[モダン構築] ゾンバードメント – 肉を穢してスーサイド
モダホラ2にて《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment》がモダンリーガルとなってから1年半、レガシーのデッキである「ゾンバードメントをモダンでもやれないか?」と、細々調整を続けてきました。
調整と言っても《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar》の代用品がどうしても見付ける事が出来ず、割と早い段階でモロフォンや屋根の上の嵐を持ち出した時点で負けフラグが立っていた訳ですが。
とにかく触れば触るほどクソデッキになって行くため、割と諦めてたみたいなとこがあります。
しかし去年末、アリストクラッツ系のデッキで使おうとしていた団結のドミナリアの新カードに可能性を見出し、ゾンバードメントに組み込んで調整を再開してみた所、これが奇跡的なハマり方をしてくれたおかげで、遂に「供儀台問題」に終止符を打つに至りました。
既にモダン環境でそこそこ強めのデッキ5種類と。そこそこの回数実戦を行い、そこそこ勝てている事から、これは久々に「クソデッキじゃないです」と言えるようなリストを紹介出来るんじゃなかろうかと思う。
メイン (60)
土地
- 2x 血の墓所
- 4x 秘密の中庭
- 4x 神無き祭殿
- 4x 湿地の干潟
- 1x 平地
- 2x 汚染された三角州
- 1x サヴァイのトライオーム
- 1x 無声開拓地
- 3x 沼
- 1x ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
23枚
クリーチャー
22枚
代用品のオンパレードなので本家とは随分リストが違うけど、やってる事は同じなので解釈(=アーキタイプ)は一致していると信じたい。
ファイレクシアの供儀台について
最初に触れておきたいのがファイレクシアの供儀台、これの代用品を探し回ったせいで迷走していました。
ざっくり言うとループ発生装置であり、ちょっとしたマナ加速などにも使えるキーカード。
本家のコンボでは《黄泉からの橋/Bridge from Below》が墓地にある状態で《墓所這い/Gravecrawler》を供犠台でサクると、
- 2/2のゾンビトークン1体
- 黒マナ1つ
これが生成される。
場にゾンビ(トークン)がいるから、先ほどサクった墓所這いを「供儀台から生み出した黒1マナ」で墓地から唱える、そしてまた供儀台で墓所這いをサクると言うループが成立する。
ゴブリンの砲撃が場に出ていれば、相手が動かなくなるまでゾンビを発射すれば良いし、無きゃ無いで単純にゾンビトークンを2億体ほど生成しておけば、ターンが返ってくれば殴って勝ちだし、みたいな。
必殺技の存在はそれだけで相手に対応を強制する効果があるし、何よりプレイ体験が楽しいものになる。
しかしモダン環境には、
- 起動回数が無制限
- サクリ台になる
- 任意の色マナが出せる(※これは黒マナが出れば何でも良い)
当然こんな壊れた置物は存在しないため、無理があるよねって感じで。
肉を穢すもので代用
団結のドミナリアで登場した《肉を穢すもの/Defiler of Flesh》のテキスト欄には、「ライフを2点支払う事で黒いパーマネントを唱えるコストを(黒)1つ分減らせる」と書かれている。
墓所這いは黒いパーマネント呪文であり、ゾンビをコントロールしていれば「墓地から唱えても良い」と言う常在型能力を持つので、肉を穢すものの能力で唱える事が可能。
墓所這いを墓地に送る手段が別途必要だったり、やたらとスーサイド要素が強いなど使い勝手は悪いが、ループが発生すると言う事実は大きい。
もちろん、墓所這いに限らず黒いパーマネントなら2点のライフさえ支払えば(黒)を1つ分減らせる訳だから、実質マナ加速をしているのと同義。
つまり、肉を穢すものは
2点のライフを生け贄に捧げて黒1マナを出す供儀台
と解釈する事が出来る。
やってる事は大体同じだし、そこから先は気持ちの問題。
ゴブリンの砲撃について
デッキ名を冠するカードの片割れだが、実は本家のリストでも1枚しか入っていない事が多い。
理由はシンプルに2枚目以降を引くと何もしない(=弱い)からで、このリストでも採用は2枚に抑えている。
しかしサーチ無しの2枚だと「中々引けないジレンマ」と戦う事になるので、重ねて引いても無駄にならず、似たような事が起こる代用品で水増しする事にした。
死体騎士で代用(水増し)
色々検討した結果、M20に収録された《死体騎士/Corpse Knight》を採用。
採用理由は以下の通り。
- 誘発型能力が盤面を触れない代わりに「白力線を貫通する生け贄を必要としないジェネリックゴブリンの砲撃」である。
- 墓所這いの墓地から唱える条件を満たせるゾンビ・パーマネントである。
- 並べれば並べるだけライフロスの量が増えるので重ねて引いても無駄にならない。
実際に重ね引きしまくった時は、
こんな感じで並べて、何らかのクリーチャーを出すだけで稲妻級のダメージを与える兵器と化していた。
スーサイド要素が強いデッキなので、欲を言えば誘発がドレインだったら完璧だったんだけど、ゾンビシナジーの兼ね合いで妥協。
ゆうてそこ以外は理想に近いカードだと思うので、実質手足の生えたゴブリンの砲撃と言える。
[2023/01/24追記] 読者さんより、ドレインバージョンの2マナ2/2ゾンビがアモンケットに居る事を教えてもらいました!やったぜ。
黄泉からの橋について
本家では墓地肥やしギミックを駆使して、速やかに黄泉からの橋を墓地に落とし、そこからゾンビ・トークンを量産する事で「相手が対処しきれない状況」を作り出し、ゴブリンの砲撃はガン無視で、そのまま数の暴力で殴り倒すと言うプランが取られていた。(※最初の墓地肥やしでピン挿しのゴブリンの砲撃が落ちたりする。)
トークンは無から有を作り出しているので、作れば作るほどアドバンテージとなるし、そもそもゾンバードメントはコレが無いと必殺技が完成しないので必須パーツの1つ。
戦墓の巨人で代用
このデッキにおいてループ可能なカードは墓所這いだけなので、選択肢は殆ど無く、ほぼ自動的に《戦墓の巨人/Diregraf Colossus》の採用が決定した。
ちなみに実際使ってみると、ゾンビ呪文なら何でも誘発するのでコンボとか関係なく普通に強い。
コイツ自身が墓所這いの条件を満たすゾンビ・パーマネントであり、墓所這いがループすればゾンビ・トークンが量産されて行くので、実質手足の生えた黄泉からの橋と言える。
最重要カードは実はこれだった
管理人が読んだ本家ゾンバードメントの記事の1つに「ファイレクシアの供儀台が出ていると勝率がグッとアップする」とあったのですが、このデッキでは《心なき召喚/Heartless Summoning》が出ていると勝率がグッとアップします。
クリーチャーの召還コストが(2)減る代りに、自軍のクリーチャーは全て-1/-1の修正を受けるカードなので、ゾンビデッキ定番の
などが採用出来ないと言うキツめの構築制限がかかってしまいますが、それさえ何とかなれば強力なカード。(知らんけど)
まず、肉を穢すものが(黒)(黒)になる。
これだけで凄い事だけど、戦墓の巨人は驚きの(黒)と言うぶっ壊れコストになり、生成されるトークンもタフが2あるので量産可能と言う噛み合いの良さが凄い。
また、折角(2)もコストが下がるので《アーチリッチ、アサーラック/Acererak the Archlich》も枚採、(黒)だけで出し入れ出来るので、《ダンジョン/Dungeon》を探索しつつ、戦墓の巨人でゾンビ・トークンを量産したり、死体騎士の能力でライフを削る事が出来ます。
先述の通りタフ1が採用出来ない制限がかかるが、墓所這いだけは別で、出た瞬間に死んでくれるのは「サクリ台が不要になる」と捉える事が出来る。
手札からでも墓地からでも「唱えて」おり、一応戦場には出る(=出た後の状況起因処理で死亡する)ので、アサーラックと同様のシナジーが発生する。
そして忘れてはならないのが、肉を穢すものとのシナジー。
アサーラックも墓所這いも、ライフを2点支払う事でループが可能になるだけでなく、戦墓の巨人までライフ2点で0マナ召喚が可能になるため、割とゲームが壊れます。
令和のネクロポーテンス
人は、追加ドローもサーチ手段も無いコンボデッキをクソデッキと呼ぶ。
流石にサーチは無理でしたが、ドローエンジンを搭載したゾンビで《アンデッドの占い師/Undead Augur》ってヤツがいたので採用してみた。
自分がコントロールしているゾンビが死亡すると1点ライフを失って1ドローが可能なので、このデッキでは肉を穢すもの以外が死ねばもれなく誘発する。(ゾンビ・トークンでも誘発する!)
実戦ではゴブリンの砲撃が出ている時に、コツコツ生成したトークンを投げまくって、無理やりコイツの能力を誘発させてコンボパーツを集めるシーンが何度かありました。
心なき召喚にも耐えられるタフ2であり、墓所這いの死亡ループでどんどんドロー出来る。
1ライフ=1ドロー、これはもう令和のネクロポーテンスです。
難点はループ用の黒マナですが、肉を穢すもので2ペイに置き換える事も出来る。
3ライフ=1ドロー、これはもうマゾ専用のネクロポーテンスです。
カードを1枚引くたびに稲妻を撃たれているのと同義なので、調子に乗ると速やかに死ぬ。
死に抗う1マナアクション
デッキの仕様上、殴られてもいないのにライフが減って行くので「なんとか軽減出来ないやろか?」と言う、スーサイド思考に有るまじき抜け道を探していたら、《アジャニの歓迎/Ajani’s Welcome》と目があいました。
このデッキは墓所這いを除くクリーチャーにタフ2制限があるため、スッカスカになっていた1マナアクションにジャストフィットしたのもポイント高かったです。
ライフをリソースにするスーサイド思考は黒らしくてカッコイイが、絶命RTAをやっている訳ではないからね。
お試しで入れてみた所、肉を穢すもののライフペイが2点なので、それを上回る回復量になると無限コンボが発生する事に気付きました。
特に戦墓の巨人と相性が良く、ゾンビ呪文を1度唱えると2点ゲインするので実質ノーコスト、心なき召喚も出ていれば墓所這いとアサーラックが無限ループします。
実戦で2回決まった「3ターンキル」は以下の通り。
- 土地置いてアジャニの歓迎。
- 土地置いて心なき召喚。
- 土地置いて肉を穢すもの、戦墓の巨人、2ペイして墓所這い無限ループ。
これはコンボパーツがほぼ揃っていて、真っすぐ行ったらそのまま決まったパターンだが、1ターン目と2ターン目に明確な隙があるのが怖い。
- 土地置いて墓所這い。
- 土地置いて心なき召喚。
- 土地置いて肉を穢すもの、アジャニの歓迎、2ペイして戦墓の巨人、2ペイして墓所這い無限ループ。
心なき召喚が手札に2枚あったので囮に使い、アジャニの歓迎をあえて初手に出さずにズラしたパターン。
結局置物割りが飛んでこなかったので、土地から(黒)(黒)(白)をひねって、戦墓の巨人は肉を穢すものの能力で0マナ召喚と言う形になった。
3ターンキルは中々お目にかかれないからね、気持ちいいです。
—
以上、モダン版のゾンバードメントの紹介でした!
年始から今日まで16戦?ぐらい回す事が出来たので、弱点やら欠点やらが見えてきましたが、色んなデッキ相手にそこそこ戦えて、ちゃんと勝てるデッキが作れて大満足です。
今振り返ってみたら「心なき召喚デッキやな」と思うけどね、あれが引けない試合は高確率で落としてた気がするw
あとはライフの減り方が悲しい事になるので、デスシャドウとかワンチャンあるのかもしれない。
パイオニアかなんかのコンボのせいで急激に高騰したアサーラックを除けば、当サイトのデッキらしく比較的安価に組めるので、お試し頂ければ幸いです。
アサーラックで勝てた事ないし、無くても殆ど困らんと思う。
とにかく回してて楽しいので、試す価値はあると思います!
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コメント一覧
とても面白そうなデッキなので初コメントさせて頂きます。
死体騎士をアモンケットのむら気な召使いに変えるとドレインとなって楽しそうに見えますね
GOGさん>初めまして、コメントありがとうございます!
そしてドレインゾンビの情報ありがとうございます、ガチの見落とし案件でした…w
こんなヤツが居たんですね、2マナ域だとズラポ人間と吸血鬼2種類しか居ないと思い込んでました。
と言うかこやつを入れたら、無限コンボ揃ってなくても色々連打出来るようになって捗りまくるのでは?と思います。
次のデッキを作ってる最中ですが、これは試さざるを得ませんね…早速購入したいと思いますw