[モダン構築] 静寂をもたらスラル – 門衛のスラルを能動的に使う
普通に強いと思ったので、そこそこのお値段で4枚買ってしばらく経つんだけど。
一回も使ってねえな?
そう言うカード、ありますよね。
そんな訳で、今回は今の所一番新しいセットである「カルロフ邸殺人事件」の《門衛のスラル/Doorkeeper Thrull》をキーカードにしたデッキで遊ぼうと思います。
カードデザイン的に「妨害に特化」した能力なので、メタゲームによっては全く出番が無かったりする類のカード。(封じ込める僧侶的な)
でも折角買ったんだから使いたいって事で完成したのが、こちらのリストになります。
メイン (60)
まぁ、こうなるか…(察し)
戦略について
このデッキは《門衛のスラル》と似たような能力を持つ《静寂をもたらすもの/Hushbringer》を合わせてフル投入する事で、クリーチャーの「戦場に出た時○○~」能力を徹底的に封じ、出た時にデメリットをもたらす怪しげなクリーチャーを素知らぬ顔で叩きつけまくって勝利を目指します。
いつだったか《静寂をもたらすもの》と《倦怠の宝珠/Torpor Orb》で同じような事をやったことがあるのですが、その時は全然ダメでお蔵入りとなってしまいました。
最たる原因は《倦怠の宝珠》で、
- ソーサリータイミングで2マナ食う。
- 出た時に何も起こらんし、重複しても何も起こらん。
そんな物を沢山引くと、実質何もしていないも同然なので、結果的に死んじゃうよねって感じでした。
でも8枚体制にしないと、こちらはロクに展開出来ないので入れざるを得なくて、ひたすら都合よく引くことを願う祈祷力チャレンジデッキとなっていました。
しかしこの《門衛のスラル》とか言うカードを見て欲しい、《倦怠の宝珠》の強化版とも言える能力を内蔵し、1/2 飛行のお肉に《瞬速/Flash》まで付いています。
インスタントタイミングで《倦怠の宝珠》を投げつけられるだけでも強いのに、なんと空から殴れます!えらい!天才!!
このレベルのカードと入れ替えられるなら、それなりに戦えるのではなかろうか。
1マナ域
1マナの呪文自体は15枚採用しているものの、先行初手で動けるカードは7枚と控え目。
苛立たしい小悪魔
出た時に「対戦相手が4点ダメージを受ける」を選ぶと、即座に生け贄に捧げなければならない変なクリーチャー。
ゆうて1マナ4点火力と考えると、普通に強いと思う。(金属術達成状態の感電破とか超強いし)
流石に1マナ 4/3 はマナレシオ壊れすぎなので、回答が無ければ4点払ってでも消すよねって言う。
しかし、出た時能力が封じられていたら?
そんな感じのコンセプトです。
コジレックの審問
黒の邪悪なご挨拶、最近ずっと《思考囲い/Thoughtseize》しか使ってなかったんですけど「アレ痛すぎない?」って事で久々にこっち使ってみる。
最近流行りすぎな力線ドラコのドラコが落とせないので、メタゲームによっては《思考囲い》を入れた方が良いと思います。
力線はどうしようも無いけど、ドラコが出てくるのは2ターン目なので、後攻1ターン目でも《思考囲い》なら間に合います。
立身(通常)
現モダン環境には《発掘/Unearth》と言う、サイクリング付きの非常に強力なリアニ系のカード(マナ総量3以下を対象に取れる)がありますが、このデッキにはマナ総量が2以下のクリーチャーしか居ないのでこちらをおススメします。
1枚のカードで2枚分のカードが使えるので単純にお得だし、コンボパーツ(後述の調整用2枚を除く)が全てクリーチャーなので、除去されても1マナで戻せると言う安定感をもたらす。(予定)
致命的な一押し
たったの1マナかつ無条件でラガバンやオークを除去出来る上に、《紛争》達成でシェオルやヨーグモスまで落とせるため、今の環境なら十分使えると思います。
《紛争》の達成もそうですが、多少なりともリアニ要素(=諜報ランドの活用)があるので、フェッチランドの使い方が重要になってきそうです。
2マナ域
2マナ域にはこのデッキのキーカードが全て入っているので、マリガンチェック時には目を凝らして吟味しましょう。
門衛のスラル
デッキ名を冠するクリーチャーの片割れ、なんと言っても《瞬速》を持っているのが非常に画期的。
以前作った失敗作は2マナのソーサリータイミングで仕込みをする必要があったので、とにかく隙が多く《霊気の薬瓶》の採用まで考えました。
しかしこいつなら素で相手のエンド時にいきなり仕込めるので、隙が少なく非常にお強いはずです。
静寂をもたらすもの
デッキ名を冠するクリーチャーの片割れ、初代エルドレイン出身の妨害クリーチャー。
出すためにはソーサリータイミングで唱えなければいけないとは言え、オマケで死亡誘発も止める辺りが頭エルドレイン。
このオマケの能力が、Tier 1 クラスのヨーグモスや赤黒不死にぶっ刺さるので、意外と現環境にマッチしているのかも知れません。
今回はスラルと共に空からペチペチ出来るので、嫌がらせ力はざっと2倍、何気についてる《絆魂》も、ショックインを多用するライフに染み渡ります。
倦怠の宝珠
出た時能力を封じるカードは前回も8枚体制でやってましたが、デッキの特性上引けないと物凄く弱いので、調整用として2枚だけ採用して計10枚でやってみます。
最近は「白い万能除去」が多すぎるのでアレですが、単純に役割の一部を別のカードタイプに逃がせるのは、構築上有効な手法となります。
ゆうてこのカードは2枚以上引くとマジでなんもしないので、最低限の採用枚数まで減らせるのは、結構大きなアップデートポイントですね!
死の飢えのタイタン、クロクサ
これ系のデッキが作られし時、必然的にその名が挙がるハラペコ巨人。
《脱出》せずに普通に出すと、ハンデス能力と共に「自身を生け贄に捧げる能力」が誘発します。
しかし、出た時能力が封じられていたら?()
出た時のハンデス能力は誘発しない代わりに、非脱出時の生け贄効果も無視出来るので、何らかの法に触れていそうな2マナ 6/6 の攻撃誘発持ちクリーチャーが盤面に残ります。
無事生還すれば、たわわなボディと殴り誘発でライフと手札を同時に攻め落としてくれる事でしょう。
狩り立てられた恐怖
これ系のデッキが作られし時、必然的に(ry
普通に出すと対戦相手に、プロテクション(黒)を持つ 3/3 のケンタウルス・トークンを2体もプレゼントする、とてつもなく残念な能力が誘発します。
しかし、出た時能力が封じ(ry
確実に何らかの法に触れている2マナ 7/7 トランプルのクリーチャーが盤面に残ります。
こいつがスタック上にある時にスラル達(出た時能力を封じてるやつら)が除去されると、強力なトークンをプレゼントしてしまうので注意が必要です。
小悪魔やクロクサが同じことをされた所で、特別こちらが苦しむ事は無いんだけど、こいつはダメだ。
あのトークンは普通に強い。
クロクサの攻撃誘発は有効だけど、トランプルを持っていないから、戦闘ダメージ部分はプロテク黒のブロックで無効化されるし、プッシュも当たらん。
出世(余波)
《余波》でしか唱えられないものの、対象のクリーチャーに +2/+0 の修正と《速攻》を付与できる。
グラマラス・ボディなクリーチャーの召喚酔いを1回無視する度に、キルターンが1手早まります。
3マナ域
2マナで完結してる気がしますが、お試し枠としてプレインズウォーカーを採用してみました。
敵対するもの、オブ・ニクシリス
《狩り立てられた恐怖》を《犠牲》コストにしたら、出してすぐに奥義をブッパ出来るのでは?と言う、浅はかな思い付きで、ニューカペナのオブやんを試してみる。
地味なシナジーですが、《苛立たしい小悪魔》が+1能力の参照先になっていたりするので、意外とやれるタイプかも知れない。
Xマナ
可変枠の呪文。
虹色の終焉
定番の万能パーマネント除去ですが、《狩り立てられた恐怖》がやらかした時のトークンを葬ると言う特命が課せられている。
構造上3色までしか出ないけど、これが腐る相手なんて殆ど居ないので、4色目5色目を足すのもアリか。
戦列への復帰
白にちょくちょく現れる、大量リアニメイトカード。
《立身》の所でも触れましたが、このデッキにはマナ総量が2以下のクリーチャーしか居ないので、全て対象にする事が可能です。
たいして横並びするデッキではないので、大量リアニ!って訳にはいきませんが、スラル系と同時に墓地から引きずり出すと、ちゃんと誘発を封じてくれるらしいです。
可能な限りX=2以上で唱えて、アドバンテージを得たいところです。
実戦で使ってみた
前々から対戦写真に写っている《賛美》軍団が並ぶデッキの正体は、賛美持ちのマナクリから《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》や《老樹林のトロール/Old-Growth Troll》や《探索する獣/Questing Beast》を出して、小粒クリーチャーをガン無視しながら相手を殴り倒すと言う暴力的すぎるデッキ。
その豊富な《信心》から繰り出される《ハイドラの血/Aspect of Hydra》はまさに必殺技と呼ぶにふさわしい威力です。
単純明快だけど、なんか一瞬で殺されるぐらいには強いデッキです。
微妙に遅い気がする
新デッキを持ち込むと何故かダイス負けがち、そんなジンクス通り初陣の初戦は後攻でした。
相手の3ターン目エンド時に《門衛のスラル》を着地させ、もらった3ターン目に《クロクサ》を着地させるも、相手のブン回りが凄すぎて一瞬でライフが蒸発、パワー2以下はブロック出来ない謎の能力やめてくだちい。
先行ならマウント取れる
負け先で2本目、2ターン目に《倦怠の宝珠》から3ターン目に《狩り立てられた恐怖》を叩きつけると、お相手からテキスト確認の要求が。
同僚氏「ここに書いてあるケンタウロスは、いただけないのでしょうか。」
管理人「無いです。」
なんやかんやで落とされた《狩り立てられた恐怖》を《立身》で釣って、次のターンに《狩り立てられた恐怖》おかわりから余波の《出世》で +2/+0 速攻を付けて16点パンチで1本取り返し。
久々に《余波》の呪文で強襲に成功したので、大満足です。
オブやん、ええやん。
3本目は後攻でしたが、後攻初手の《コジレックの審問》で《鉄葉のチャンピオン》を手札から叩き落とし、少し猶予が生まれましたが、こちらも実を引けず《門衛のスラル》がぺちぺち1点を刻む展開に。
相手の火力を考えると「トップ勝負はかなりリスキー」と判断し、今は役に立っていないスラルを《犠牲》コストにオブやんを投げつけてみました。
スラルを餌にしたので忠誠度1しかないコピーでしたが、片方マイナス片方プラスの動きは確かに強いと感じたので、もう1枚ぐらい入れて、もっと試してみたくなるカードでした。(←初めて使った)
ゲームの方は返したターンに総攻撃をかけられ、全てのオブやんが消滅して、そのままひき殺されてゲームセット。
対戦ありがとうございました。
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以上、《門衛のスラル》を能動的に使うデッキの紹介でした。
まだ1戦だけなので何ともですが、割と面白かったです。
アレなクリーチャーを叩きつけるデッキではありますが、実際の動きは、
- 真っ当にマナを支払っている。
- 真っ当なタイミングで唱えている。
踏み倒しなどのズルは一切していないので、対策らしい対策はされないんじゃないかと思います。
お相手のデッキによってはスラル系がぶっ刺さるので、明確に有利なマッチも存在するはずです!
是非お試しあれ。
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