[ファイレクシア:完全なる統一] 注目のカード – 青

「ファイレクシア:完全なる統一」の注目している新カードの紹介、今回は青です。

この新エキスパンションとコマンダーのデータを作っていて気付いたのですが、今回の新セットではテーマ的に青はそこまで優遇されていないのかな?と感じました、統率者セットも青だけ無いし。(※特殊枠で3種類ぐらいしかないっぽい。)

 


軽微なつまづき

1マナインスタント、マナ総量が1以下の呪文を対象にとりを打ち消す軽量カウンター。

新セットの青いカードの中では、これが一番インパクトあったんじゃないかと思う1枚。

このカードは泣く子も黙る《精神的つまづき/Mental Misstep》のリメイクで、Φマナが普通の青マナに変更された代わりに、マナ総量が1以下(=0も含まれる)の呪文が対象に取れるように範囲が拡張されている。

リメイク元は「マナを使わずに1マナ限定の確定カウンターが使える」とあって、どんなデッキでも余裕で採用するレベルの壊れカードです。

そんなカードがあれば当然「精神的つまづきを打ち消すために精神的つまづきを入れる」と言うのがデフォルトになり明確にデッキ構築が不健全な状態になるため、モダン環境では制定時から禁止でスタートとなっていました。

今回コストが(青)となり、実質コストが0か1の呪文への確定カウンターとなった事で、環境にもたらすインパクトは如何ほどのものだろうか、モダン環境を前提として少し考察してみよう。

 

呪文嵌めと比べる

まず現モダン環境で最も軽微なつまづきに似ているカードとなると、この《呪文嵌め/Spell Snare》が該当すると思う。

青1マナで「マナ総量が2の呪文」を確定カウンター。

少なくともモダン環境の2マナ域にはイカれたカードが雁首揃えて待ち構えているため、後攻でそれを1マナで打ち消すと言うサイドプランを狙って、管理人はよく採用しています。

想像してみてください、相手先攻2ターン目のサリアや石鍛冶、(X=1)(X=1)で唱えるチャリスみたいな「マウント取るやで~^^」ってカードを1マナで確定カウンターする事により、脳汁を分泌する副次作用が得られます。

1マナで2マナの呪文と1:1交換してる時点でテンポアドが取れてるし、刺されば文句無しで強い、故に現役って感じ。

じゃあ「マナ総量が1か0の呪文」を確定カウンター出来ると、何がどう強いかを考えてみよう。

前提としてマナ総量が1か0の呪文で強力なカードは、エターナル環境には及ばないものの、モダン環境にも沢山存在しています。

ラガバン、アミュレット、薬瓶、マナクリ、初手エムリー狙いのアンバー、シガルダの助け&ハンマーなどを始めとし、特殊な所だと続唱でめくる「コストを持たない待機呪文」も人が死んでしまうレベルで強力。

しかし打ち消せる呪文のマナ総量が1か0に限定される時点で、相手が先攻の場合は通してしまう事になるし、続く2ターン目に2マナの呪文を唱えられたら「裏目」となってしまう。

逆にリメイク元と違って、軽微なつまづきは0マナ呪文も対象に取れるため、こちらが先攻の場合は相手の初手アクションが呪文ならほぼ確実に捉える事が出来るので強力だと言える。

と言う訳で最序盤の差し合いにおいては、

  • 先攻ならほぼ確実に相手の初手呪文に干渉出来るため、非常に強い。
  • 後攻なら確実に相手の初手を通し、2ターン目に2マナの呪文を唱えられると裏目になるため、あんまり強く無い。

こんなイメージになるんじゃないかな。

 

では少しゲームを進めて中盤戦の攻防、すなわち「捌き合い(デッキによってはゴリ押し)」の段階になると、1or0マナのアクションは何が多いだろうか?

あくまで管理人の実戦経験によるものだが、「軽量除去」「追加のクロック」が最も多く、少し開いて「出し遅れた置物」を取り合えずで出すと言うパターンを良く見るように思う。(※そういや最近軽量のドローソースってあんまり見かけないね。)

元々軽量の除去は採用率が高いカードですが、ラガバンのせいで現モダン環境は「1マナ除去を入れていない方が悪い」と言われる世界線に在るため、多くのデッキに1マナ除去が採用されていると言う背景もあるのでしょう。

それでもなお、初手はフェッチからトライオームのタップイン処理に使って、呪文は2~3マナ域からってデッキにはマジで何もしないカードになると言う事態も十分あり得る。

そもそも「1マナ以下より2マナ以上のカードの方が脅威度が高い」訳なんだから、余程1or0マナ域に脅威が集中しているメタゲームでもない限りメインに採用する気にはならないかなと。

以上の考察をまとめると、

相手が1マナ以下の重要な呪文を唱えて来る、かつ負けて先攻の時のサイドボードで入れると強い。

結局、呪文嵌めと同じくサイドボードなら有力候補って感じに落ち着きそうです。

 


気まぐれな呪文踊り

シングルシンボル2マナ2/1でアンブロのファイレクシアン・ならず者、ノンクリーチャー呪文を唱えると油カウンターを1個置く誘発型能力と、戦闘ダメージを通すたびに油カウンターを2個取り除く事で、ターン終了時まで次に唱えるインスタントかソーサリーをコピーする誘発型能力を持つ。

アンブロかつ軽量インスタント&ソーサリーを多用する、青絡みのクロパに持って来いな1枚、管理人の目には非常に強そうに映っています。

パーミッションまで行かなくても、相手のテンポを崩しながら《執着的探訪/Curious Obsession》《好奇心/Curiosity》で手札を補充しながら戦う「青単テンポ」みたいなデッキだと、余裕でエース級だと思う。

欲しい。

初動は?

あぁ1,200円もするじゃん…そりゃそうか。

上手くやれば戦闘後の第2メインで、工作員(=クリーチャー呪文)からめくった衝撃の足音(=ソーサリー)を2倍!みたいなクソコンボが産まれそうな予感もあって、かなり面白そうなカードだと思います。

 


共同魂の刃

シングル3マナのアーティファクト・装備品、新キーワードの《ミラディンのために!》を持ち、装備した時に他のクリーチャーをコントロールしていれば対象にとり、それのコピーになる事を選んでも良い誘発型能力を持つ。

まず新キーワードの《ミラディンのために!》は、かの有名な《殴打頭蓋/Batterskull》《カルドラの完成体/Kaldra Compleat》に搭載されていて強さが実証されている、新ファイレクシア陣営のメカニズムである《生体武器/Living Weapon》のミラディン陣営バージョンです。

特徴はなんと言っても、装備を剥がすと絶命する0/0の細菌トークンが、ミラディン版はなんと2/2と言う熊サイズのトークンが生成されるところにある。

装備を剥がしても普通に戦力になるし、レベルのサブタイプを持つため、何らかの部族シナジーを活かしたデッキが登場するかも知れないし、勿論石鍛冶で引っ張って来る事も出来るので、意外な使われ方が発見されるかも等々、色んな意味で期待しているメカニズムです。

ただし生成されるトークンが強力な反面、一線級の生体武器と比べると「装備自体はそこまで強くない」と言うトレードオフがある模様。

 


胆液月の篭手

シングルシンボル3マナのアーティファクト、自分のコントロールする全てのプレインズウォーカーは「0:増殖を行う」「-12:追加の1ターンを得る」の忠誠度能力を得る常在型能力と、ノンクリーチャー呪文を唱えるたびにパーマネント1つを対象にとり、それに乗っているカウンター1種類を1つだけ増やす事が出来る誘発型能力を持つ。

神話レアだし初動の相場見ても「そこそこ注目されている」事は分かっているけど、管理人的には《流束の媒介者/Flux Channeler》が8枚体制になった事について触れておきたいと思う。

過去記事を漁ってみたら日付が4年近く前でビビったけど、

灯争大戦に見る新アーキタイプ – 増殖ストーム

これね。

胆液月の篭手の誘発型能力はパーマネントしか触れないので、過去記事のような毒殺プランは出来ないものの、パーマネント限定でも増殖がそのまま勝ちにつながるようなら8枚体制は大いに意味がある。

これは是非試してみたいけど…先ほど書いたように初動の段階ではそこそこ高いんだよね。

神話レアだしそれなりに使われるだろうから、しばらくはお預けかな。

 


浸食するマイコシンス

シングルシンボル4マナのアーティファクト、自分の土地以外のパーマネント及びパーマネント呪文が全てアーティファクトになる常在型能力を持つ。

灯争カーンと組んでモダンをクソゲー化した結果、すぐに禁止された《マイコシンスの格子/Mycosynth Lattice》のリメイク版。

これはクソゲー化の一番の問題であった土地のアーティファクト化が除外されており、影響範囲も自分のみに縮小されている。

ただ、パーマネントではない呪文もアーティファクト化しなくなったため、アーティファクト呪文を唱えた時に誘発する能力とはシナジーを持たないのが残念。

もちろんアーティファクトの数を参照したり、アーティファクトが場に出た時に誘発する能力とはシナジーを持つので、非アーティファクトなパーマネントから親和カードが飛び出す「ネオ・親和デッキ」みたいなのが作れないかと期待しています。

 


完成化した精神、ジェイス

(2)(青)(Φ/青)のプレインズウォーカー・ジェイス、普通に出すと4マナ初期忠誠度5とかなり高めで、完成化で出すと3マナ初期忠誠度3となる。

いや、そんな事よりお前も完成すんのかいって言う。

ともあれ、それなりに強いと思ったので能力を見て行きましょう。

小プラス(+1)

次の自分のターンまで、対象のクリーチャーに-3/0の修正を与える時間稼ぎ能力。

神童ジェイスをひっくり返して墓地の呪文を再利用したあと、やる事が無くて起動するアレの強化版です。

使ってみたら分かるけど、実は時間稼ぎとしては結構優秀だったりする。

小マイナス(-2)

プレイヤー1人を対象に取って切削3、その後どれか1つの墓地にカードが20枚以上有るなら3ドロー、無いなら1ドロー。

条件的に「ライブラリアウト系」「セルフミル系」のデッキでないとショボい能力になるデザインなので、どちらかを選ばないといけない模様。

管理人はどちらも嗜むんだけど、ライブラリアウトってネット上で情報を見ている限りでは異常な嫌われ方している割りに大して強くないと思うんだよね。

メタゲームの問題かも知れないけど、削り切る前に轢き殺される事の方が多いし。

《ターシャズ・ヒディアス・ラフター/Tasha’s Hideous Laughter》で多少マシになったとは言え、昂揚の達成や探査のタネを、こっちがマナとカードを使って高速でお膳立てしてあげてるようなもんだから、手の込んだ自殺みたいなゲーム展開もしばしば有る。

もっと言えば、リビエンとかリアニとかドレッジみたいなデッキはどうしたら良いんですか?みたいな「絶望的相性問題」は、もはや解決しないんじゃね?って。

だから管理人は自ら墓地を利用する「セルフミル系のデッキ」で使用する事を推奨したい。

具体的にはカニヴァインで使う事を推奨したい。

自分の墓地が肥える事で有利になるデッキなら、少なくともメインは3ドローを狙いやすくなるハズです!

Xマイナス(-X)

対象のプレイヤーはXの3倍の切削を行うだけなので、どう考えても小マイナスを連発した方が強い。

そんな貴重な忠誠度を使ってまで起動するかどうか、疑問を覚えるショボい能力だと思います。(※X=5とかで起動しても切削15するだけ。)

しかしカニヴァインなら、

  • 小マイナス:セルフミルは手札が重要だから今はドローしたいぜ!
  • Xマイナス:今はヴァインや這い寄る恐怖をガンガン墓地に落としたいぜ!

と言う選択肢が生まれて良さそうに見える。

なんかいつの間にかカニヴァインの考察になってしまっている気がするが、セルフミル系のデッキで引きたいカードが有る場合「4積み必須」と言う構造的な問題を解決するには財力しかない事を明記しておく。

 


青の太陽の黄昏

ダブルシンボル2マナと(X)のソーサリー、マナ総量がX以下のクリーチャーのコントロールを得て、Xが5以上ならそのクリチャーのコピートークンが1体オマケで付いてくる。

さて、青の黄昏サイクルはコントロール奪取系。

正直な所、これ系は元々コストが重めに設定されているか、軽い代わりに軽いクリーチャーしか対象に取れないように調整されている。

なので、唱えるコスト以上のマナ総量を持つクリーチャーを奪うのが「お得」と言うのが通説です。

そうなるとXの他に(青)(青)を要求されるため、X≧5でオマケを貰わないとコスパが悪いと言う事になるし、そうなると支払うマナは7マナ以上と言う事になる。

残念ながら7マナも使えるなら、他にもっとやれる事があるのでは?と思ってしまいました。

 

以上「ファイレクシア:完全なる統一」の注目している青い新カードの紹介でした。

そう言えば完成化ジェイスが出たので言及しておくけど、これ作品としてどうしたいんだろうね。

あまりにも大量の有名プレインズウォーカーが完成化してるので、普通に引いてます。

肉体を物理的に機械に改造されちゃってるから、浄化とか出来たとしても二度と人間の肉体には戻れない訳でしょ?

サルカンみたいに運命再編しちゃう?

NTR系は物凄く苦手なんですよ、脳が破壊されてしまうので。

 


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雑談

Posted by theuri