[モダン構築] ホロウ・エンド – 指輪物語の土地サイクリングが強い!

2023年6月20日

全国の…いや、全世界のホロウ・ワン愛好家の皆様、新セット「指輪物語:中つ国の伝承」で新カードを得た事で、我らが《虚ろな者/Hollow One》が再びモダン環境にその名を連ねる時が来ました。

指輪物語にて手に入れた新カード、それは良質な土地サイクリングを持つクリーチャーです。

それを何とかして「再びホロウ・ワンに光が当たった!」と思い込む事により、新たな可能性を見出す事に成功したのが以下のリスト。

<ホロウ・エンド/Hollow End>

赤単ホロウ・ワンデッキ(ホロウ・ブリーチ)をベースに、新しい土地サイクリングとリビングエンドを組み込んだ事で、上手く短所を補い合う構成になったんじゃないかと思っています。

続唱を採用しないので「3ターン目リビエン安定」みたいな事は出来ませんが、こちらはこちらで「2ターン目リビエン」と言うブン回りがあるので、クソデッキ度では勝っていると言えますね!

それでは早速中身を見てきましょう。

 


戦略について

このデッキは、土地サイクリングでマナを伸ばしつつ《虚ろな者/Hollow One》を展開し、墓地が肥えてきたら《死せる生/Living End》で盤面をひっくり返して勝利を目指します。

ランダム要素と引き換えに一気にホロウ・ワンを踏み倒せるカードを《燃え立つ調査/Burning Inquiry》1種類に抑え、普通にサイクリングしてホロウ・ワンのコストを減少させるムーブを取ります。

一見「足が遅くなる戦略」ですが、指輪物語の新カードである《オリファント/Oliphaunt》と《カザド=ドゥームのトロール/Troll of Khazad-dûm》は、物凄く使いやすい土地サイクリングに破格のお肉がついてくるため、土地を伸ばしてハードキャスト(=素出し)を視野に入れつつ、リビエンの破壊力を大幅に上げると言う、強烈極まりないシナジーを形成します。

リビエンを使うものの、構造上《続唱/Cascade》を採用出来ないため、手札からXコスト以下の呪文を踏み倒せる《雷電支配/Electrodominance》を経由する、いわゆる「2枚コンボ」で運用します。

これを補助するのが《待機/Suspend》持ちのチューターである《不敬な教示者/Profane Tutor》で、足りていない方をサーチしてくる形になります。

雷電支配はこう見えてインスタント呪文なので隙が少なく、このチューター自体も待機を経由せずに踏み倒せるので、相手の隙をついて上手くパーツを集めて行きましょう。

 


お互いを補完し合うパッケージ

このデッキは、大きく分けて3つのパッケージとサブパッケージで構成されており、それぞれがお互いの欠点を補完し合う形になっています。

 

ホロウ・ワンパッケージ

  • 虚ろな者
  • 炎刃の達人
  • 燃え立つ調査
  • 死の国からの脱出

このデッキのメインとも言える主力パッケージ、早いターンに着地を狙う事が出来て、その過程で墓地に溜まったクリーチャーはそのままリビエンで戻す事が出来る。(=リビエンの溜めターンを有効利用出来る)

ホロウ・ワンデッキ自体、基本的に墓地を使わずに火力が出せるため、メインから墓地対策されても割と大丈夫なのが強み。

燃え立つ調査はランダム要素が大きい代わりに、相手も巻き込んで手札をぐちゃぐちゃにしたり、上手く行けば「初手ホロウ・ワン投下!」とか出来るので強いと思う。

また、墓地対策されていないなら《死の国からの脱出/Underworld Breach》を使い、赤単ホロウ・ワンの必殺技である「赤マナの続く限り燃え立つ調査を連打して炎刃の達人のパワーをバグらせる」と言う予想外の一撃を狙うも良し。(※燃え立つ調査を唱えると墓地が3枚増えるので脱出を連打出来る。)

勿論3枚以上捨てた状態で脱出コストが支払えるなら、墓地に落ちているホロウ・ワンを唱える事も出来ます。

 

土地サイクリングパッケージ

  • オリファント
  • カザド=ドゥームのトロール

指輪物語の新カード、不特定マナ1で対応する土地タイプを持つカードをサーチ出来るため、これはもう「実質土地としてカウント出来るのでは?」と思い、かなりピーキーなマナベースに仕上げました。

土地15枚+土地サイクリング8枚=23枚

確定で土地を伸ばしながらもサイクリングを行っているので、ホロウ・ワンパッケージのサポートになり、強烈なお肉が墓地に溜まる事でリビエンの下準備にもなり、伸びたマナからはホロウ・ワンや各種サイクリング持ちのクリーチャー(=全部コストが重い)を素出しするミッドレンジプランを目指す事が出来る。(※実際に回していると、土地15枚とは思えないレベルでマナが伸びて行きます。)

まぁ色々書きましたがお肉部分が強すぎるので、マナを伸ばして素出しまで行ければ、墓地対の上から殴り倒せると思います。

 

リビングエンドパッケージ

  • 死せる生
  • 雷電支配

死せる生(=リビエン)は説明不要のインチキカード、戦場と墓地のクリーチャーをそっくり入れ替えます。

勿論待機なんか経由せずに雷電支配X=0から踏み倒すので、主流の続唱型よりも軽い2マナ(かつインスタント)でぶっ放す事が出来ます。

仕込みはサイクリング頼りで本家と同じく墓地対策に弱いが、ホロウ・ワンパッケージを主軸に戦う事で「死せる生はラスゴ」「雷電支配はX点火力」として運用出来る事も視野に入れておきましょう。(※構造上マナが伸びやすいため、X点火力としての威力は侮れない。)

 

サブパッケージ

  • 通りの悪霊
  • 砂漠セロドン
  • 不敬な教示
  • 激情

残りはシナジーやサポートを重視したカード達、それぞれの思惑は以下の通り。

通りの悪霊と砂漠セロドン、いわゆる「普通のサイクリング」が出来るカード。(※土地サイクリングだけではデッキが上手く回らなかった。)

不敬な教示者、基本はコンボパーツをサーチするようだけど、待機中に欲しいカードを引いても「じゃあ土地1枚貰っておこうかな」とか、柔軟に対応出来るのが地味に強い。

あまりやらなそうだけど雷電支配X=0で踏み倒せるので、選択肢の一つとして覚えておく事。

そして最後に激情、相手が最序盤に出してくる小粒どもを一撃の元に薙ぎ払う、ただただ強いカード。

薙ぎ払ってもリビエンで戻って来るやん!

と思われるかも知れませんが、その時は激情も一緒に戻って来るので再び薙ぎ払うだけの話です。

そして実はコイツ、新カードのオリファントと強烈なシナジーを発見しまして。

盤面にオリファントと激情が並んで攻撃すると、オリファントの誘発型能力で激情が

5/3二段攻撃・トランプル

とか言う化け物に変貌を遂げます、これ完全にヤッてるよね。

 


いざ実戦!(対4C人間)

初手、山から新トロールの沼サイクリングで赤黒ショックランドを確保。

2ターン目、ショックインからのエスパーの歩哨の嫌がらせを支払いつつ、燃え立つ調査。

お互いの手札を並べて3枚選ぶ作業、通称マジック・ザ・ギャザリング2.0からのホロウ・ワン投下。

もう本当にね、指輪物語のプレビューでオリファントを見た瞬間から、この時が来るのを楽しみにしていたのです。

モダホラ2に染まった現モダン環境に、再びホロウ・ワンが降り立つこの時を!

感動に浸りながらも、新トロールの沼サイクリングから更にショックランドを調達し、適当にホロウ・ワンでライフを4点詰めて3ターン目が終了。

 

お相手4ターン目、エスパーの歩哨おかわり→サリアと動いたエンド時に、雷電支配X=0+サリア課税。

エスパーの歩哨に2ドローされるもそんなの関係ねえ、3マナでインスタントのリビエンをぶっ放してクソ盤面の出来上がりです。

燃え立つ調査で落ちていた反射魔導士も帰って来て、新トロールが1体バウンスされましたが1体残れば十分です。

だってこいつ「3体以上にしかブロックされない」とか書いてるからね、控えめに言って強いです。

次のターン、序盤は役に立たないブリーチを追放して激情でブロッカーを排除して12点パンチ、生存ルート無しでお相手投了。

 

初陣はリビエンの溜めに使われる1~2ターン目にホロウ・ワンを投下して、相手がちょろっと程度展開したタイミングでリビングエンドと言う、完璧すぎる流れで瞬殺する事が出来ました。

2本目は通常サイクリングが上手く繋がらずに人間特有の暴力に屈しましたが、墓地対されつつも5マナ出る所まで粘る事が出来ていました。

やはりホロウ・ワンパッケージと土地サイクリングが、墓地対に強いと言う事にしておきましょう!

 

以上、指輪物語の新カードを使ったホロウ・ワン&リビングエンドの「ハイブリッドデッキ」の紹介でした。

まだ2戦しかしていないので何ともですが、やはりホロウ・ワンと新カードの土地サイクリング、そしてリビエンの混合物にはかなり希望の光が見えると言って良いのではないでしょうか。

 

サムワイズ・ギャムジーも早く遊びたい感ありますが、このホロウ・エンドは久しぶりにガチ寄りなデッキになるポテンシャルを秘めていると思いましたので、しばらくはメインデッキとして回して行きます。

墓地対に耐性がある分、純粋なリビエンより丸いと思うので「2軸構成のデッキ」が好きな方はぜひ試してみてください!

そして何か気づいたことが有れば、Twitterの方で教えてくれると嬉しいです。

皆もモダン環境の絶滅危惧種、ホロウ・ワンを使おう(布教)

 


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Posted by theuri