[モダン構築] サム・ラリー – 無限コンボ極振り構成

2023年12月13日

新セット「指輪物語」のプレビューでお披露目されて、即話題になった即死コンボと言えば《サムワイズ・ギャムジー/Samwise Gamgee》《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》+サクリ台による「無限ドレイン」でした。

早速アスモ・フードとのハイブリッド型などが試されていて、そんな試験的デッキが動いているのを見ながら、長所と短所を考察しているだけで楽しい今日この頃。

 

もちろん管理人もサムデッキの構築に夢中なのですが、今や「1マナの回答(=除去)を持っていない方が悪い」とまで言われるモダン環境で、除去耐性無しのタフネス1~2のクリーチャーが「生きてターンを跨げるとでも?」って思うんです。

誰のせいとは言いませんが、最序盤に発生する差し合いに巻き込まれるのが目に見えてる。

とにかく真っすぐ目指す(=パーツを分割して出す)事にリスクがあるなら、

まとめて出せば低リスクに違いない

と言う理屈で完成したのこちらのリスト。

<サム・ラリー/Samwise Rally>

折角の無限コンボなので、やっぱり極振りして殺意が高い方が楽しいかなって。

 


戦略について

このデッキはサムワイズ・ギャムジーと大釜の使い魔、そしてサクリ台の《臓物の予見者/Viscera Seer》が場に揃ったら成立する「無限ドレイン」で勝利を目指します。

サクリ台は《屍肉喰らい/Carrion Feeder》も良きですが、どうせ決まれば相手は即死するので、コンボデッキらしくライブラリ操作が出来る方を選びました。(延命のためのチャンプブロックも出来るし)

しかし、コンボパーツとなるクリーチャー3種類はどれも貧弱で戦闘能力も皆無、オマケに

3枚コンボは揃わない

と言う「森羅万象の理」を乗り越えないと、このコンボは成就しません。

普通にやると並べて行くだけで3アクションもかかるので、除去にハンデスにカウンターなどの「あらゆる軽量妨害が刺さってしまう」のが構造上の欠点と言えます。

また、モダン環境と言えば《レンと六番/Wrenn and Six》の存在もまた、成功率を下げる大きな要因となるでしょう。

てな訳で、

墓地から全部一気に釣り上げる

と言うアプローチを取って、この問題を解決しようと思います。

貧弱とは言え、コンボパーツが全てクリーチャーでコストが軽い事を活かすなら、ラリーこと《先祖の結集/Rally the Ancestors》は良い選択肢ではなかろうか。

《ウィザーブルームの命令/Witherbloom Command》で墓地を肥やしながら土地回収(+軽めの妨害)、《研究室荒らし/Ransack the Lab》でラリーを探しつつ墓地肥やし、どうせ釣るんだから「除去やカウンターを吐かせるぞ!」ぐらいの気概で、引いちゃったパーツも強打強打。

サムが生還していれば(X=1)(白)(白)の3マナ、サムも釣りたいならX=2の4マナで、

全部揃いましたが何か有りますか?(ニチャァ)

煽る質問する作戦です。

ラリーはリアニ系にしては珍しくインスタントなので相手のターンでもコンボを開始できる、つまり《否定の力/Force of Negation》を使ってくるようなデッキ(Tier上位の続唱サイとか)の隙を突けるのも評価高いですね。

 


コンボについて

非常にシンプルなコンボですが一応条件と手順、複数有るルートも書いておきます。(ルートは覚えておかないとですね)

 

無限ドレインの条件

  • 食物トークンを1つ以上コントロールしている。
  • サムと猫と予見者が場に出ている。

予め食物トークンが出ているなら順不同、食物トークンが無いならサムを先に出してから、他の2体を出して食物トークンを生成する事。

 

無限ドレインの手順

  1. 猫を予見者でサクって墓地に落とす。
  2. 食物トークンをサクって、墓地から猫を釣って来る。
  3. 猫が出た事で1点ドレインと、サムの食物トークン生成が誘発。(手順1に戻る)

以上、揃っちゃえばOK。

 

無限ドレインへのルート

  • 普通にパーツであるクリーチャー3種類を唱えて揃える。
  • 場と墓地を合わせて3種類揃う時にラリーで釣り上げて揃える。
  • 破滅の終焉でライブラリor墓地から出して揃える。

アスモのハイブリッド型を試している時に、ライブラリからだけじゃくて墓地からも低コストで釣れる《破滅の終焉/Finale of Devastation》が、凄く良い感触だったので抜かずに採用しました。

 


サクリ台による緊急回避について

デッキの構成上、墓地からは釣れるけど追放領域はどうやっても触れないので、追放除去を使ってきそうな相手には、予見者と《魔女のかまど/Witch’s Oven》の起動タイミングに注意すること。

とにかくコンボを決めたいデッキなので、パーツの追放は可能な限り避けたい所です。

特に狙われるタイミングは、コンボ開始時に猫の生け贄スタックで「サムorサクリ台を除去したい」だと思われます。

それが破壊除去なら良いですが、《孤独/Solitude》《力線の束縛/Leyline Binding》のような追放除去の場合は潔くコンボを諦め、スタックで対象を生け贄に捧げる事でフィズらせましょう。

パーツが1枚落ちたぐらいなら、ラリーは勿論、破滅の終焉でもリカバリーが可能です。

 


サイドボードについて

ここからは自分の主戦場のメタゲームに依存してきますが、例として「カウンターやハンデスが多い」場合と「墓地対策が厚い」場合、「サージカル系が厚い」場合を考察してみます。

 

カウンターやハンデスが多い

ここはド定番の「ほ゛くのかんか゛えたさいきょうのカート゛」である《夏の帳/Veil of Summer》でどうにでもなりそう。

カウンターはアレだけど、ハンデスに対してはラリーや破滅の終焉が手札に無いなら、そのまま解決しちゃっても良いかなって思います。

 

墓地対策が厚い環境

まず分かりやすく抜けるのが、完全墓地依存のラリーと、ウィザコマもかなり使いづらい(他のモードが噛み合うなら抜かなくても良い)のでアウト。

インするのは一手増えるものの墓地を介さない《エラダムリーの呼び声/Eladamri’s Call》と、なんだかんだ出て来たら相手が困りそうな《包囲サイ/Siege Rhino》とかどうですかね。

  • 4x 先祖の結集 OUT→
  • 4x ウィザーブルームの命令 OUT→
  • 4x エラダムリーの呼び声 ←IN
  • 4x 包囲サイ ←IN

研究室荒らしは掘れる枚数が多いので、残した方が良いと思います。

なお、管理人は包囲サイを使った事がない(=初めて採用する)から、どれぐらい強いかは知らないんですけどね。

 

サージカル系が厚い

現モダン環境では基本的に墓地対策の方が厚くて《外科的摘出/Surgical Extraction》みたいなカードは全然見かけないのですが、コンボ殺しの《石の脳/The Stone Brain》はたまに見かけます。

このデッキは3種類のパーツのうち、1種類でも抜かれたらコンボルートが途絶えてしまうので、割と致命傷です。

他にもLOデッキ等のディミーアカラー勢が、独創力への回答として《漂流自我/Unmoored Ego》を使ったりなんかするみたいですが、石の脳以外は大体なつとば(間に合えば)でワンチャンなので、

  • 3x 金のガチョウ OUT→
  • 1x 機能不全ダニ OUT→
  • 4x 夏の帳 ←IN

こんな感じですかね。

石の脳はなぁ…なんで無色に渡したん?って凄い思うよね、トロンが出してすぐに起動してくるのしんどいです。

なお、コレ系のぶっこ抜きは戦場に出ていれば回避出来るため、相手の指定カードが墓地にある時なら、スタックでラリー撃てば一応避ける事が出来ます。

その辺理解されて「墓地に無いパーツを指定」されたり「サクリ台が無くて次のアップキープに追放」されたら終了なんですけど。

 


サムの物語/Sam’s Saga

サムの起動型能力で《歴史的/Historic》なカードを回収出来るから、使用後の《ウルザの物語/Urza’s Saga》を戻せるね!みたいな話も話題になったのですが、食物シナジーとしてウルサガが強いのは既に証明済みです。

なんかラリーで複数のサムごとクリーチャーを釣ったら、サムの能力がいっぱい誘発するんですよ。

例えば、

  • サムA
  • サムB
  • 予見者
  • ガチョウ

みたいな釣れ方をすると、

  1. サムAの能力が3回誘発。
  2. サムBの能力が3回誘発。
  3. ガチョウの能力が1回誘発。
  4. スタックに乗った誘発型能力の解決前に、状況起因処理でどちらかのサムを選んで墓地に送る。
  5. 誘発型能力の解決を始めて、最終的に食物トークンを7個ゲット!

食物トークンがいっぱい出たら構築物トークンがマッチョ化するし、その食物を使ってウルサガを拾う事も出来る。

こんなの、絶対強いでしょって思う。

なんかもうコンボとか捨てて、素直にフードに寄せた「サムの物語」を始めた方が強い可能性すらあるのが、モダホラ2のカードの恐ろしい所です。

 

以上、コンボ成功率を重視した「サム・ラリー」の紹介でした!

無限コンボ極振りとは?と思うような結論に至りましたが、リカバリー手段が多いので、クリーチャーコンボが苦手とするクロパや除去コンに耐性があると思います。

ラリー自体が「最後に目にしたのがアリストクラッツ系」だと言うプレイヤーも多いと思うので、意表を突けるのではないでしょうか。

初見殺しも立派な戦略なのです。

 


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Posted by theuri