モダンはおもちゃ箱6 vol.6(最終回) – ホロウ・ワン、また逢う日まで。

セルフディスカードにシナジーを持つ新カードの《太陽の執事長、インティ/Inti, Seneschal of the Sun》と、セルフディスカードの申し子(?)である我らがアイドルの《虚ろな者/Hollow One》を組み合わせたら、継続的にアドバンテージを得ながらミッドレンジ出来るんちゃう?と意気込んで構築してみたお話の6話目。
正直そんなにデッキをこねくり回してたら、原型なんか無くなるよね!って感じで、再構成したその姿は、完全に新しいものへと輪廻転生を果たしていました。
メイン (60)
土地
23枚
クリーチャー
- 4x アスモラノマルディカダイスティナカルダカール
- 4x 鍾乳石の追跡者
- 4x 太陽の執事長、インティ
- 2x 死の飢えのタイタン、クロクサ
- 4x 溶岩舌のゾヨワ
- 4x 楕円競走の無謀者
22枚
ホロウ・ワンどこ?
インティが思いのほか楽しかったのと、インスピレーション全振りで構築を繰り返した成れの果て結果、ホロウ・ワン居なくなっちゃったね。
仕方ないね。
流石に元ネタとは別物が過ぎるので、今回のおもちゃ箱いじりは本稿をもって最終回としましょう。
それでは、最後の成果物をご覧ください!
落魄カードについて
前回のお話で《迷いし者の魂/Souls of the Lost》が強いと書きましたが、最構築後に一人回ししていると「全然大きくならないな?」と。
ガチャカードや、大量のサイクリングカードを搭載していると言う構築だからこそのサイズ感って事で《迷いし者の魂》もここで脱落、個人的にお気に入りのカードなので、別の舞台を用意してあげましょう。
そして、最終審査まで残ったデッキ名を関する落魄カードは以下の3枚となりました。
鍾乳石の追跡者
1マナ 1/1 の威迫、自分の終了ステップ時に落魄していたら +1/+1 カウンターが1つ乗る誘発型能力と、(2)(黒)サクりで対象のクリーチャーに自分のパワー分の -X/-X 修正を与える起動型能力を持ちます。
このデッキの切込み隊長、ホロウ・ワンデッキで改めて《炎刃の達人/Flameblade Adept》の威迫はやっぱり偉いねって話と同時に、パワー2以上の先制攻撃持ちをぽん置きされるだけで止まると言う弱点は問題でした。
しかしこの《鍾乳石の追跡者》ならケツも大きくなるので、この弱点を克服しうる可能性を秘めているのではないかと思う。
勿論こいつにも問題点があって、落魄が簡単に達成出来るとは言え「1ターンに1回しかサイズアップしない」のは、果たしてモダンで通用するのかどうか。
1ターン目にこいつ、2ターン目にインティと動ければ2倍速で膨らみつつ、威迫の特性も相まってそこそこ削ってくれると信じたい。
一応モジモジさせられても、起動型能力で破壊不能を貫通する除去が可能なので、思わぬところでの噛み合うかも知れないね!
溶岩舌のゾヨワ
ダブシン2マナ 2/2 の接死、自分の終了ステップ時に落魄していたら、
- 1枚ディスカード。
- パーマネント1つを生け贄。
- 3点ダメージ。
を各対戦相手に選ばせる伝説のクリーチャー。
《迷いし者の魂》の枠に入る落魄カードには、同じマナ域の《溶岩舌のゾヨワ/Zoyowa Lava-Tongue》を選びました。
腐っても伝説のクリーチャーなので、2・2・2・接死と良好なマナレシオで、特に殴りに行かずとも毎ターン(落魄していれば)アド損するか3点ダメージを押し付け続ける事が出来る。
いささか悠長ではあるけど、居たら居たでかなりめんどくさい系のクリーチャーになってくれそうです。
どうでも良いけど、この子の英語名「ぞよわ・らばたん」なの可愛いよね。
溶鉄の崩壊
ダブシン2マナのソーサリー、
- 対象のクリーチャーかプレインズウォーカーを破壊。
- 対象のマナ総量が1以下のクリーチャーでも土地でもないパーマネントを破壊。
から選べるモード選択呪文。
落魄していれば両方を選べて、1:2の有利交換の可能性がある《戦慄掘り/Dreadbore》の完全上位互換として話題になりました。
置物破壊のモードは対象にとれる制限がキツいものの、2ターン目にフェッチ切って落魄からの「そのクリーチャーとファクトを割りたいです(ニチャァ)」は相手のプラン崩壊にもつながる強烈な1手となりえます。
その他のカード
前回のお話で紹介した「アスモパッケージとインティの相性」には自信があるので、3種12枚を丸ごと採用しました。
ここでは、このパッケージ以外のカードを解説します。
ウルザの物語
最早説明不要レベル、何やら頭のおかしいことがツラツラと書かれた土地・英雄譚、1枚でゲームメイクまでしてしまうやりすぎカード。
しかし最近のモダン・メタゲームの Tier 上位を眺めていると、あんまり採用されていないとか言うバグが発生している、この環境マジでどうなってんの。
このデッキは食物トークンをたくさん作る(=構築物ゲーに持ち込める)し、キーカードとなる《地獄料理書》もサーチできるので完全に入れ得です。
むしろ、アスモパッケージの一部なのかも知れない。
死の飢えのタイタン、クロクサ
ダブルシンボル2マナ 6/6 で、色々と誘発型能力を持つ伝説のエルダー・巨人。
一人回ししていると「落魄出来ないターン」が続くことがあって、明確な隙を晒していると感じます。
2マナ以下で落魄できて、多少だけど相手を妨害できて、墓地からも使い道があるカードと言えば?
\はらぺこクロクサくん/
ほとんどパイオニアのネタを取り扱わない当サイトでは、かなり久々の登場になります。
強いのは間違いないんだけど、《迷いし者の魂》で触れたように「たいして墓地が肥えない」ので採用枚数は2枚に留めておきましょう。
勿論《脱出/Escape》すれば明確な脅威となるので、墓地対策カードをここで切らせるのが狙いです。
本命はインティとコンボ出来るアスモパッケージだからね、避雷針になれば上々。
モックス・アンバー
0マナで、コントロールしている伝説のクリーチャーと同じ色マナを1点出せるマナファクト。
アスモ、インティ、ゾヨワ、クロクサと、14枚もの伝説のクリーチャーを入れることになったので、マナは容易に出せるはず。
枠の都合で2枚しか入らなかったけど、ウルサガからも持ってこれるので、マナスクリュー防止にも使えそうです。
よろしい、ならば対戦だ
60枚1組のライブラリと、15枚のサイドボードが完成したら後はもう戦うだけです。
このデッキの完成と時を同じくして、対戦相手から「やっと潮縛り届いたわ」との報告を受けました。
お相手は《ティシャーナの潮縛り/Tishana’s Tidebinder》と《深根の巡礼/Deeproot Pilgrimage》が入った、最新版のガチ構築マーフォーク。
Tier 上位勢の一角、文句なしの相手…いや、そうだろうか?
ちょっとガチ過ぎないか?
まともに戦えればいいのですが。
ウルザの物語には天敵がいる
2ターン目に飛んできた《広がりゆく海/Spreading Seas》と、3ターン目に飛んできた《激浪の形成師/Tide Shaper》で執拗に赤マナを潰してくる動きで色々と思い出す。
あ、これウルサガ死ぬやつじゃん。
たまたまウルサガを引いていなかった上に、フェッチランドをコンスタントに引けたので色事故は起こさなかったものの、メインから対策されてるのはかなり厳しいです。
マーフォーク1体とその薬瓶を対象に取りたい
落魄ギミックの1発目は《溶鉄の崩壊》でした、やはり1:2交換が決まると減速しますね。
ただ、このカードを何回かプレイして「無理して落魄しようとせずに危ないものは丁寧に1:1交換する」のが良いと思いました。
取れ高のために1ターンのラグを作ってしまって、色々と良くないことになりました。(欲張ったらダメね)
魚花が思った以上にヤバい
相性問題は他にもありました、新カードの《深根の巡礼》が2マナのエンチャントで、こちらの《溶鉄の崩壊》では触れません。(※海も2マナエンチャントなので触れなかった。)
そんでまぁ触れないと、
呪禁のマーフォークがわらわら湧いてきて、ロードと島渡りで急に死んじゃうゲームになります。
これ、思った以上にヤバいカードですねw
対策必須な気がするんだけど、そもそもラクドスカラー(=黒赤)じゃ《大群への給餌/Feed the Swarm》か爆薬系を使わないとエンチャント触れないって言う。
マーフォークを殺すお薬
すれ違いのダメージレースではまるで勝負にならず、1本目を落としてしまいました。
しかしサイドにはとっておきのカードとして《苦痛ある選定/Anoint with Affliction》を入れてきたので、目にものを見せてやりましょう。
最新のリストを見る限り、全てのマーフォークは3マナ以下であることは知っているので、《堕落/Corrupted》など不要、破壊不能の条件を満たしたシヴィエルンでさえも一撃で持っていける、まさしくマーフォークを殺すお薬なのです。
落魄ギミックは関係ないけど、マーフォーク以外にも割と刺さる良除去だと思うので紹介。
永久機関が完成しちまったようです
対マーフォークのコツ、それはロードを丁寧ていね丁寧に潰していくこと、サカナクション戦法。
必殺のお薬とアスモ料理長のメシキャノンで、とにかくロードを生存させないことを徹底しました。
ここまで時間をかけて作ったデッキなんだから、大した取れ高も無いまま一方的にひき殺されるのだけは許されません。
だから、気合いを入れてドローするのです。
うおお、きたあああ!!
激しい消耗戦の末に、インティ・地獄料理書・楕円競争の無謀者を揃える事に成功しました。
ドローしてメインフェイズ、とりあえず地獄料理書1を起動してインティで1枚衝動的ドロー(ゾヨワ)、気に入らないので地獄料理書2を起動して衝動的ドロー、山が捲れたのでプレイします。
メシが2つ出来たのでアスモ起動、そのマーフォークに食わせてターン終了です。
毎ターン実質3ドロー&クリーチャー1体に6点ダメージ、とんでもない永久機関が完成しちまったなぁ!
お互いノーハンドの所まで消耗しきっていたので、2ターン経過した時点で返せない量のアドバンテージ差が発生しており、やりたいことをやり通しての価値ある1勝をもぎ取る事が出来ました!
《鍾乳石の追跡者》も《溶岩舌のゾヨワ》もプレイ出来なかった上に、時間の都合で1-1の引き分けとなりましたが管理人的には大満足です。
対戦相手的には「銀エラ抜けたから息切れするとヤバい」との事で、確かにシヴィエルンでドローする展開に持っていかないとかなりキツそうに見えました。
お互いにしばらくこのデッキで遊ぶだろうから、また色々と調整されていく事でしょう。
—
以上、構築テーマもアイデンティティも捨て去った、成れの果てデッキの紹介でした。
結果的には最新のメカニズムも取り入れて、それなりに戦えるモダンデッキになったので満足しています。
何より久々にがっつりとモダン構築をやり込めて、それが物凄く楽しかったです!
お付き合いくださった読者の皆様、ありがとうございました。
また別の記事でお会いしましょう。
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