するため、キッカーコストの(1)(黒)は普通に支払う事が出来るので、かなり心強い1枚となりそうだ。
新カードの《機能不全ダニ/Haywire Mite》と迷ったが、あっちはアーティファクト・クリーチャーを対象に取れなかったり、自分のアウフで巻き込みかねないので今回は丸い方をチョイス。
再利用の賢者
サイドボーディングの難しい所は、入れ替えすぎてデッキが歪んで回らなくなるところだ。
そこで白羽の矢が立ったのがコイツ、3マナで置物破壊しながらお肉が残るため、自然な感じで新生化に繋ぐことが出来る。
お手軽に新生化を封じる《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》を叩き割りながら、華麗にメガ進化を決めたりすると芸術点が高い。
実戦に持ち込んで思った事
結論から言うと、想定していた事が全部想定していた通りだった。
知ってた。
と言うヤツだ。
マナベース良しッ!!
メインのみ3戦やってみて一度も新生化ルートは通れなかったが、毎回ちゃんと抹消者が戦場に出ていた。
これはマナベースが良い感じだったと言う事になるので、素直に嬉しかった。
抹消者の格闘が強すぎた
当然だが抹消者が1度でも格闘に成功すると、相手側に致命的な被害がもたらされていた。
薮打ちと断固たる否定の8枚体制だから、どのゲームでも頻繁に格闘カードが手札に来てくれていた。
格闘、相手は死ぬ。
抹消者が居ないと何も出来ない
抹消者も新生化も引けなかった試合は、賛美バフ付けたバッパラで1点ぐらいしかやる事が無かった。
一応大入道が結構頑張ってたけど、除去されてからは格闘カードも腐るし、成す術無しと言った感じ。
抹消者に全力のデッキなんだから、それはそう。
ノーガード素出しはやっぱり駄目だった
全てを捌かれてノーハンド、抹消者をトップデッキしたのが嬉し過ぎてそのまま出したらトロフィー飛んできて詰み。
どの道相手の打点が足りていたから、ブロッカーとして出さざるを得なかったんだけど…昔の印象通り「対処が簡単」だよねって思った。
介護カードとセットで初めて本領発揮と言う面倒くささがね、やっぱり有るのかなと思う。
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以上、新カードの薮打ちと、次回再録のファイレクシアの抹消者を使ったでデッキの紹介でした!
書いてる事は無茶苦茶だけど、使うなら介護が必要でコンボも何もないフェアデッキになるから、これはこれで面白いですw
現在お相手が「昆虫部族デッキ」とか言うおもしろデッキを使っているので、奇跡的にデッキパワーのバランスが取れているが、「Tier2クラス以上のデッキと戦えるか?」と聞かれると苦笑いするしかあるまいて。
一つ言えることは、薮打ちと抹消者は次回のセットにて「スタンで共存する」事になるため、薮打ちをお持ちでない方は買っておいた方が良いと思います。
物凄く相性良いですよ!
格闘は勿論だけど、基本土地サーチがかなり良い味出してくれるんだよね。